<ドラマ ノクトゥ伝>
 
ワンポイントコラム
<韓国朝鮮歴史のトリビア>
231.ナマクシン木靴
 
 
 
 
 
古くから日本人を描く時のステレオタイプと言ったらメガネと下駄でしょう。
中でも下駄が特徴的な事から、朝鮮で日本人を罵る言葉として『チョッパリ쪽발이』と言う呼び方が有ります。
 
 
一方、朝鮮人を罵って、半ば自嘲混じりに呼ぶ言葉としては『ヨプチョン葉銭』が有ります。
これは近世から近代まで朝鮮でかなり長い間に流通した小銭で有る銅銭に、朝鮮人が執着した事から出た言葉です。
 
この様に下駄ゲタと言えば日本人と短絡しそうですが、朝鮮や中国でも下駄ゲタは履かれました。
今回はその下駄ゲタ、朝鮮名でナマクシンについて見たいと思います。
 
 
ナマクシンとは文字通りナム木のシン靴を指す言葉です。
ナム+シンでナムクシン→ナマクシンに訛ったと言われます。
 
<ドラマ 雲が隠した月明かりより>
 
東アジア全般にわたって使用され、朝鮮語ではナマクシン、チンシン、モクケ木鞋、モクリ木履、モククク木屐、カクセク脚濇などと呼ばれ、中国ではモククク木屐、日本ではゲタ下駄と呼ばれました。
 
   <ドラマ雲が隠した月明かり>
 
我が国では他にも地方によって
ナマッケ나막개·ナモケ나모께·ナムシン나무신·モクシン목신·ナムシン남신·ナマクケチャク나막개짝·トマクシン토막신·コットゥギ껏두기·ミオン미엉·ナムバクシン남박신·ナムクシン나묵신·ナムクケ나묵개·ナメクシン나맥신·ナモクシン나목신·ナモクケ나목개など多様な名前で呼ばれました。
 
 
朝鮮ではこれを履いて歩く時、木が土と擦れ合う音から「タルカバル딸까발」とも呼び、晴れた日にも革靴を履けない貧乏なソンビ(士)の代名詞としても使われました。
 
朝鮮のナマクシンは大きく「板型(下駄型)」「船型(木靴型)」に分けられます。
 
<板型のナマクシン>
 
最初は雨が降っても足が濡れない様に木の板に2本の刃を付けて「 ㅠ 」の形の木の板を作り、そこに紐を付けてつま先の間に挟んで履く、日本で見られる下駄の型でした。
後には徐々に砂や雨が入らない様に、足を入れて足の甲を覆う船の型、即ち木靴の形を備える事になったと言えます。
 
<船型のナマクシン>
 
日本の下駄の様なナマクシンが、三国時代、百済のサンブクリ双北里遺跡後期新羅の竹州山城遺跡で発掘されました。
 
清津12~16地区遺跡から、穴3個が開いたㅠ型板状の朝鮮王朝後期の下駄が発掘されて居るので、元は板型だったのが、その後2種類を混用する様になったのではと見られて居ます。
 
<遺跡出土品のナマクシン>
 
材料としては松、イチョウ、柳など様々な種類を使用しましたが、我が国の環境と材料の特性を考慮すると、松の木が最も多く使用されたと見られて居ます。
 
<当時の写真>
 
ナマクシンは近代に入っても引き続き使用されましたが、1910年頃からゴムで作ったコムシンが導入された事により、段々と使われなくなり、人々の記憶から消え去る結果になった様です。
 
<当時の写真>
 
先述した様に、今では下駄と言うと日本独自の履き物の様に錯覚する向きが多いですが、レッキとした朝鮮文化でも有る事に留意する必要か有ります。
 
 
<参考文献>
두산백과
나무위키 
한국민족문화대사전
 

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<ドラマ ホンチョンギ>