第8章 韓国芸能
60.カンヌ映画祭ダブル受賞
 
 
 
 
既にご存知かと思われますが、5月28日(現地時間)、フランスのカンヌ・リュミエール大劇場で開かれた第75回カンヌ映画祭授賞式で、ソン・ガンホが日本の巨匠是枝裕和監督の初の韓国映画演出作『ベイビー・ブローカー』で主演男優賞を受賞しました。
そしてパク・チャンウク監督が作品『別れる決心』で監督賞を受賞しました。

 

 

主演男優賞を受賞したのはソン・ガンホが韓国俳優として初めてで、韓国監督として監督賞を受賞したのはパク・チャンウク監督が2番目です。
 
ソン・ガンホが受賞者に呼ばれた直後、カン・ドンウォンが彼と熱く抱擁しました。
ソン・ガンホは主演男優賞トロフィーを片手に持って、パク・チャンウク監督の横から降り注ぐ叫び声と拍手の中で記者たちにむしろ落ち着いた声で「ここにいる方々は作品を見てご存知でしょうが、私だけでなくカン・ドンウォン、ペ・ドゥナ、イ・ジウン、イ・ジュヨン俳優をはじめ、数多くの宝石のような俳優たちの熱演とアンサンブルを代表してもらったのだと思う」と語りました。
 

 

今までカンヌ映画祭でアジア俳優が主演男優賞を受賞したのは1994年の「人生」で中国俳優の葛优、2000年「花様年華」で香港俳優の梁橋、2004年「誰も知らない」の日本俳優の柳楽優弥以来です。
 
韓国が保有するカンヌ映画祭の演技賞は俳優ョン・ドヨン「密陽」で受けた主演女優賞記録が唯一でした。
 

 

本作『ベイビー・ブローカー』は「赤ちゃんポスト」をめぐり、赤ん坊を売ろうとする2人の男と、赤ん坊の母親らの旅路を描く人間ドラマで、18年に「万引き家族」でパルムドールを受賞した是枝裕和監督の監督作でした。
 
ソン・ガンホの今回の受賞は、彼の演技人生で4番目の幕を開けるターニングポイントになると見られます。
映画「ナンバー3」で慶尚道方言を使いながら独特な印象を与えたチョ・ピル役と主役よりも大きな印象を与えた「シュリ」のイ・ジャンギル役がソン・ガンホの演技人生『第1幕』を形成したとすれば、
以後、ソン・ガンホは「反則王」を筆頭に「共同警備区域JSA」「殺人の思い出」など名作で彼で無いと出来ない演技をする「名主演」に成長しました(『第2幕』)。
 

 

以後「スノーピアサー」「パラサイト」で世界的な俳優に跳躍することに成功し、『第3幕』を開けた彼は今回の主演男優賞を受賞した事により、演技人生の『第4幕』を開くもう一つのターニングポイントを迎えたと言えるでしょう。

 

 

ソン・ガンホは「共同警備区域JSA」(2000)、「復讐は我の物」(2002)、「コウモリ」(2009)など、パク監督の様々な作品に出演、特に「コウモリ」で第62回カンヌ映画祭の競争部門に招待されて一緒にレッドカーペットを踏み、作品は審査員賞までもらいましたが、今回の俳優最高の栄誉に輝くのは初めてです。
 

 

ソン・ガンホはただ「賞をもらうために演技をする訳にも行かないし、賞のためにする俳優もいない。
良い作品に絶えず挑戦し、最高の映画祭に招待され、励まされ、受賞もする様になり、このような過程自体があるだけ」とし、「とても幸せで光栄ですが、これが目標にはならないと思う」と強調しました。

 

 

一方のパク・チャンウク監督は「別れる決心」で監督賞トロフィーを受賞しました。
2002年「チュファソン醉畵仙」で監督賞を受賞したイム・グォンテク監督以来、韓国監督としては2番目であり、自身最初の監督賞トロフィーです。
 
「別れる決心」は山奥で起きた殺人事件を担当する刑事(パク・ヘイル)が死亡者の妻であるソレ(タン・ウェイ)に出会い、疑い、興味を持ち始めるストーリーです。ロマンスを前面に出し、心理描写に焦点を置いた作品です。
 
パク・チャンウク監督がカンヌ映画祭の競争部門に進出したのは今回が4回目ですが、彼は先だって「オールドボーイ」(2004)で審査員大賞、「コウモリ」(2009)で審査員賞を受賞して居ます。

 

 

パク監督は「コロナ19を経験しながら来た人類が国境を高く上げる時もあったが、単一の恐怖と心配を共有する事が出来た。」とし「映画と劇場に客が途絶える時期があったが、その分劇場という所がどれだけ大切なのか私たち皆が気付くきっかけになった。」と述べました。
 
そして「私たちがこの疫病を乗り越える希望と力を持っているように、私たちの映画も、私たちの映画人たちも映画館を守りながら映画を永遠に守ると信じている。」と続けました。

 

 

彼は「この映画を作るのにあらゆる支援を惜しまないCJ ENMとイ・ミギョンCJ副会長、チョン・ソギョン脚本家をはじめとする多くのクルー(製作陣)に感謝の意を表する。」と述べ、「何よりもパク・ヘイルとタンウェイ、二人に送る私の愛は何とも言葉で(表現できない)」と言葉を詰まらせました。
 
今回のダブル受賞は韓国エンタメの質の高さと人気・期待が一過性の物では無い事を物語る快挙です。
今後も韓国エンタメの活躍に期待したいと思います。
 

 

尚、カンヌ映画祭最高賞のパルムドール賞ルーベン・オストルンド監督「悲しみの三角形」が受賞しました。
オストルンド監督は2017年に「ザ・スクエア」で黄金のパルムドール賞を受賞してから5年ぶりに再度最高賞を受賞する栄光を担いました。
 

 

 
 
<参考文献>
BBC뉴스코리아 송강호, '브로커'로 칸영화제 한국 최초 남우주연상…박찬욱 감독상
한라일보 송강호, 칸영화제 한국 최초 남우주연상…박찬욱 감독상
연합뉴스 송강호, 칸영화제 한국 최초 남우주연상…박찬욱 감독상(종합2보)
 

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