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230.ハロウィン
今日10月31日はハロウィンです。
と言うより、我が家では11月1日が結婚記念日なので、その前夜祭的な意味の方が大きいのですが(笑)。
良く知られて居る様に、11月1日は萬聖節(All Saints 'Day、All Hallows' Day）と呼ばれるケルトの土俗的な祝日で、キリスト教が地域の宗教を包摂する過程で取り込まれました。
この日はカトリックでは「全ての大聖人たちの祝日」で、萬聖節は文字通りすべての聖人たち、その中でも特に祝日が別にない聖人たちを称える日です。
ハロウィンはこの萬聖節の前夜祭であり、萬聖祭とも呼ばれます。
ケルトでは1年が12ヶ月ではなく10ヶ月からなるカレンダーを使用し、一年をちょうど4つの記念日に区分しました。
この4つの記念日の中で最も重要なのがまさに一年の最後であり、新年の始まりである10月31日の祭りでした。
11月上旬は秋分と冬至の真ん中頃であるため、冬が始まる時として認識しました。
東洋でも11月7日頃に二十四節気の立冬が有り、同じ頃に冬と認識されます。
今の様に11月1日が全ての聖人の祝日になったのは8世紀頃で、元々5月に行われて居た萬聖節を、ケルトの土俗を呑み込んで、冬の始まりである11月1日に変えたのだと思われます。
一方、ハロウィン期間中に酒を飲んでパーティーをする伝統は南米から北米に伝播されました。
本来、亡者たちを称える南米の伝統がカトリック文化に包摂され、墓に行って死んだ友人や親戚を称えながら酒を飲んで遊ぶ日となり、これが再び北米に伝播されたと言われます。
現在のハロウィンの形はアメリカで形成されました。
ジャック・オ・ランタンがカブからカボチャに代わり、秋の収穫を祝う意味合いも込められ、亡者の仮装をしたり、子供たちが家々を練り歩き「トリックオアトリート」(お菓子をくれなきゃイタズラしちゃうよ)と叫び、お菓子やキャンディーを貰う現在の形に行き着きました。
アメリカを始め欧米で行われていたこの風習が、いつしか商業化され、この様に派手なお祭りに成長した訳です。
日本での流行のキッカケは有名です。
初期の頃には韓国よりも注目されて居ませんでしたが、1998年に東京ディズニーランドでハロウィンイベントを導入して広がり始め、2000年代後半には各種食品会社がハロウィンを利用したマーケティング市場に飛び込み始め、コスチュームプレイが好きな日本人の好みとかみ合いながら徐々に広がって行きました。
食品会社はハロウィンシーズンとされる10月初めから10月31日まで、ハロウィンと言えば「ジャック・オ・ランタン」が連想され、「ジャック・オ・ランタン」はカボチャで作られるので、かぼちゃプリンやかぼちゃパイなど、かぼちゃを材料にした製品を市場に繰り出します。
2014年には、経済波及効果が、日本の商戦の代名詞に選ばれるバレンタインデー関連を追い越し、不動の1位のクリスマスに次ぐ大型イベントに成長しました。
特に若い世代が多く集まる渋谷はハロウィン当日に交通が麻痺するほど人が集まって、人が多すぎて問題を起こしたり、ゴミ投機などの問題が頻発していて、毎年悩みの種になって居ます。
2018年に起こった暴動騒ぎの事件で、ハロウィンのイメージは大きく損ない、市場規模も停滞、若しくは減少気味との統計結果も出て居ます。
一方、韓国でのお祭りの習慣は、意外や日本より早く、1990年代まで、アメリカではハロウィンという祭りが有ると言う事だけが知られており、英語の教科書やアメリカ文化について書いた本で簡単に紹介されたり、移民出身や外国人同士で密かにコスプレに扮し、お互いの家を訪問して過去を思い出する程度のイベントが開かれて居たそうです。
そうした中、コストコが1994年に入ってハロウィン商品を売り、モルモン教会でもハロウィンパーティーを開くなど活発になり始め、駐韓アメリカ軍の部隊でも行事を進め、1990年代にハロウィンが一般に認知されて行ったと言います。
それが2000年代になり、アメリカのネイティブスピーカーの講師たちがハロウィンパーティーを開いたのがキッカケになってますます広がって行きました。
90年代末からイベントを始めた英語学園もかなり有るそうですが、大衆的なお祭りでもなく、無分別に西欧のイベントの真似をすると言うマスメディアの批判まで受け、学生同士の家や特定の場所に集まって仮装を扮し、お菓子を食べてプレゼント交換し、関連業界でこの日限定でイベントをする程度が殆どです。
2000年初めに韓国の大型スーパーマートでハロウィンシーズンに関連の服やグッズを売ったりして広報をしましたが、収益が期待より低いため、特に別の広報や販売をしなくなったそうで、韓国の六本木とも言えるイテウォンに、仮装をした若者が集まって来るイベント化してると言います。
この騒ぎへの行政の苦労は日本同様です。
面白い事に、韓国では10月31日にはハロウィンよりも歌手イヨンの「忘れられた季節」と言う歌謡曲の人気が強く、この時期になると流行するそうです。
まるで、日本でクリスマスシーズンになると山下達郎の「クリスマスイブ」が流行るイメージでしょうか？
韓国では、10月31日前の週末にイテウォン梨泰院、ホンデ弘大、シンチョン新村など繁華街に、本格的なコスプレをした人々、簡単な仮装をした人々がいっぱい集まって通りを満たし、夜明けまでパーティーを楽しむ事が多いと言います。
上記のように韓国では11月1日が祝日では無いので、敢えて10月31日にこだわらず10月の最後の週末に行事をするのが普通だそうです。
今年2021年は10月31日当日が日曜日の為、当日が混む物と思われます。
ちなみに今年の世界的な仮装のナンバー1は「イカゲームのコスプレ」だそうです。
日本もそうですが、節度を守り、人に迷惑を掛けない範囲で楽しんでもらいたいと思います。
我が家では今日は、結婚記念日の前夜祭パーティーです(笑)。
<参考文献>
나무위키
