<ドラマ 客主>
 

 

ワンポイントコラム

<韓国朝鮮 歴史のトリビア>

83.重さと体積

 

 

前回に続き、今回は度量衡の重さと体積について見ます。

こちらも時代によって変遷が有りますが、朝鮮王朝時代を詳しく見ます。

 
↓↓前回の「長さ」をおさらい
      される方はコチラ↓↓↓

 

朝鮮王朝時代の長さ、

尺の基準であるファンジョンチョク黄鐘尺が、

ファンジョングァン黄鐘管を基準に作られた事は前回述べました。

 

 
またファンジョングァン黄鐘管が、
海州産の黍(きび)기장キジャンを利用して
作られた事も前回述べました。
 

 

すなわち、一粒を1として10粒を1寸とし、9寸を黄鐘管の長さに決めましたが、これに1寸の長さを加えファンジョンチョク黄鐘尺を作ったのです。黄鐘尺は周尺、営造尺など他の尺の基準になりましたが、尺の裏側に各尺の長さが記入して有りました。
 
これが升や斗など体積を測る器具である「量器」(枡ます)と、重量を測定するスケールである
「衡器」(秤はかり)などの製作、校正まで幅広く活用されて居ます。
 
 
まず、体積を測定する標準の「量器」は、木工と建築分野に使われたヨンジョチョク営造尺で作られました。
 
<合ホプ 升トゥエ 斗マル>

世宗28年に1合、1(10)1(10)1(15)の大きさを営造尺で定めたのです。
 
ちなみに
合は1 9 6(奥合計)
1升は196()
1斗は2,940()
と言った風に定めました。
ちなみ1升の体積は大体0.57で、現在の1/3未満だったそうです。

 

 
ファンジョンチョクを作成するときに使用したファンジョン管は、直接秤(はかり)の尺として使用しました。
 

 

黄鐘管に入れられた水の重量である88(35.307g)を基準に重さの単位である錢(10)、兩(10)、斤(16)などが決まりました。
ちなみに貨幣単位もコチラが基本になって
居ます。 
 
 
度量衡器の製作は、中央官庁の場合、6曹の一つ工曹で担当しました

 

地方の村は、工曹がすべて管理することができないため、観察使が工曹の許可を受けて作りましたが、苛斂誅求の一環として、偽造が絶えなかったそうです。

  

朝鮮後期にはこれらを是正するために度量衡検査用の標準のユチョク鍮尺と標準的な
銅斛トンゴク(銅で作った秤)を作りました。朝鮮の度量衡は時代と共に多少のズレは有りますが、ある程度一定でした。
 
< 銅斛トンゴク(銅で作った秤)>

 

近代に入りメートル法が紹介されます。

 

1883「漢城旬報」で「各国度量衡表」と「各国度量衡比例票」を紹介し、「独立新聞」は1898年の論説「升斗尺評」で世界がメートル法を使用しているので、私たちもメートルを導入しようと主張して居ます。

 

一方で「皇城新聞」は、私たちの伝統度量衡を遵守することを主張しました。
 
<1903年「度量衡規則」>
 
結局度量衡は1902年設立された「平式院」主導の下、1903年から「度量衡規則」が施行されました。
しかし1905年乙巳條約締結後1909年に日本の度量衡に統合されます
この時日本の面積の単位である「坪」も基本単位として導入されて居ます。

 

朝鮮総督府は1926「朝鮮度量衡令」を公布して、日本メートル法を正式に使用させました。

 

解放後韓国での度量衡は1964年からチョクグァンボプ尺貫法単位を廃止、メートル法を使用して1升を21斗を20に決めており、重量の標準は1(= 16)600gに制定しました
 
韓国ではメートル法の使用後もメートル使用義務化のために、土地と建物の面積を坪の代わりに平方メートルを表示するなど統制しましたが、

 

現在も尺貫は引き続き使用されており、2007年からは政府からの取り締まりを強化して居ます。
が、日本同様過去の単位が簡単には消えていません。

 

<換算表>
  
因みにネット上で「度量衡換算表」が掲載されていて、簡単に換算することができます。

 

<参考文献>

한국민족문화대백과사전
조선과학기술 시네마 4 음악의 표준이 통치의 표준

 

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