<ドラマ 広開土大王クァンゲトテワン>
 
ワンポイントコラム
<韓国朝鮮歴史のトリビア>
116.天象列次分野之図
 
 
 
 
現在KBSワールドで放映中のドラマ「広開土大王クァンゲトテワン」ですが、大分面白くなって来ました。
 
しかし、話数が92話と長い為、即位までにはまだまだ時間が掛かりそうです(笑)。
 
ドラマにちなみ今回も高句麗関連の遺産である我が国最古の天文図を紹介します。
 
<ドラマより>
 
天文図ですが、名前を
『天象列次分野之図 チョンサン リョルチャ プニャジド 천상렬차분야지도』と言います。
漢字だと言葉が難しいイメージですが、
是非覚えて頂きたいと思います。
 
ウリハッキョの歴史の授業でも必ず暗記が必要な名前です。
もちろん漢字で覚える必要は有りませんが。
ウリマルはこう言う時便利です(笑)。
 
 
「天象列次分野之図」は空の星座を大理石に刻んだ石刻の天文図です。
 
縦200.9cm、横122.8cmの巨大な大理石の
表面に長さ141㎝、幅85㎝の長方形の枠があり、その中に直径76㎝の天文図の円が
描かれて居ます。
 
天文図円の中央には北極が配置され、これを中心に合計1,467個の星が点で表示されて居ます。
 
<太祖版>
 
それぞれ東洋の星座の名前が該当する位置に刻まれており、これらの星は明るさに応じて大きさを変えて刻まれて居ます。
 
またこの天文図には、北極をめぐる円と28宿の経線,赤道,天の川(銀河水)などが漢陽(ソウル)の緯度に合わせて描かれて居ます。
 
<粛宗版>
 
図の下段に書かれた図説によると、
昔平壌城に有った高句麗の石刻天文図を、朝鮮王朝ソウングァン書雲觀にて歳差により変化した星の位置と場所を直して石刻したと有ります。
 
天象列次分野之図は、東アジアの前近代に製作された石刻天文図の内、
中国の淳祐天文図に次いで世界で二番目に古い石刻天文図で、
刻まれた星の数は友誼天文図の1434個を上回る1467個の星を収録して居ます。
 
<ドラマ六龍が飛ぶの太祖 チョンホジン>
 
研究者達は図説の言葉を手掛かりに、
この天上列次分野之図の元の星座の図が高句麗時代に作られ、朝鮮初期までの星座移動を反映して新たに改訂して刻んだものと推定して居ます。
 
そしてこれを証明するために、この天文図の星座を調べ、統計的に分析する作業を進めて居ます。
 
この天象列次分野之図は1395年(太祖4)に製作され、1433年(世宗15)に変更して石に刻んだと伝えられていますが、磨耗により判読が難しくなり
1687年(肅宗13)に黒曜石で再び製作しました。
 
<ドラマ トンイの粛宗 チジニ>
 
この復刻版も現在残っており、こちらは保存状態が良好で内容の完全な読み取りが可能です。
 
この天文図は幾つか特徴が有ります。
①最も特徴的な点は明るさに応じてサイズを細分した事で、これは中国の天文図には無い我が国の優れた点です。
 
< 渋川晴海 天文図>
 
②もう一つの特徴は中国の天文図には無い
「宗大夫」と呼ばれる星座の存在です。
これは17世紀の日本の有名な天文学者 渋川晴海が製作した天文図にも影響を及ぼしたと見られる証拠となって居ます。
 
初期版は後期版とかなり異なり、高句麗時代の天文図より補正が余りされておらず、高句麗時代に既に朝鮮王朝時代とさほど大差無い技術で天文図が製作された事を知る事が出来ます。
 
オマケに、観測された時期をみると高句麗の天文図が、中国よりも少し早く作られたと推定出来ます。
また、これにより7世紀〜8世紀の日本のキトラ古墳との関連性も提起されています。
 
<キトラ古墳 天文図>
 
これによりこの天象列次分野之図は、いくつかの断続的な壁画や記録以外に具体的な史料が無い高句麗天文学のレベルを知る事が出来、4世紀〜6世紀に於ける高句麗の天文技術、
ひいては高句麗の科学技術全般の水準を知る貴重な史料になります。
 
天象列次分野之図はどちらも大韓民国 国宝、宝物に選定されて居ます。
 
<参考文献>
한국민족문화대사전 
나무위키
 

#韓国ドラマ #韓国時代劇ドラマ #韓国映画

 

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