<新大河ドラマ 太宗イバンウォン>
 
ワンポイントコラム
<韓国朝鮮歴史のトリビア>
195.四字熟語と故事成語
 
 
 
本日、本を読んで居て、『無手勝流』と言う四字熟語、故事成語を見つけました。
これ、「無勝手流」の間違い?何て読むんだろうと調べたら、むてかつ-りゅう【無手勝流】と読むのだそうな。
手を「て」と訓読みする事から、完全に日本で作られた四字熟語と思われます。
 
<KBS大河ドラマ 太宗イバンウォン>
 
「まだまだ私の知らない言葉も有るんだ…もっと勉強しなきゃ」
と言うと少々偉そうでしょうか?(笑)
 
参考迄に「無手勝流」の解説を引用します。
 
むてかつ-りゅう【無手勝流】
戦わずに、策略で相手に勝つこと。また、その方法。
また、師伝によらず、自分で勝手にきめた流儀。
自分勝手にやること。
また、そのやり方。自己流。
無手で勝つ流儀の意から。
 
<無手勝流>
 
「無手」は手に武器・道具などを持たない事。
剣客塚原卜伝(つかはらぼくでん)が渡し舟の中で、武者修行者から真剣勝負を挑まれた時、相手を小洲に上がらせ、自分は上がらずに竿さおで船を突き放し、「戦わず勝つ、これが無手勝流だ」と言って血気の勇を戒めた逸話から。
 
(引用 三省堂 新解明四字熟語辞典より)
 
 
なるほど。
奥が深くて面白いです。
 
今回は、ついでなので四字熟語、故事成語について述べましょう。
 
中国・韓国朝鮮に劣らず日本でも
「4字熟語」または「故事成語」を日常生活の中で使う事が多いです。
しかし、その中に隠れている本当の意味と意図を正しく知っている人はあまり多くないでしょう。
 「故事成語」とは昔有った事、特に中国の故事に由来した慣用句です。
「漢字成語」とも呼ばれ、文字の意味を知ってこそ全体の意味を把握する事が出来ます。
 
 
「故事成語」は、生活全般・人間の心理状態など昔の先人の事件から教訓を得て漢字4文字で表記した物で、今も我々の日常に、極めて密接な関係が有る言葉だと言えます。
 
イディオム(慣用句)、ことわざなど、比喩的な内容を表すので、例えば「塞翁之馬さいおうがうま」の様に、それ自体が物語を含んで居る言葉も有り、知れば知るほど面白いです。
 
<塞翁之馬サイオウガウマ>
 
故字成語と似た概念で四字熟語が有ります。
日本ではコチラの方がメジャーでしょう。
 「故事成語」との違いは、「四字熟語」には単純な4字の言葉も含まれると言う違いが有ります。
 
以前流行ったジョークで「○肉○食」「焼肉定食」と答える話しが有りますが、四字熟語ならそれもあながち間違いでは無いと言えるでしょう。(笑:正解は弱肉強食)
 
何を何処まで四字熟語に含めるかは色んな見方が有りますが、「東西南北」の様に、意味の有る単純な4字の羅列まで含まれると言えます。
 
<○肉○食>
 
この様に、厳密には四字熟語故事成語に含まれると言え、現在日本の四字熟語辞典には5000項目が有り、本家中国の四字熟語(成語と呼ばれる)は2万語になると言います。
とは言え、現代では200〜300語ほど意味を知って使えれば充分でしょう。
 
 
韓国で普通に使用されている中国発祥の「故事成語」は、多分日本で日常で使用される数より遥かに多いかも知れません。 
 
何故なら、これらは殆ど中国の歴史と神話、伝説の詩を含む古典文学などに由来した物で、早くから仮名文字が作られ独自の文化を歩み出した日本とは違い、朝鮮では15世紀にウリクルが発明されたものの、支配層で有るリャンバン階級が近代(18世紀末)まで漢字と漢文を手放さなさずに漢文に拘(こだわ)った為、漢文と縁が深く、漢文的な言い回しが多いせいです。
 
故字成語の中には、朝鮮の歴史上のエピソードより作られた故事成語も存在します。
 
<太宗イバンウォンのチュサンウク>
 
ひとつ例が、以前にも歴史篇で紹介した「ハムンチャサ咸興差使」です。
これはミイラ取りがミイラになる、つまり行ったきり帰って来ない事を言います。
 
太祖リソンゲ李成桂が、太宗リバンウォン李芳遠が起こした、息子で有る王子たち肉親同士、血で血を洗う「王子の乱」を起こした事に嫌気が差し、早々に王座を明け渡し、故郷咸興に隠居しましたが、太宗の度重なる使いの者(差使)を斬って殺し、何人もの使いの者が首都漢陽ハニャン(ソウル)に戻る事が無かったと言う故事から生まれた言葉ですが、実際にはフィクションだと言います。
しかし、この言葉は有名で、
「ミイラ取りがミイラになる」時に普通に使われます。
 
<六龍が飛ぶ>
 
実際、韓国ドラマを観て居ると史劇ドラマは勿論の事、現代ドラマでも登場人物たちが故事成語を普通に使用して居ます。
その使用頻度は、日本のドラマの比では有りません。
おかげで私も、難しい故事成語をドラマで覚えられて勉強になってます(笑)。
 
<太宗イバンウォンと太祖リソンゲ>
 
 「故事成語」は一見難解ですが、漢字に込められた意味を理解すれば、自ずと深い意味が理解出来、色んな場面で有用に使えます。
まるでことわざの様に、とっても便利なツールだと言えるでしょう。
 
 例えば「三國志演義」からは、これら小説のエピソード(逸話)を利用して多くの「故事成語」が生まれました。
 
<映画 新三国志>
 
 劉備と関羽、張飛が義兄弟を結んだ逸話から
「桃園の誓い(桃園結義)」
劉備が諸葛亮孔明を3回訪れた事を引用して
「三顧の礼(三顧之礼:三顧草廬)」
また規律の為には愛する部下も厳しく罰する
「泣斬馬謖(泣いて馬謖を斬る)」
全身全霊でやり抜くと言う意味の
「出師の表(すいしのひょう)」など、
数多く有ります。
 
<KBS 歴代大河ドラマ>
 
この様に、取っ掛かりが難しい面も有りますが、故事成語はひとたび覚えてしまえば現代の我々でも様々なシチェーションで容易に使用出来る便利なツールで、ことわざ同様その人の知性をも表してくれ、現代人の会話に於いてもかなり有用です。
 
 
我が家のミックスツインズのかたわれ、娘は漢検1級を目指しており、現在2級ですが、今度準1球を受験します。
 
問題に故事成語が良く出題される模様で、軽い百科事典的な本、四字熟語図鑑を買いました。
読み物風に学ぶ事が出来、まんざらでは有りません。
 
 
故事成語は漢文的言い回しを多く含む為、漢文の勉強にも足しになります。
 
最後に韓国で良く使用される故事成語を幾つか載せます。
表現が日本のそれと違う物が混じってますが、ご容赦下さい。
皆さんは幾つ分かるでしょう?
是非、皆さんも「故事成語」の世界を楽しんで頂けると有り難いです。
 
 
<日めくりカレンダー>
 
1. 죽마고우(竹馬故友)
 
2. 수어지교(水魚之交)
 
3. 각골난망(刻骨難忘)
 
4. 군계일학(群鷄一鶴)
 
5. 백미(白眉)
 
6. 격세지감(隔世之感)
 
7. 당랑거철(螳螂拒轍)
 
8. 계란투석(鷄卵投石)
 
9. 계륵(鷄肋)
 
10. 백면서생(白面書生)
 
<創作四字熟語>
 
11. 좌정관천(坐井觀天)
 
12. 고진감래(苦盡甘來)
 
13. 환골탈태(換骨奪胎)
 
14. 괄목상대(刮目相對)
 
15. 과유불급(過猶不及)
 
16. 부화뇌동(附和雷同)
 
17. 동분서주(東奔西走)
 
18. 금의환향(錦衣還鄕)
 
19. 목불식정(目不識丁)
 
20. 일자무식(一子無識)
 

<四字熟語カルタ>

 

21. 노심초사(勞心焦思)
 
22. 금상첨화(錦上添花)
 
23. 일석이조(一石二鳥)
 
24. 다다익선(多多益善)
 
25. 역지사지(易地思之)
 
26. 주객전도(主客顚倒)
 
27. 대기만성(大器晩成)
 
28. 양두구육(羊頭狗肉)
 
29. 표리부동(表裏不同)
 
30. 대동소이(大同小異)
 
 
31. 마이동풍(馬耳東風)
 
32. 우이독경(牛耳讀經)
 
33. 모순(矛盾)
 
34. 화룡점정(畵龍點睛)
 
35. 낙양지귀(洛陽紙貴)
 
36. 사상누각(沙上樓閣)
 
37. 후안무치(厚顔無恥)
 
38. 불치하문(不恥下問)
 
39. 사필귀정(事必歸正)
 
40. 오합지졸(烏合之卒)
 
<映画 臥薪嘗胆>
 
41. 와합지졸(瓦合之卒)
 
42. 삼고초려(三顧草廬:三顧之礼)
 
43. 청출어람(靑出於藍)
 
44. 교학상장(敎學相長)
 
45. 새옹지마(塞翁之馬)
 
46. 전전반측(輾轉反側)
 
47. 오매불망(寤寐不忘)
 
48. 선견지명(先見之明)
 
49. 난형난제(難兄難弟)
 
50. 막상막하(莫上莫下)
 
 
気になる故事成語は検索を。
 
<参考文献>
나무위키 
남해신문 고사성어(古事成語)의 고찰
신동열의 고사성어 읽기
네이버블로그 사자성어 모음

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<チュサンウク>