雑記31
創氏改名って?(岩波新書 創氏改名)
 
 
 
 
 
岩波新書の「創氏改名」を読みました。
2008年出版と有りました。
何故気づかずに居たのでしょう?
 
映画「マルモイ」にも有りますが、「創氏改名」は植民地時代の大きな事件です。
 
↓↓マルモイのレビューはコチラ↓↓↓
自分自身にとってとてもタイムリーな本でした。
何故なら最近、
歴史修正主義の言質として植民地時代の
「創氏改名」は決して強要では無かったとの主張があり、反論の為にも創氏改名の実際を
感覚のみならず実証的に知る事が重要と考えたからです。
 
この本を読み創氏改名の目的と意図、総督府と警察の対応の違い、当時の朝鮮人の対応、
内地人(日本人)の反応など当時の空気を知る事が出来ました。
 
 
特に「内鮮一体」を叫びながら創氏改名を推進するにも関わらず日本人と朝鮮人の見分けをつけ、差別を顕在化させようとした総督府の矛盾した対応等、創氏改名の本質的矛盾を一刀両断して居て、今も抱える後遺症(特に我々在日コリアンの)を考える上での良い材料となりました。
 
本の紹介文句を引用します。
 
1940(昭和15)年に朝鮮で実施された創氏改名は,単に朝鮮人の名前を日本風に変えさせたものとして理解されることが多いが,実は複雑で多様な政策であり,同化と差異化という日本の植民地支配の特徴をよく表わすものでもあった.そのねらいは何だったのか.実施過程を検証するとともに,朝鮮社会に何をもたらしたかを考える。
 
当時、当然ですが書評が多くなされて居ます。
 
歴史地理教育 2008年10月号
時の法令 2008年9月15日号
クロワッサン 2008年9月10日号
週刊読書人 2008年7月25日号
週刊エコノミスト 2008年7月15日号
統一日報 2008年6月18日
京都民報 2008年6月1日
中央公論 2008年6月号
イオ 2008年6月号
Sai 2008年夏秋号
東洋経済日報 2008年5月16日号
民団新聞 2008年5月14日号
図書新聞 2008年4月26日号
朝鮮新報 2008年4月21日号
毎日新聞(朝刊) 2008年4月13日
 

 

これだけの書評が出て居たにも関わらず、
私自身この本に気づかず居たとは全くの不覚でした。
尤も岩波新書を置く書店は限られて居て、
育児に忙しかったあの頃、大型書店に行く余裕は全く無く、覗く書店はショッピングセンター内の書店に限られて居たと言う面は多いに有ります。
 
そしてその頃の私の関心がもっぱら「育児」と「教育」に偏って居た事を鑑み、さもありなんと言う感じです(笑)。
 
と言う訳で遅ればせながら読んだ訳ですが、
この本で台湾での「創氏改名」政策との違いも知る事が出来、朝鮮と台湾の植民地支配の差異の一端を知る事が出来た事も成果でした。
 
 
ちなみに我が家も通称名(通名)が有りますが、
この本に有る様に関連する人から名付けたパターンで、家内の家のは本貫から名付けたパターンです。
どうでも良い話ですが(笑)。
 
まだ未読の方、是非お勧めです。
本日は店頭にて座り読みしましたが、手元に置く為購入しようか思案中です(笑)。