第7章 韓国ドラマ映画
49.南山の部長たち 
남산의 부장들  2020
 
 
 
 
昨年(2020年)1月韓国で公開された映画「ナムサン南山の部長たち」が1年経ち
日本でやっと公開されたので、初日に行って来ました。
 
コロナ緊急宣言下ですが、そこそこ席が埋まって居ました。
入場プレゼントでチラシをゲットしたので大切にします♪
 
<入場プレゼントのチラシ>
 
まず公式サイトの解説から。
 
1979年に韓国の朴正煕大統領が中央情報部部長キム・ジェギュに暗殺された実話を基に映画化した実録サスペンス。
 
金忠植キム・チュンシクによるノンフィクション「実録KCIA『南山と呼ばれた男たち』」を原作に、「インサイダーズ 内部者たち」のウ・ミンホ監督がメガホンをとった。
 
1979年10月26日、大統領直属の諜報機関である中央情報部(通称KCIA)部長キム・ギュピョンが大統領を射殺した。
事件発生の40日前、KCIA元部長パク・ヨンガクは亡命先であるアメリカの下院議会聴聞会で、韓国大統領の腐敗を告発した。
 
激怒した大統領に事態の収拾を命じられたキム部長はアメリカへ渡り、かつての友人でもあるヨンガクに接触を図るが……。
 
愛国心と野心との間で揺れ動くキム部長をイ・ビョンホンが熱演。
共演に「目撃者」のイ・ソンミン、「哭声 コクソン」のクァク・ドウォン。
 
         (引用 公式サイト)
 
 
う〜ん、韓国映画の強い分野ですね。
事実とフィクションのあいだ、
韓国ではfactとfictionの中間と言う意味で
factionファクション팩션映画と呼ばれて居るらしいです。
 
私達の年頃はそれを聞くと「ハクション大魔王」を連想してしまいますが(笑)。
真剣な映画なのにムードを壊してしまい申し訳有りません。m(_ _)m
 
ともあれ事実とフィクションを織り交ぜ、
こうでは無かったか?と突き詰める手法はイマジネーションを掻き立てられて、脳の前頭葉がビンビンに反応してボケ防止に良さそうです(笑)。
 
 
英語のWikipediaでもあらすじが有ったので引用します。
 
1970年代、韓国は、政府のどの部門よりも優位に立つ組織であるKCIAを管理する朴大統領の絶対的な管理下にあった。
KCIAのキム・ギュピョン部長はほぼ2番目の指揮官であるが、大統領の警護部長との競争に直面している。
 
恐怖の支配の真っ只中に、政府のあいまいで違法な作戦をすべて知っている元KCIA部長のパク・ヨンガクが亡命し、米国議会の前で証言し、聴聞を開いてコリアゲートが発覚。
 
緊張が高まるにつれ、権力を欲しがる人々による息苦しい政治的策略が爆発的に衝突する。
 
     (引用 英語版 Wikipedia)
 
正(まさ)しくサスペンス映画です。
事実と原作では2年間のスパンで描かれる
事柄を、映画と言う事で40日に短縮して描いて居ます。
これは長くも短くも無い長さで、
日にち毎(ごと)に淡々と追って描いて行くので、観客の方も緊張感が増します。
ドキュメンタリー映画を観て居るが如しです。
 
<原作小説>
 
ちなみに、登場人物たちのモチーフになった実在の人物は、それぞれ
 
ギムギュピョン=キムジェギュ、
朴大統領=パクチョンヒ、
グァクサンチョン=チャジチョル、
バクヨンガク=キムヒョンウク、
チョンドゥヒョク=チョンドゥファン、
ギムギェフン=キムギェウォン、
ジャンスンホ=チョンスンファ、
デボラ シム=スージーパクトムソン
 
です。
 
まずは主人公のモデルで有るキムジェギュ金載圭について見ましょう。
 
<キムジェギュ>
 
現在の慶尚北道亀尾出身で八人兄弟の長男。
日本陸軍出身、朴正煕とは同郷で、国防警備隊士官学校では同期生で9歳年下です。
 
1950年3月、少佐に昇進し朝鮮戦争に参加。
第5師団参謀長、第36連隊長を経て、第3師団副師団長となります。
 
1961年に5.16軍事クーデターが起きた時には国防部総務課長でしたが、クーデターに加担しなかった為、革命軍に連行され調査を受けます。
 
反対している事実が無かった為釈放され、湖南肥料社長に任命。
1963年に原隊復帰して各種軍長を歴任します。
 
朴正煕に縁故人事で引き立てられ立身出世し、1973年に中央情報部次長、1974年建設部長官、1976年には中央情報部長となって大統領の腹心の一人となりました。
 
周知の様に1979年10月26日の夜、酒席の場でパク大統領とチャ警護室長を射殺しました。
殺害の動機は詳しくは明らかになっていませんが、当時釜山と馬山で起こっていたプマ民衆抗争への対応において、朴のもう一人の腹心であったチャの強硬策によって彼の立場が脅威に晒されていた為とされて居ます。
 
事件翌日に逮捕され、軍法会議にて内乱目的殺人および内乱未遂罪により翌1980年1月死刑判決を受け、同年5月に絞首刑に処せられました。
 
実際動機が完全に解明されて居る訳では
無いので、当時から色々な憶測を呼びました。
 
非公式の発言で「私のバックにCIAが居る」と、当時囁かれた言葉通りアメリカの影が
有ったとも、クーデターで政権奪取を狙ったとも言われて居ます。
 
<有名な写真>
 
実際に映画のラストに出る彼の選択が当初通りで有ったならば政権奪取も可能で、彼が何故予定変更してそこに向かったのか疑問が残って居るそうです。
是非映画をご覧頂き、彼の選択理由をご判断して頂きたいです。
 
事件当時私も高校生で、かなりショックを受けました。
すわ民主化かと期待されたにも関わらず、現実はチョンドゥファンの粛軍クーデターで破滅的な5.18に向かう事は皆さんご存知かと思います。
 
あの頃の日々の緊迫感が蘇って来ます。
 
 
他、評論については添付した新聞記事を参考にして頂くとして、映画興業について述べます。
 
2020年韓国映画興業成績1位と有りますが、コロナの影響で、最終成績4,750,231名と損益分岐点に僅か届かずの惜しい結果となりました。
その前年の1位「エクストリームジョブ」が歴代2位となる16,265,768名だった事を考えると残念に過ぎます。
 
評論家の評価も概ね好評で、いつも有りがちな前半ギャグを挿入して笑いを誘うコメディ調の作りを極力排除して、全般に漂うクールで哀しい雰囲気が一貫して居るとして評価が高い様です。
 
 
やはりイ・ビョンホンの演技が絶賛されて居るので、映画本編でお確かめ下さい。
他にも評価を受けて居るパク大統領の人、顔は決して似て居ませんが観て居ると段々本人に見えて来ましたから映画って不思議です。
 
特に韓国で評価されて居るのが旧青瓦台の
建物と、今は取り壊され公園になっているクンジョンドン宮井洞の秘密家屋안전가옥安全家屋?(안가アンガ安家)の考証です。
 
当時の様子を非常に忠実に再現して
あるそうです。
私達外部の人間には無縁ですが、その様な外部装置にも要注目です。
 
 <パク大統領役 イソンミン>
 
日帝期のトロットの名曲「皇城イェット황성옛터(皇城旧跡の意)」が効果的に使用されて居るので、お時間のある方はYouTubeなどで
おさらい下さい。
 
野暮を承知で蛇足を加えるならば、
この歌は高麗の廃墟になった皇城マンウォルデ満月台を舞台に、歴史の無常感を暗に日本の植民地の悲哀に喩えて切々と謳い、発表当時観客の号泣と大喝采に迎えられ、
空前の大ヒットを記録した、今も朝鮮全土で愛される名曲です。
 
映画でもさりげなく使用され、そこはかとない歴史の無常感を否応無く観客に訴えていて心に沁みます。
 
これで韓国民主化4部作が揃ったと言えるので、またもや
「화려한 휴가光州5・18」
「タクシー運転手」
「1987」の順番で
韓国映画を見直したいと思います。
 
<参考文献>
나무위키 
Wikipedia
公式ホームページ
 

##韓国ドラマ #韓国時代劇ドラマ #韓国映画

↓愛のポチをお願いします

 にほんブログ村 テレビブログ 韓国ドラマへ PVアクセスランキング にほんブログ村 

韓国・朝鮮よもやまばなし - にほんブログ村