第7章 韓国ドラマ映画 
136.ドラマ 夫婦の世界
 
 
 
 
『不倫』『復讐』『ドロドロ』ドラマ、このドラマは私が観るドラマでは有りません。
現代韓国の受験地獄を上手く表現したと評判だった『SKYキャッスル』も妻の隣で横目でチラチラ観るだけで、レビュー記事を書けるレベルでは視聴出来ませんでした。
勿論、Netflixで今でも視聴出来ますが、大体想像は出来るので、時間の無い私が敢えて「ドロドロ」ドラマを真剣に観る気にはなれません。

 

 

このドラマも最初はテキトーにチラ見してただけでしたが、段々とのめり込んでしまいました。
正月期間で視聴時間が妻と多いに重なった事も物理的要因として有ります。
 
視聴の1番の理由は2020年3月27日基準で、総合編成局、つまり「チョンピョン종편」と呼ばれるJTBC局の歴代ドラマで放送局の最高視聴率を記録したとの話題性です。

 

 

ケーブルTVと言う悪条件にも関わらずものすごい上昇を見せ、8話で全国視聴率20%を超え、これは非地上波ドラマ基準3位に相当する視聴率でした。
 
その後も非地上波TV局での史上最高視聴率を更新し、16回最終回で遂に全国で28.3%、首都圏の視聴率は魔の30%を超え、最高視聴率31.6%を記録しました。

 

 

韓国でも『막장드라마マクチャンドラマ(ドン詰まりドラマの意味)』と呼ばれる「超ドロドロ」ドラマです。
聞けばイギリスBBC局のテレビチャンネルBBC Oneで放映したドラマ「ドクターフォレストDoctor Foster」が原作だと言います。

 

 

今でも日本Netflixでベスト10にランクインして居るドラマ『梨泰院イテウォンクラス』の後継で、2020年3月27日から5月16日までJTBCで放映したキム・ヒエ、パク・ヘジュン、ハン・ソヒ主演の金土ドラマで、このドラマがハン・ソフィの知名度を上げました。

 

 

これはリメイクが上手く韓国にローカライズ(現地化)する事に成功したと言う事なのでしょう。
 
『歴史ブログ』を標榜する私がレビューする類いのドラマでは全く無い事は自明なのですが、折角の機会なので紹介兼、感想を述べさせて頂きます。

 

 

まずはお堅い制作意図から。
 
一滴の血も混ざってない二人が家族という垣根を作ってお互いの人生を混ぜて共有するその名前 『夫婦』。

 

 

こんなに崇高な縁が「愛」という弱い輪から起因するという事。
噛むほど寒気がする。
愛は無限でも不変でも無いからだ。
 
夫婦の縁を結びながら私たちは約束する。「君だけを愛するよ」と。
しかし、約束は捨てられ、愛は裏切られた。
裏切りから始まった憎しみ、そして続くお互いへの復讐。

 

 

復讐には分相応の対価が伴うもの。
復讐とは相手だけでなく、自分まで破壊する事だと言う事を知らなければならなかった。
私一つ壊れるくらい、喜んで耐えることが出来る。
しかし、一番大切な物まで失うとは思わない。

 

 

相手を破壊する程憎むと言う事は愛のもう一つの形。
これは死ぬ力を尽くしてお互いの首を締める激しい「愛」に関する話だ。
 
(引用 公式サイト)

 

 

いつもに無くオドロオドロしい文言で、人間の怨念をコレでもかと炙(あぶ)り出します(笑)。
 
あらすじを。
 
チ・ソヌ(キム・ヒエ)は、女医であり、映画監督のイ・テオ(パク・へジュン)と結婚し、息子を出産して幸せな家庭を築いていたが、彼女は、夫や友人から影で裏切られていた。 
そんな中、彼女はまた帰って来た夫のマフラーから一本の長い髪の毛を見て、浮気と疑う。

 

 

その日から夫に浮気相手がいるのではと疑心暗鬼になり始める。
ソヌの疑い通り、テオは若いピラティスインストラクターのダギョン(ハン・ソヒ)と浮気を重ねていた。
そしてテオの浮気は近所や同僚など、ソヌ以外の周囲の人間は周知の事実だった。
動揺するソヌの前にダギョンが体調不良を訴え来院する。
検査の結果、ダギョンは妊娠していた。
夫の裏切りを知ったソヌの行動はやがてエスカレートし、壮絶な復讐計画が始まる!
 
(引用 KNTV公式サイト)

 

 

最近のBS放送では本国放送時より話数を増やして、なるだけカットを減らす方向に行って居る事が多く、このドラマも16話を19話に増やして居ます。
それで居て観ていて違和感を感じさせず、次回への「引き」を印象的に残して居るので上手く編集した物だと思います。

 

 

U-NEXTでも配信されており、今後も再放送が多くなされるでしょうからご興味ある方は視聴して頂く事として、ネタバレ無しの感想を幾つか述べさせて頂きます。
 
まずは、日本と違う感情の激しさです。
実際、韓国人同士電話でも会話でも罵り合いが多いですが、激しい民族だと再三実感する訳です。
 
次にニュースを見ても多いのが日本でも多いストーカー行為です。
韓国でも殺人に至る事件が多く、ストーキング規制法が施行開始されましたが、警察の不始末などにより家族まで巻き添えを食らって死亡事件に発展する事件が連日報道されます。

 

 

感情の激しい国民性なので、暴力事件・殺人事件に発展する事が多く散見されます。
 
次に思う事は訴訟社会と実力行使(つまり法に寄らない非合法な制裁)が罷り通る社会の怖さです。
日本に比べ訴訟が多い事は当然緊張感の中で暮らしている事を物語り、それでも救済されない人は自力救済に頼る結果になります。
その様な欧米的社会の危うさを垣間見る事が出来ます。

 

 

イギリス発の物語ですが、現在の韓国の切実なジェンダー問題が上手く取り入れられて居て、我慢しない、耐え忍ばず自分の幸せの為に行動するアクティブな女性像が強く描かれて居ます。
 
韓国でもアメリカ発祥のMeToo運動が盛んに繰り広げられ、芸能界でも数々のセクハラ・パワハラ・モラハラが表面化しましたが、まさしく男性優位社会で耐え忍ぶ事を強いられて来た韓国の女性たちが声を上げ、実力行使に出て来た傾向とその必要性をドラマが汲み上げた事で人気を増したと分析出来ます。

 

 

主人公はダンナの裏切りを黙って居ません。
様々な形で復讐して行きます。
その上で相手からの復讐も受け、ボロボロになっても復讐を止めません。
 
名女優キム・ヒエが暴力で死ぬ間際にまで追い詰められても戦いをやめない強い中年の女性を力演して居ます。
ドラマなのでオーバーが多く、予想を裏切る展開が多く見えますが、このドラマも紛れもなく現代の韓国社会を切り取っているのでしょう。

 

 

離婚後のドロ沼がドラマ後半部分を占めるのでドラマタイトルを「夫婦の世界」とするより「夫婦後の世界」とした方がシックリ来そうです(笑)。
 
最後に言えるのはこのドラマの事件が2人の息子を挟んで行われ、ドラマタイトルを「父母の世界」「親子の世界」と呼んでも良い、離婚した夫婦間の子女、青少年を軸に進む事実です。
韓国メディアでもこの問題を一般的に起こり得る問題だとし、「青少年支援法」の在り方を考えさせるドラマだと評論して居ました。
大人がどう携わるべきかを考えさせられます。

 

 

このドラマ、暴力シーンが韓国でも批判を呼んだ様で、途中から視聴可能ラインが15歳以上、19歳以上に高められたそうです。
この様なドラマが模倣犯の増加に繋がったり、社会問題を生み出さない事を願います。

 

 

それにしても若者に見せるには抵抗が有りますが、大人が真剣に観るには絶好のドラマなので、視聴機会があれば是非。

 

 

<参考文献>
나무위키 
엔터미디아  부부의 세계’는 역대급 시청률만 남긴 게 아니다

 

#韓国ドラマ #韓国時代劇ドラマ #韓国映画

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