<ドラマ クリスマスに雪は降る?>

 
ワンポイントコラム
<韓国朝鮮 歴史のトリビア>
279.クリスマス
 
 
 
今年2023年はクリスマスイブが日曜日、クリスマスが月曜日でした。
クリスマスイブにパーティをするだけなのでカレンダーが良かったと言えます。
乾杯は無論『ハッピーホリデー』です。
日本で12月25日は何事も無い日になります(笑)。
 

 

クリスマス、クリスチャンでも何でも無い私としては商業主義に踊らされて居る様で疑問符が付き纏う事しかりですが、我が家のミックスツインズが生まれた時からの習慣なので、何となくズルズルと年中行事になってしまって居ます。
小学生の頃まではバレない様に当日の夜ベッドにクリスマスプレゼントを置きましたが、中学生の頃からは事前に欲しいモノを聞きプレゼントして居ます。
たまには11月にプレゼントしたりして居ます。
クリスマスと言うのはプレゼントの口実に過ぎず、我が家は毎日がクリスマスみたいなモノなんです(笑)。

 

 

さて、日本では今年、クリスマスが日曜日と言う事で商業的にハッピーですが、日曜日な為に不利益を被って居る国が有ります。
それが何を隠そう韓国で、韓国ではクリスマスが祝日と来て居ますからその様な『捻(ねじ)れ』が生じているのですが、その説明の前にまずはクリスマスの歴史を。

 

<ドラマ トッケビ>

 

まずクリスマスの意味ですが、クリスマスを英語表記にすると「Christmas」になります。
「Chirist」はキリストのこと、「mas」はミサ(礼拝)を意味します。
つまり、キリストのミサと言う意味で、ミサとは降誕祭のこと。
降誕祭は「生誕を祝う祭り」と言う意味で、よく言われる「イエス・キリストの誕生日」という意味では有りません。

 

 

新約聖書にはイエス・キリストの誕生日は明記されておらず、現在の史学ではイエス・キリストはおおむね実在した人物だと見られて居ますが誕生日は不明です。
 
クリスマスは古代ローマ時代の「ローマ暦」において冬至の日とされていた12月25日がキリストの「降誕を祝う日」として次第に定着して行ったと見られて居ます。
これは現地の信仰・文化を包摂しながら人心を掴んで行ったキリスト教『現地化主義』の一環だと言えるでしょう。
12月25日に降誕祭を行う風習は、遅くとも350年代に始まったと見られて居ます。
しかし、今もユリウス暦を使用するアルメニア東方教会を信奉する国では1月7日を祝うと言います。

 

<引用:クリスマスを祝日としている国と地域(「地理総合」p.83図7)>
 
我が国、朝鮮半島に初めてクリスマスが入って来たのは1884年で、その翌年から広がり始めたと言います。
朝鮮で初めてクリスマスを記念したのは朝鮮末期の『独立新聞』でした。
当時の『独立新聞』はクリスマスを休みとしましたし、プロテスタント系ミッションスクール「リファ李花学堂」などもクリスマスには授業をせずに休みました。

 

<ドラマ 99億の女>

 

しかし植民地時代、クリスマスも日帝によって弾圧され、1930年代はクリスマスの飲食を禁止されました。
クリスマスを韓国で祝うのは解放後だと言います。

 

さて、クリスマスを祝日とする国はヨーロッパ・アメリカを中心に地図に有る様に多数有りますが、アジアでは韓国、台湾、フィリピンのみです。

 

<韓国のクリスマス>

 

フィリピンはキリスト教が国教なので置いて、台湾はその日が憲法発布記念の日なので祝日としておりクリスマスを祝日として居るのでは有りません。
純粋にクリスマスが祝日なのは韓国のみです。
これはどの様な理由でしょうか?
日本でもいく度か「クリスマスを祝日に」と言う論議がなされましたが『政教分離』と言う原則に阻まれ実現しませんでした。
同じ政教分離な筈の韓国でクリスマスが祝日の理由とは?

 

<ドラマ 愛の不時着>

 

決して韓国にクリスチャンが多いと言う理由では有りません。
 
驚くなかれ、韓国でクリスマスの公休日1945年9月に日本の武装解除を理由に進駐したアメリカ軍により始まったとの事です。
1945年、38度線以南に入った米軍政はそれまでの日本の祝祭日を一切廃止してクリスマスを祝日に指定しました。
1945年当時のキリスト教徒は人口の5%にもならなかったのですが、アメリカ軍政で働く職員の60%以上がクリスチャンで、日本の文化を否定して新しい祝日を作ろうとする趣旨でクリスマスを役所の祝日に指定したと言われて居ます。

 

<韓国のクリスマス>

 

日本で言えばGHQがクリスマスを日本の祝日に指定する様なモノで、朝鮮に於いてアメリカ軍政が如何に植民地主義で民心と掛け離れた政策を広げたかを示す一例と言えそうです。
 
1948年韓国建国以降、米軍政の布告令が法律上効力が失われると、熱心なクリスチャンだったリ・スンマン李承晩は1949年に「キリスト誕身日」という名称でクリスマスを法定祝日に指定しました。
ちなみに、政教分離の原則からクリスマス祝日に対し批判が高まり、特に仏教界から不平不満が高まると1975年からはお釈迦様誕生日4月8日も祝日となりました。

 

 

こうなると儒教の孔子の誕生日は?イスラム教のモハメッドの誕生日は?と問題が飛び火しそうですが(笑)、クリスマスの祝日に対し批判は多いモノの半世紀以上継続して居る祝日なので一般的に定着して居ると言えそうです。
日本同様、本来の意味を離れドンチャン騒ぎの弊害もまた叫ばれて居ます。

 

<ドラマ ホワイトクリスマス>

 

さて、先程のクリスマスの日曜日に関する件ですが、韓国で現在論議がなされて居るのが「振り替え休日」問題です。
日本では祝祭日が日曜日の場合、月曜日に振り替え休日になるのは当たり前で、現在では『ハッピーマンデー』制度も有りますが、韓国で振り替え休日はさほど古いモノでは無く、試行錯誤は有りましたが、現在の制度は2013年10月に施行令が改正され、代替休日制度が部分的に施行された事が始まりです。
しかし、その制度から「クリスマス」「お釈迦様誕生日(正式名称はプチョ(仏)様いらした日)」など民族祝日では無い日は除外されました。

 

 

これは韓国で公休日が17日と世界的にも多い事、民間の中小企業保護の為など経済的な問題も絡んで居たと言えます。

 

この代替休日制度に対する議論が多くなされた結果、2022年12月20日、与党「国民の力』は宗教祝日である「クリスマス」「仏様いらした日」にも代替祝日を拡大適用することを提案、2023年から官公庁の祝日に関する規定が改正され次第施行される予定だそうです。
これにより韓国ではクリスマスを休日としてユックリと過ごす事が可能になりそうです。

 

 

たかが振り替え休日、されど振り替え休日。
各々お国柄も有り、一言では済まない大きな問題を孕(はら)んで居ると言えそうです。
 
さて、クリスマスは先に「冬至のお祭り」と述べました。
と言う事は「一年の始まり」つまり「お正月」の様な祭日です。
以前の記事で、韓国や中国では陰暦の正月を陽暦のお正月より盛大に祝うと書きました。
韓国朝鮮では『ソルラル설날』、中国では『春節』です。
と言う事は韓国でお正月を祝う祝日は年に3回と言う事になり、面白い現象だと言えます。
もし朝鮮王朝時代の『冬至のお祭り』がそのまま祭日で有ったなら何と4回!(笑)

 

 

お正月にまつわる祝祭日は小正月など他にも有り、どうあれ人類にとって1年の始まりが如何に重要かを物語る事柄では有りますが、皆さんも本来の意味を思い起こし、家族や大事な人たちと楽しいひと時を過ごす良い日にしてはいかがでしょうか?

 

 

<参考文献>
【クリスマスの起源】歴史や本当の意味とは-キリストの誕生日は間違い?サンタは誰?
오마이뉴스 왜 한국은 성탄절에 쉬나요?
나무위키 성탄절
한경사회  내년부터 대체공휴일 확대…1월 2일은?
 
 ブログ記事の書籍出版に向けて

現在クラウドファンディング挑戦中です。

ご協力ご支援お願いします。

#韓国ドラマ #韓国時代劇ドラマ #韓国映画

 愛のムチならぬ愛のポチお願いします ↓

 にほんブログ村 テレビブログ 韓国ドラマへ 

  ブログランキング・にほんブログ村へ

ブログ村に参加して居ます↑
↓読書登録はこちらから↓
韓国・朝鮮よもやまばなし - にほんブログ村