ワンポイントコラム
<韓国朝鮮 歴史のトリビア>
193.パラリンピック
 
 
 
東京オリンピックに続き、8月24日から東京パラリンピックが開幕し、多くの熱戦が繰り広げられて居ます。
 
今回は、このパラリンピックの歴史について見たいと思います。
 
 
パラリンピックは1948年、英国バッキンガムシャーのストークマン・デビル病院で働いていた
ルートヴィヒ・グートマン(Ludwig Guttmann)が、第2次世界大戦の退役軍人のリハビリプログラムの一環として、
アーチェリー大会「ストークマン・デビル競技大会」を開催したのが始まりです。
 
<ストークマン・デビル競技大会>
 
ストークマン・デビル競技大会は以来、毎年ストークマンデビル病院で開かれましたが、
1952年に国際大会に格上げされ、「国際ストークマン・デビル競技大会」(International Stoke Mandeville Games)に名前が変わりました。
 
以後1960年第9回国際ストークマン・デビル競技大会オリンピック開催地であるローマで開かれ、最初のパラリンピックになりました。
 
<ルートヴィヒ・グートマン>
 
その後も国際ストークマン・デビル競技大会夏季オリンピックが開催される年にはオリンピックの開催地で開催され、その他の年にはストークマン・デビル病院で開かれ、1975年まで続きました。
 
 
それが1976年トロントパラリンピックから、オリンピックが開かれる年には国際ストークマン・デビル大会の代わりに開催される物に変わったのです。
 
この時、国際ストークマン・デビル競技大会の名前で開かれた以前の大会も1〜4回パラリンピック大会として遡って命名する事が承認されました。
 
<国立競技場>
 
以降、国際ストークマン・デビル競技大会は、1997年からWorld Wheelchair Games、2007年からWorld Wheelchair and Amputee Gamesと名前が変わって、世界中を回り毎年開催された後、2009年からIWAS World Gamesと名前を変えて、奇数年に開催されて居ます。
 
ちなみに、2021年IWAS大会は2020年東京パラリンピックの延期の為、東京パラリンピックに置き換えられました。
 
 
一方の、最初の冬季パラリンピックは1976年にスウェーデンウェルンシェルドゥビークで行われました。
 
現在ではご存知の通り、4年毎に開催されるオリンピックが終わった後、オリンピックを開催した都市で国際パラリンピック委員会(IPC; International Paralympic Committee)の主催の下、開催されます。
この伝統は、1988年ソウルオリンピックから初めて開始されました。
 
<ソウルパラリンピック ポスター>
 
現在、この大会を指す名称は「パラリンピック」ですが、ソウルオリンピックが開かれた時は「障害者のオリンピック」と呼ばれました。
 
同時に英語の用語をそのまま借用した「パラリンピック」も広く使用されましたが、いつからか「パラリンピック」の使用頻度が高くなり、いつの間にか「障害者オリンピック」の名称を圧倒し、最終的に「パラリンピック」という言葉が事実上公式名称の座を占める様になりました。
 
<出国する韓国選手団>
 
これは、関連法令の名称変更とも関連が有り、
2016年5月に法令が改正され、パラリンピックという名前が正式名称として使用された事に由来します。
 
では、パラリンピックの語源は何でしょうか?
本来パラリンピックと言う言葉は、脊髄傷がい者の試合として始まって居る為、「paraplegic」(下半身麻痺の)「Olympic」(オリンピック)の合成語でした。
 
 
そうする内に、他の障がい者の試合も含まれ、現在ではギリシャの前置詞「para」(横で、一緒に)を使用して、オリンピックと並んで開催されることを意味すると説明して居ます。
 
従って、今のパラリンピック「paralysis」(麻痺)や「paraplegia」(下半身麻痺)の元語源から抜け出して、広い意味を持って居ると言えます。
 
ちなみに知的障害者や発達障害者が参加するスペシャルオリンピックも存在し、パラリンピックとは異なって居ます。
 
<韓国選手団>
 
デフリンピックと言う、聴覚障がい者が参加する別の世界大会も有ります。
 
冬季オリンピックの直後に開催し始めた1992年のアルベールビル冬季パラリンピック以来、冬季パラリンピックはその後直ぐの2月で無しに、3月に開催されて居ます。
 
その理由は他でも無く、アメリカのスーパーボウルの存在です。
 
<マスコットとエンブレム>
 
元々IOC内部でも、オリンピックを1月中旬、
パラリンピックを2月頃開催する議論をしたのですが、オリンピック中継権者である米国NBCが、冬季オリンピックの開催時期を
アメリカンフットボールのスーパーボウルの後にして欲しいと言う、『脅迫に近い要求』をして、仕方なく3月初めに開催される事になったとの事です。
 
アメリカでのオリンピック中継の為、東京オリンピック開会式が中途半端な夜8時から夜中の12時半まで開かれた事は記憶に新しい事と存じます。
 
<韓国選手団入場>
 
その他にも、選手の体調・調整まるで無視の、水泳決勝の午前開催など、アメリカの横暴は果て知れませんが、何と言っても最大の矛盾は、オリンピック、パラリンピック開催が、7月〜8月と言う地球温暖化も加わった『灼熱地獄』下で行われると言う不条理で、全世界がアメリカの支配下に置かれている事を、4年に1度思い起こさせる、シグナルだと言えます(笑)。
 
ちなみに聖火は、オリンピック古代オリンピックの発祥の地ギリシャ・アテネで聖火を採火するのとは異なり、パラリンピックは発祥の地である英国ストークマン・デビルと開催国の独立した場所で採火して合火します。
 
<パラリンピック開会式>
 
夏季パラリンピックの場合、障害等級別に種目が分けられる為、オリンピックよりも細部種目が200個ほど多いです。
例えば、オリンピック陸上男子100mは金メダルが1個ですが、パラリンピックでは同じ種目で16個の金メダルが有ります。
 
ちなみに、金メダルの記録は、1984年パラリンピックで米国が獲得した136個です。
分類は、障害に応じて大きく5つのクラスに分けられ、その程度に応じて再び分けられます。
 
 
❶11-13:視覚障がい者
❷14-20:知的障がい者
❸32-38:脳性麻痺(32〜34クラスは車椅子の使用、35〜38クラスは歩行)
❹40-46:切断またはその他の障がいのある歩行運動選手
❺51-58:脊髄損傷や切断がある車椅子運動選手
 
他にも、視覚障がい者の場合は、詳細クラスは以下の通りです。
❶T11:まったく見えない、インダクターの助けを受ける
❷T12:少し視力が残っている場合で、やはりインダクターの助けを受ける
❸T13:前がやっと見る故人が出来るレベル、インダクターの助け無しで単独で動ける
など。
 
<卓球選手>
 
オリンピックに比べ少々地味で、注目度も薄いと言えるパラリンピックですが、障がい者の社会復帰や社会活動の活発化など、バリアフリーに向け非常に意義が大きい大会と言え、
彼らの言われない偏見から脱皮する意味でも、また健常者によるサポート拡大と言う意味でも、是非とも関心を持って臨みたいと思います。
 
<参考文献>
나무위키
Wikipedia

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