<BTS>
 
韓国朝鮮の文化
17. K-POPの歴史
 
 
 
最近我が家でBTS攻勢が激しいです。
我が家の家内がこの歳になって初めてアイドルに目覚めてしまい夢中になって居るので、朝から晩までBTSの嵐です。
 
SNSで盛り上がってスマホから手を離しません。
Blue-rayのおまかせ録画機能で、HDDはBTS関連番組だらけです(笑)。
 
 
と言う事で、今回は現代史として、
今や世界中に旋風を巻き起こして居るK-POPの歴史を辿って見ます。
 
意外と言おうかやはりと言おうか、韓国KーPOPの歴史はさほど長く有りません。
日本のJ-POPの原型と言える歌謡曲が終戦と共に始まったのとは大違いです。
 
<パティー・キム>
 
韓国の大衆音楽はアメリカポップの影響と支配下に有りました。
1960年代初期、日本の影響下のトロット(演歌の韓国版)を除く分野ではパティ・キム、シンジュンヒョンなどアメリカ第8軍ショー団の徹底した管理下で実力が認められた歌手以外活動出来ませんでした。
大衆歌謡の主な消費層が韓国人では無く、米軍部隊であった事が影響したと言えます。
 
1970年代韓国の経済が発展、20代の大学生が消費者層に浮上し、ギター、ジーンズに代表される若者文化が到来して韓国ロック音楽の胎動期が起こりますが、軍事独裁政権の抑圧の下、創作活動に多くの制約を受けました。
 
<ユジェハ>
 
1980年代に入り、イ・ヨンフンユジェハが韓国型バラードの枠組みを完成させ、今も続く韓国のバラード人気が始まりました。
同時にマイケルジャクソンなどの国際的なスーパースターなどが大衆音楽を牽引しました。
 
そしてプファル、シナウィ、ペクトゥサンなどのバンド音楽がその後の
ダンスミュージックの基礎になりました。
 
1990年代より現在の韓国POPが始動しますが、ここでは何と言っても『ソテジとアイドゥル(子どもたち)』の熱狂を置いては語れません。
 
<ソテジとアイドゥル>
 
この人気は日本では想像出来ない程の国民的アイドル以上の凄まじい人気で、その意味で彼らデビューの1992年が「韓国アイドル文化元年」と呼んでも過言では有りません。
 
彼らを男性アイドルグループの始まりと見る事が出来ますが、それ以前は現在の「アイドル」という概念がまだ成立して無かったのですからそのインパクトは図り知れない物が有ります。
 
そして、ナイトクラブDJ梨泰院ムーンライトでダンスを踊った多くの人々が製作者と作曲家と歌手などで飛び出し、ヒョンジニョンなどの現在のK-POPの一軸を成している大手プロダクションSMの第1号歌手など、現在のK-POPの原型が現れ始めました。
 
<ソテジとアイドゥル_>
 
一方、ガールグループの始まりは1993年結成の中央大学生の『カラー』と言うグループが始まりでした。
 
そして今もKーPOPを代表するダンス歌謡曲は「ソテジとアイドゥル」が1996年に引退宣言し、彼らの引退直後に登場した「HOT」を始めとした専門的なアイドルグループにより始まったと言えます。
 
<4大芸能事務所>
 
こうして韓国アイドル歌手のパターンで有る
「練習生時期を経て、所属事務所の苛酷なトレーニングを経てデビューする、準備された人だけがデビューをするシステム」
が作られ始めたのです。
 
<HYBE(旧BIG HIT)新社屋>
 
アルバム発売とカムバック、そしてファンクラブという構造を本格的に音楽事務所で管理する体制に入りました。
つまりファン層を中心とする新たな体制は、
2020年代の今もK-POPの歌手生産体制になって居ます。

 

ここで余談ですが、韓国にはアルバムのみで、シングルCDは存在しません。

 

 

<HOT>

 

この当時代表的なボーイズグループはHOT、シンファ、godなどがあり、ガールグループでは1997年以降に登場したSES、ピンクルなどが有ります。
 
ソロ歌手も多く輩出されました。
圧倒的販売量を誇ったチョソンモなどのバラード歌手は僭越ながら私もドラマOSTの影響で良く聴きました。
 
この様に1990年代にソテジ以来アイドルグループが登場し、韓国歌謡界は10代が音楽市場全体を掌握する現象が起き、20年が過ぎた現在も繋がって居ます。
この様な現象は日本も同様と言えます。
 
2000年代初頭からの音楽シーンは結構日本でも韓流ブームの到来により良く知られているでしょう。
 
<BoA>
 
女性ソロ歌手らが活発な活動で人気を得て、特にBoAは日本でも韓国歌手初のオリコン1位を獲るなど人気を得ました。
 
混成グループ「クールとコヨーテ」
「god」「ピRain」などが国民的な人気を集めました。
 
<元 東方神起(現在は2人)>
 
2000年代に入ってからはR&Bジャンルが席巻した後、2000年後半から再度アイドルグループが流行し始めました。
 
第2世代のアイドルの原型「東方神起」「スーパージュニア」が人気を集め、2007年YGとJYPの「BIG Bang」「ワンダーガールズ」が旋風を巻き起こします。
 
<KARA>
 
2009年には少女時代、Karaカラなどアイドルグループが大規模に登場し、現在のK-POPの時代が到来しました。
 
2010年には女性ソロの方ではアイユーという歌手が登場して現在まで活躍して居ます。
 
しかしアイドル市場はいわゆる海外進出、特にカラの日本進出成功の後は、ほとんど日本への進出が日常化される様になりました。
 
BIG BANGが初めて2011年韓国歌手初のiTunes総合Chart10位以内に進出し、世界的な成功を収めました。
 
<BIGBANG>
 
そしてEXO防弾少年団BTSが第3世代の男性アイドルの代表として走ります。
ピョンチャンオリンピックの開会式でEXOがパフォーマンスを披露したのが韓国アイドルシーンの成熟を物語りました。
 
<ピョンチャンオリンピックのEXO>
 
本格的な第3世代のアイドル市場はブラックピンク、ガールフレンドなどが中心に牽引し始め、特に世界的人気はBTSブラックピンクが獲得して居ます。
 
最近では日本でも行われて居ますが、2010年代半ばからアイドルオーディション番組が登場し、そこでのワナワンなどのプロジェクトグループがかなりの人気を集めました。
 
もちろんアイドルオーディション番組の多くが、最初から大手芸能事務所により操作されたヤラセで有る事が明らかになり、そのブームは衰え始めましたが、未だ多くのアイドルオーディション番組が存在して居ます。
 
<BLACK PINK>
 
2010年後半からYouTubeを活用した北米、アジア、ヨーロッパなど海外進出が非常に盛んになり、K-POPのグローバルな成長が、以前に比べて爆発的に拡大され、BTS、BLACK PINKなどは世界的な知名度を得てK-POPの両輪に聳(そび)えて居ます。
 
BTSSEVENTEENなどボーイズグループも人気ですが、最近ではNewJeans(ニュージーンズ) 、LE SSERAFIM(ルセラフィム)などの新しいガールズグループが世界を席巻して居ます。
 
 
2010年代後半に入り、音源チャート買い占め問題が発生、未だ日本と違い音源での商業モデルが確立して居ない問題などK-POPにも問題点は多々有ります。
 
<WANNA ONEワナワン>
 
K-POPが、最終的にどこに帰着してどう発展出来るかが今後にとって重要なイシューと言えるでしょう。
 
いわゆる4大企画会社を中心としたダンス型K-POP、バラード中心のK-POP、トロット中心のK-POP、どのジャンルが真の人気を獲得して行くかが今後の韓国に於ける音楽シーンの課題と言えます。
 
以上、簡略にK-POPの歴史を見ました。
 
<参考文献>
나무위키 
한국민족문화대사전