韓国朝鮮の歳時記
9.芒種と顯忠日
本日2023年6月6日は24節気の芒種(ボウシュ망종)です。
また、韓国では顯忠日(ヒョンチュンイル)で、民族と国家の守護および発展に寄与し、愛国愛族烈士たちの愛国心と国土防衛に命を捧げたすべての人々の忠誠を記念するための国家の記念日です。
「顯忠」とは「忠烈を表わす日」という意味で、毎年6月6日、法定公休日です。
これについては後ほど。
芒種は小満と夏至の間に存在し、旧暦では4月・5月、陽暦では6月5日もしくは6日になります。
太陽の黄経が75°に達した時になります。
芒種とは稲・大麦などひげがある穀物の種子を蒔くのに丁度良い時期という意味で、以前は苗植えや大麦の刈り入れに適した時期でした。
なので「麦は芒種までに刈れ」と言うことわざが有る位、大事な時期だったと言えます。
この時期に麦を刈って稲苗を植えないと田んぼにする事が出来ず、畑になってしまうと言う危険も加味された言葉です。
この時期、日本では梅雨入りしますが、朝鮮はそれより多少遅いので稲苗植えには最適だった事でしょう。
芒種の時にかつて朝鮮で行われた民俗行事を紹介します。
❶ 芒種見マンジョンボギ망종보기
芒種見マンジョンボギ망종보기とは、芒種が早く来るか遅く来るかで、その年の農作業の吉凶を占った事を言います。
先ほど述べた様に、旧暦では芒種が4月に来る事も5月に来る事も有ったので、4月に芒種が来ると麦の農業がうまくいって早く刈り取ることが出来るが、旧暦の5月に入って芒種が来ると、その年の麦の農業が遅くなって、芒種の日に麦の刈りが出来ません。
これを以て「芒種が4月に入ると麦の緒(しょ:初食)を食べられ、5月に入ると緒が食べられない」と言いました。
この様に芒種の時期でその年の麦の収穫が早いか遅いか、豊年か凶年かを占ったのです。
❷天気占い
この日、芒種の時にカミナリが鳴れば農業が上手く行かず、ヒョウが降れば豊年になると信じました。
❸麦の煤(スス)食べ
全羅道では麦を焦がし、煤(すす)にして食べるボリグスルム(麦煤)を食べる風習がありました。
この日、ボリグスルム(麦煤)を食べたら翌年の麦の農作業が豊年になると信じたそうです。
また、麦がよく実り、その年の麦飯も甘く食べられると信じました。
❹麦粉(こな)食べ
済州島では済州島では麦粉で粥を煮て食べる風習がありました。
芒種の日に青麦の穂をちぎって手で混ぜて大麦を集め、釜で炒めて石臼に挽いてからその麦粉でお粥を煮て食べると、夏に麦ご飯を食べてもお腹を壊さないと信じたそうです。
❺夜露に当たった麦を食べる
他にも一部の地域では、この日の麦を夜露に当てて、その翌日に食べたりしました。
そうすれば腰痛の薬になり、その年に無病で健康になれると信じました。
以上の様に、この時間はそろそろ暑くなり始めで身体を壊す事が増える時期と見え、芒種に関する迷信は朝鮮の全国各地で多様に伝えられています。
先にも述べましたが、韓国で6月6日は顯忠日(ヒョンチュンイル)です。
民族と国家の守護および発展に寄与し、愛国愛族熱烈たちの愛国心と国土防衛に命を捧げたすべての人々の忠誠を記念するための国家の記念日です。
顯忠日(ヒョンチュンイル)がこの日になった理由を、起源はハッキリしないモノの、芒種と結び付ける見方も存在します。
高麗のヒョンジョン顕宗の時代に、芒種の日に死亡した軍事を追悼したと言う事で、記念日を6月6日に定めたと言う説です。
しかし、この説はあくまでも説に過ぎず、ハッキリとしておりません。
6月が、朝鮮戦争が起こった月なので語呂の良い日にしたと言う説も有る位です。
どうあれ、芒種の時期には身体を壊しやすいので、皆さんお身体にはくれぐれも留意しましょう。
<参考文献>
한국민족문화대사전
나무위키
농번기의 시작 망종-절기 망종의 뜻과 풍습
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