ワンポイントコラム
<韓国朝鮮歴史のトリビア>
137.朱蒙神話주몽신화 
 
 
 
 
 
古朝鮮の檀君神話で味を占めたので(笑)、
当分各国の神話シリーズと行きます。😅
 
神話第2弾は高句麗の朱蒙チュモン神話です。
ドラマチュモンのヒットで知る人も多いと思われますが、ドラマはかなり脚色してるので
ご注意を。
 
 
朱蒙神話は複数の文献に表れ、「旧三國史」「高句麗本紀」の記録が最も詳しく豊富な内容を含んで居ます。
色々な口伝説話が語り継がれ纏(まと)まり、新鮮で雄大な建国神話に完成されたと言われて
居ます。
 
朱蒙神話は以前にも書きましたが、扶余「ヘモス解慕漱神話」と似てる上に双方が矛盾して居て、読むと頭が混乱して来ます(笑)。
次次回にへモス神話を紹介しますのでどなたか比べて謎を解いて下さい(笑)。
 
 
朱蒙はヘモス解慕漱リュファ柳花の息子として生まれます。
 
天帝が太子ヘモスを扶余の古都に送りました。
扶余の古都は天帝の命により東海カソブォン가섭원に国を移し東夫餘を建てたプル夫婁王の元の都でした。
 
五龍車の馬車に乗ったヘモスは白鳥に乗った百人の部下を率いて地界に降り立ちましたが、頭にはカラスの羽で作られた冠を被り、腰には龍光剣を差しました。
 
朝昼に政事を見て夕方には空に上って行ったので、世の人々は「天王郎」と呼びました。
 
ヘモスは熊深淵の水辺に遊びに来た水の神ハベク河伯の三人の娘を美しい宝石で誘惑して、その中の長女であるリュファ流花と強引に通婚しました。
ヘモスが龍の馬車に乗って河伯の国に行きリュファとの婚姻を要請しました。
 
ヘモスとの変身術対決で敗れた河伯は婚姻を承諾した後、ヘモスがリュファを捨てて行かないか心配して、酒に酔わせた後2人を一緒に革で包み龍の馬車に乗せます。
 
しかし酒が覚めたヘモスは、
リュファの金の簪(かんざし)で革を破って一人天上に上ってしまいます。
 
河伯は酷く怒りリュファをウバルス優渤水に追放します。
リュファは漁師の網にかかって東夫餘の王クムワ金蛙王の元へ行きますが、クムワ王はリュファが天子の妃である事を知って離宮に留め置きます。
 
リュファの体を太陽の光が照らし、妊娠して、左脇から大きな卵を産みました。
王はいぶかり卵を捨てますが、
牛馬がそれを避け、鳥たちが羽で抱えて守るので仕方なくリュファに返した所、ついに1人の男の子が卵を破って出て来ました。
 
 
1ヶ月で言葉を口にしましたが、弓と矢を作ってやると百発百中で蠅(はえ)を取りました。
なので名前をチュモン朱蒙としました。
成長しクムワ王の七人の息子と一緒に狩りに通うも優れており、常に嫉妬を受けました。
 
なので朱蒙はリュファが用意してくれ駿馬に乗って3人の友と一緒に東夫餘を去りました。
鴨緑江東北のオムチェスに至って鞭で空を指して「天子の孫、河伯の外孫を憐れんでくれ。」と言いながら弓で水を打つと魚やスッポンが橋を作って、追って来る軍隊を引き離し無事川を渡れました。
 
チョルボン卒本に定着して国を建てた後、ピリュ沸流王ソンヤン松陽との対決で大きく勝利します。
王位に上がりましたが、19年後に空に上った後降りて来ず、太子が王が残したヒスイの鞭を龍山に埋め祭祀を上げました。
 
(終わり)
 
 
朱蒙神話の特徴を幾つか述べます。
 
朱蒙は東夫餘クムワ王の息子の1人で、異母兄弟たちとの葛藤により東夫餘を南下して、新しい国を立てた後、ビリュグク沸流国を占領するなど、次第に勢力を伸ばした人物です。
 
しかし、チュモン朱蒙神話は事実をありのまま言わず朱蒙の血統と能力を神聖化して居ます。
扶余系種族が共通して認める天神の権威と血統を引き出し、朱蒙は天帝の息子のヘモス解慕漱を父として居ます。
 
解氏は朱蒙の姓高氏と血統が違う高句麗の支配勢力の一つでした。
朱蒙がヘモスの子になったのは、天帝の権威と解氏集団の力を同時に受け継ごうと言う計略による物と思われます。
 
朱蒙はヘモスだけではなくてハベク河伯系集団をも引き寄せました。
 
「王は光によって妊娠をする」と言う扶余系伝承が有りますが、リュファは単にその資質だけでは無く、河伯の娘と位置付けられ、鴨緑江の水神を崇拝するもう一つの勢力を神話を通じて統合しました。
天神と地神(水神)の組み合わせによって建国主が誕生したと言う神話がこうして作られたのです。
 
朱蒙の神聖な力を示す為に朱蒙神話は、幾つかの点をより浮上させて居ます。
何よりも朱蒙は一級の射手です。
 
 
古代社会で弓の能力は英雄の最も重要な徴標でした。
朱蒙は幼い頃から蝿を打ち、名射手すなわちチュモン朱蒙という名前を得て、成長期には東扶余の王子たちの嫉妬を呼び起こすほど優れた狩猟能力を誇りました。
 
東夫餘を脱出してはリュファが送ったハトを撃ち麦のタネを得て、国を建てた後、百歩先に翡翠(ヒスイ)の指輪を置いて打ち抜き、ビリュ沸流国王松陽を屈服させました。
 
朱蒙の弓は、正に彼の軍事的能力の象徴です。
弓は軍事的能力だけではなく、宗教的な能力の象徴でも有ります。
 
朱蒙は危機的状況で「天帝の孫、河伯の外孫」という一種の呪文を唱えながら弓で水を打ち、魚で出来た橋を作ります。
 
 
この時の弓は呪術的なツールであり、この行為が物語る様に朱蒙は軍事的英雄で、尚かつ宗教的英雄、つまり呪術師でも有るのです。
 
朱蒙は死んだハトに水を与え生き返らせます。
リュファが送った鳩のペアを弓で射落とした後、見せた神奇な能力です。
朱蒙はビリュグク王松陽との戦いの過程で鹿を逆さに吊るし、呪文を唱えました。
この呪文が効力を発揮し大きな雨が降って松陽の都を水に浸からせます。
 
こうして朱蒙神話は朱蒙を軍事的英雄で有るばかりか宗教的英雄として形象化して居ます。
 
朱蒙はまた知恵の人です。
朱蒙はかつて駿馬を調べ、その馬の舌に針を刺し細らせて、金蛙王からその馬を得ます。
 
 
朱蒙は臣下ブブンノビリュグク沸流国の鼓角を密かに持って来る様にした後、色を黒く塗って古い様に細工します。
 
宮室を腐った木で建て、長く経った(古い)様に見せて都の新旧を問うピリュ沸流王を
負かしました。
 
英雄が持つ知恵者(クェジェンイ꾀쟁이)の形象が見られます。
 
この様に、複数の局面で朱蒙を神聖化する事で、高句麗の建国は宗教的、歴史的正当性を得て居ます。
 
 
また、高句麗建国の英雄チュモン朱蒙は後代に朝鮮古代国家の歴史が古朝鮮を起源に統合される過程で、檀君との関係を結んでプル夫婁の兄弟になって居ます。
 
「檀君記」という文献に檀君が河伯の娘と関係を結んで息子プル夫婁を産んだと有りますが、ヘモスが河伯の娘と結婚して朱蒙を生んだので、朱蒙は夫婁と母親が同じ兄弟の関係になると言えます。
 
朱蒙は母リュファを介して檀君と繋がり、檀君は朱蒙の伯父になる訳です。
目的に応じて血統が統合され、朱蒙と関連する様々な神話が形成されたのです。
 
これは一言で用意周到な神話と言えます。
どこを取っても遜色の無い、完璧な存在として居る訳です。
ここに朱蒙神話が持つ最大の特徴を見る事が出来ます。
 
次回神話を詳しく分析したいと思います。
 
↓↓↓記事はコチラ↓↓

 

 

<参考文献>
三国史記
三国遺事
한국민속대백과사전
한국민족문화대백과사전
네이버블로그 주몽신화

 

#韓国ドラマ #韓国時代劇ドラマ #韓国映画

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