第7章 韓国ドラマ映画
83.奴が嘲笑う 성난 변호사 2015年
まずは故イ・ソンギュンさんに哀悼の意を表します。
今月のKシアターは映画「パラサイト」のパク社長役で存在感を発揮したイソンギュン主演映画、クライム・サスペンス・アクション・推理・リーガル(法廷)映画です。
ちなみに私が今書いたジャンルは5個!
何とも多くのジャンルにまたがって居る事か(笑)。
韓国映画ってひとつのジャンルに収まって居る事は殆ど無くて、色んなジャンルに跨って居るのがセオリーの様に感じます。
パラサイトだってコメディー要素たっぷりでしょう?
この映画、さすがにコメディー要素は最後以外無かったけど、弁護士がここまでする事自体コメディーな気がしなくも有りません(笑)。
話しは法廷ドラマかと思いきや反転して、あっちに進んでは袋小路(行き止まり)、こっちに進んでは袋小路… を繰り返し、オイオイ何処行くんだよ〜と言いたい所ですが、大体行き着く所は思った通りと言った感で、想像出来ました。
と、結論を出す前にKBSの回し者としてはまず映画の見どころから。
*KBS World初放送!
証拠も遺体もなき女子大生殺人事件。
背後に潜む危険な罠に踏み入れてしまうエリート弁護士を、『パラサイト 半地下の家族』のイ・ソンギュンが熱演!
*100%の確率で裁判に勝訴してきた弁護士ビョン・ホソン (イ・ソンギュン)に訪れる危機、それを覆す痛快な反撃を行うリーガルサスペンス!
*主人公とぶつかる検事役を「トッケビ~君がくれた愛しい日々~」のヒロイン キム・ゴウンが熱演!
(引用 KBS 公式サイト)
そうなんです。
トッケビのヒロインが共演なんですね。
年齢的にチト合わない気はしましたが、掛け合いが楽しかったです。
続いてあらすじです。
大手法律事務所のエースとして、100%の確率で裁判に勝訴してきた弁護士ビョン・ホソン (イ・ソンギュン)。
薬の副作用をめぐる裁判でも、その巧みな話術で製薬会社を見事勝訴へ導いたところ、その手腕を見込んだ製薬会社会長から次なる弁護依頼が入る。
それは、女子大生殺害の容疑をかけられた彼の運転手の弁護だった。
犯行現場には大量の血痕があるものの遺体が行方不明な上に、被告人を目撃した証人も存在していた。
この圧倒的に不利な裁判に勝つため、ビョンはある証拠と偽りの証言を用意。
しかし裁判の最終日、それまで無実を訴えていた被告人の言葉で事態が一変する、「私が殺しました…。」
(引用 KBS サイト)
まず言いたいのは、パク社長否、イソンギュンさん、パラサイトの時にも思いましたが、ルックスはもちろんの事、何と言っても声が素晴らしくステキです。
渋いと言おうか貫禄が有ると言おうか、良く通る声で、威厳が有り、惚れ惚れします。
声優をしても良さそうですね。
殆どの映画、ドラマを主演して居て、パラサイトも主演だったと知り驚きですが、韓国の主演は日本の主演と異なり範囲が広いんですね。
パラサイトでは主人公の被害者と言った立場で凡そ主演らしくは有りませんでしたが、この映画では単独主演と言った感じで大活躍します。
アクションもこなして居ますが、身のこなしの素早さにも感心します。
韓国の俳優は何でもこなせないといけないんですね。
結論は前回のスウィンダラーズと同様で、反転ドラマから遡って来た感じで少々見え見えな所が有りましたが、黙って騙されて見るのも良さそうです。
毎度の政治性ですが、今回は大会社の不正握り潰しが裏テーマの様で、悪徳会長が陣頭指揮に乗り出し悪事を働きます。
最後には暴かれ、裁かれるのでスカッとはしますが、毎日韓国ニュースを見てる私としては、韓国の不正は殆ど社会構造的な物で、救い様の無い病理なんだろうか?と落胆してしまいそうです。
その病理に立ち向かうオーバーな主人公の行動にハラハラさせられはしますが、弁護士がそこまでやるなんて…と現実的では無い行動が目立ちました。
あくまでエンタメとして観るべきなんですが。
興行結果は総観客数112万4137名で, 累積売り上げ高は86億9500万4139円だったそうで、まずまず成功と言えそうです。
パラサイトでパク社長に興味を持たれた方、トッケビでキムゴウンの魅力を知った方、2人の共演するサスペンス反転劇、一度ご覧になっては如何でしょう。
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最後にオマケですが、韓国の原題は
「怒れる弁護士」、「奴が嘲笑う」の邦題とは正反対なのが笑えます。
<参考文献>
나무위키