雑記44
集英社新書北朝鮮 拉致問題極秘文書から見える真実(集英社新書)』読書レビュー
 
 
 
 
コロナ感染で全ての通常生活がストップして居る状態、私はおかげ様でヒマだけは確保出来て居るので、書きたい欲求と書ける状況だけはスタンバイ出来ているのですが、ネタ切れは相変わらず深刻です。
 
と言う事で、私(や我々在日コリアン)に取ってタブーの域に近い素材を、今回敢えて「火中の栗を拾う」如く、扱いたいと思います。
それが共和国による『日本人拉致問題』で、
❶共和国・朝鮮総連支持者に取っては忘れたい・「悪夢の様」の様にムリにでも忘れようとして居るかの様な、「アンタッチャブル」な話題・問題になりつつ有り、もう一部風化してしまって居ます。
特に共和国で「拉致問題は完璧に解決した」と宣言して居るので尚更でしょう。

 

 

❷片や韓国・民団支持者に取っては「徴用工問題」や「従軍慰安婦問題」など、自らの目先に置かれた懸案が多く、対岸の火事の様に見える問題になりつつ有る感が有ります。
勿論、下記に於ける「日本のリベラル」的に考える見方も存在します。
 
❸そして、何より「被害者当事者」で有る日本の方々に取っては非常に優先度の高い問題ながら、政治が絡む複雑な問題で有る事に間違い無く、それらの政治問題とは無関係な、宗教の「広告塔」を務めた政治家の筆頭格として、「反共宗教」被害者から逆恨みを買い、銃撃テロに遭った「疑惑だらけの前総理大臣」の『国葬』問題に、賛否両論を投げる『踏み絵』の役割を果たしているとも言えます。

 

 

拉致問題を憤り、解決して欲しいと願うのは、アメリカによる無意味な2回の「原爆投下」で世界的に唯一の「原爆被害者」と言う「戦争被害者」となった1945年以来の「被害者」になった日本の全ての人々が思う切実な願いで有る筈ですが、その問題を何処まで共和国在日コリアンと結び付けるかによって、在日コリアンを見る視線・立場に違いが出ているとも言えます。

 

 

❸-A勿論、「ヘイトスピーチ」を振り翳(かざ)す事で、社会への全ての鬱憤(うっぷん)を気楽に解消出来る「無知なネトウヨ」さん方に取って「拉致問題」は格好の攻撃材料で、共和国・朝鮮総連・ウリハッキョ(朝鮮学校)潰しの切り札として大いに確保したい手持ち札でしょう。
 
彼らにとって被害者に寄り添う気持ちなど「殆ど」無く、敵を叩く材料として最大値利用出来ればそれで良いのですから。
この様な考えの「自民党外(ほか)極右政党」支持者・極右性向者の存在のおかげで、拉致問題は「違憲の派手な国葬」を受ける光栄を担う事になった「政治犯罪人」が未だに支持を受ける『象徴的理由』となって居ます。

 

 

「圧力団体」化して居る、拉致被害当事者と団体については、私も言葉が慎重にならざるを得ませんが、「気持ちは理解出来る』と言う側面と「ライフワークになってしまって居る」と言う側面の、表裏一体な問題になってしまって居ます。
 
❸-B片や「進歩的な方々・リベラル派」に取っては、「拉致問題」は勿論憎むべき共和国の「国家犯罪」ながら、戦後両国が敵対する中で起きた不幸な問題として包括的に解決すべきとする冷静な考え方や、殊に差別の対象として更なるスケープゴートに晒される在日コリアンを慮(おもんばか)って、ウリハッキョ(朝鮮学校)の高校無償化問題と言う「人権問題」を政争の具に使う事を断固反対すると言う、マコトに頼もしい「コスモポリタン」的なバランス感覚・思考方式の源泉的問題となって居ます。

 

 

❸-Cそして、その間で揺れ動く中間層も多く存在する筈ですが、未だに❸-Aに利用される存在として、「拉致問題」は彼らが曖昧な立場に置かれる大きな原点となって居る模様です。
つい最近、私の管理するFacebookのグループにこんなコメントが載りました。
 
でも理解できないのは朝鮮籍を選ぶ方の気持ちです。
朝鮮総連の指導のもと拉致問題やミサイル実験を繰り返す金王朝を支持支援している方達に授業料無償化はあり得ません。
一般の日本人の理解です。
 
このコメントに私も懸命に反論しましたが、この方に聞く耳は無かった模様です。
 
この辺はまだまだ議論の余地があると思いますが、日本人を拉致したりミサイル実験を繰り返した挙げ句、餓死者を多数排出したり北朝鮮の悲惨さはマスコミにより多数報道されております。
韓国系の民団では民族を守ることは出来ないのですか?
 
(以上 コメント)

 

 

終いには朝鮮総連と民団とを天秤に掛けると言う「不勉強」の極みまで露見させてしまって居るワケですが、その部分までワザワザ説明する義務を、私はさほど感じ得ないのでこれ以上のキャッチボールはやめました。
 
西側諸国の共和国「悪の枢軸」キャンペーンの成果が面目躍如と言った感です。
悪の国の行う事は「自衛」も『悪』で、敵の包囲封鎖による「飢え」も『自己責任』に過ぎない模様です。

 

 

コレは今、韓国で流行りの『ネロナンブル』(私がすればロマンス、他人がすれば不倫:正義の2重尺度を皮肉った言葉)『対共和国ネガティブキャンペーン版』と言えそうで、日本や韓国が行えば『善』、共和国が行えば『悪』となり、日本や韓国で起これば『同情』、共和国で起これば『憎悪の対象』と見做す模様です。
 
勿論、現在の共和国に何の問題も無いと申して居るのでは絶対有りません。
私も「拉致問題」を心から憤っており、ミサイル・核問題、「餓死」の問題など解決して欲しい問題点が満載です。
 

 

しかし、それには相手が居るので有り、双方が歩み寄らず共和国だけで解決出来る問題では無い事が『至極当然』に見えるモノだとばかり思って居るので、共和国を一方的に非難する姿勢を矯正してくれないと話しが進みません。
まさに、この姿勢を上記の書籍で強く訴えているので有り、「火中の栗を拾う使命感溢れる政治家」を強く求めて居ます。

 

 

確かに「安倍」になる事は容易くても、「小泉」になる事は難しいです。
小泉元総理、右派的な言動が私もキライですが、自己の政治生命を賭けてこの問題に取り組んだ事だけは高く評価出来ます。
 
ここで、この書籍の著者の名前と略歴を紹介します。

有田芳生(ありた よしふ)

1952年、京都府生まれ。

参議院議員。
出版社を経てフリージャーナリストとなり、主に週刊誌を舞台に統一教会、オウム真理教事件等の報道にたずさわる。
 

日本テレビ系「ザ・ワイド」等にもコメンテーターとして出演。
政治家となってからは拉致問題、差別、ヘイトスピーチ問題等に尽力。
著書に『ヘイトスピーチとたたかう! 日本版排外主義批判』(岩波書店)、『テレサ・テン十年目の真実 私の家は山の向こう』(文春文庫)他多数。
 
(引用 集英社公式サイト)

 

 

書籍内容を紹介します。
 
2002年9月、小泉純一郎氏が日本の総理として初めて北朝鮮を電撃訪問し、金正日委員長が拉致を認め、5人の被害者が帰国を果たしてから20年。

小泉訪朝当時、日朝関係は大きく改善するかに見えた。
だが、その後交渉は暗礁に乗り上げ、拉致問題解決を重要課題としていた安倍長期政権、続く政権でも進展がない。

 
国会の「北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会」等でこの問題に尽力してきた著者はある文書を入手。

そこには拉致の実態、北朝鮮での生活等が詳しく記されていた。
 
本書は極秘文書の内容を分析し、日朝外交を概観することで問題が解決に進まない原因を指摘。
北東アジア安定のために何が必要かを提言する。
 
(同上)

 

 

私はこの書籍、6月の発売後すぐに接しましたが、通常3時間も有れば読み終えてしまう分量で有るにも関わらず、気持ちが重く中々読み進めませんでした。
出来れば避けたい、タブー図書に間違い無く、特に13歳で拉致された横田めぐみさんの件(くだ)りなどは読むのが辛く、シンドい作業には違い有りません。
 
しかしながら、我々も真実を知る義務が有ります。
共和国の調査の杜撰さ、「人権」意識の希薄さなど、今後我々も受け止め改善を要求すべきで有り、自己の政治目的の為に大事な事実を黙殺した自民党政権の「世論操作」の悪業も当然糾弾して行くべきで有り、真の解決を目指して共和国との交渉を進めて行くべく、執権者の背中を押して行く義務もあると思われます。
勿論、後者の仕事は「外国人」と言う意味で、オブザーバーにならざるを得ない事は自明です。

 

 

この書籍で日本政府の「極秘文書」の存在を知りました。
次に書籍の主なトピックを記します。
 
第1部 極秘文書

◎政府の「極秘文書」を分析する

◎安倍総理は、なぜ「極秘文書」の存在を否定したのか

◎はじめて明らかになった日本人の名前とは

◎「極秘文書」はこうしてつくられた

◎拉致被害者の実数を推測させる管理番号

◎横田めぐみさんが拉致された理由

◎横田めぐみさん安否情報の真偽

◎「極秘文書」は外交でどう活用されたか?

 

 

第2部 外交の問題
◎歴史的な訪朝はどのように実現したか

◎いまも語られる「拉致の安倍」神話の真相

◎民主党政権の挑戦と失敗

◎日朝「ストックホルム合意」への道

◎幻の「安倍昭恵さん訪朝計画」

◎拉致問題は解決できるのか

◎残留日本人、「日本人妻」、日本人墓地

◎風化していく拉致問題

◎問題解決への私の提言
解説 
高世 仁(ジャーナリスト) 
 
この様な流れで進行し、様々な疑問を読者に抱かせてくれます。

 

 

日本の偏狭なナショナリズムから脱皮すべきと考える進歩的な日本の皆さん拉致問題「黒歴史」として忘却する事が最善だと誤解してらっしゃる私の様な在日コリアンの方々、双方共にこの様な書籍の『共同学習』と『共同検証』が、拉致問題が風化しつつ有る今だからこそ、尚更喫緊(きっきん)の課題で有ると、強く主張しつつこの書籍の紹介とします。
 

 

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