<ドラマトンイのハンヒョジュ>
ワンポイントコラム
<韓国朝鮮 歴史のトリビア>
78.賜薬사약
コチラの記事も未だGoogle検索で人気の記事ですが、久しぶりにリライトさせて頂きます。
朝鮮王朝時代、王族や士大夫が大きな罪を犯した時に自害させる為に劇薬を国王が下賜する「サヤク賜薬」「ササ賜死」が存在しました。
刑典に認定された制度では有りません。
絞首、斬首だけ死刑として明示していて、他に大罪を犯した時の引き裂き刑、凌遅刑 릉지형(切り刻む刑)と共に記載されていません。
<ドラマの賜死場面>
誰でも賜薬を使用させたのでは無く、王族や士大夫には彼らの身分を参酌して名誉を守るため、絞殺、斬首する代わりに賜薬を下したのです。
何故なら儒教では自分の髪の毛を切るだけでも親不孝で有り、体を傷つけて死ぬ事は最大の屈辱だったからです。
服毒が一番綺麗な体で死ぬ事が出来、死刑者への最大限の尊重、礼儀だと見られた訳です。
日本での切腹に似ています。
<ドラマ王女の男の端宗>
賜薬は王が人をして本人に下したり、一度流刑に処し下賜する場合もありましたが、通常は禁府道士によって伝えられました。
劇薬の材料は極秘で、材料は伝わる文献がなく正確に知ることができませんが、主に砒素または附子(トリカブト)などの毒草、毒キノコなどが使用されているものと推測されて居ます。
これらを生または沸騰させて食べれば、胃の中で粘膜出血の症状が起き、吐血をしながら命を失うことになります。
<ドラマ王女の男>
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正祖以後には徐々に減少の様相を見せています。
罪人は賜薬が入ったボウルを前に丁寧に置いて王が罪人に礼を備え死を賜ってくれた事に感謝し4度お辞儀をし、王を奉る礼を備えた後飲みました。
問題は、罪人に賜薬を何杯も与え、オンドル部屋に火を焚き効能の環境を作っても罪人が死なない時が有った事です。
<ドラマ王と私の廃妃尹氏>
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もちろん次善の策として自らの首を締めて死ねる様、紐などを持って行ったり、禁部のラジョル羅卒(部下)が持つ弓で首を結び殺す場合もあったそうです。
いくら寛大でもとにかく死なせることなので、
罪人が嫌い素直に賜薬を服用しない場合があります。
その際は史劇の様に体を押さえ罪人を動けなくした後、口を開けて強制的に与えました。
軍卒がたくさん付いたもう一つの理由です。
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これまた最後に余談ですが、韓国時代劇に登場する賜薬サヤクは、俳優の体に良かれとホンサム紅参汁(高麗人参を煮詰めたエキス)などを使う場合が多かったそうですが、湯薬として使用した後、シミ・汚れが消えないそうで、それらを避ける為に気の抜けたコーラを主に使用するそうです。
最近では、コーヒーが韓国人の食生活と密接になって来たのでアメリカンコーヒーを使う事も多いそうです。
<参考文献>
한국민족문화대백과사전
동아일보 극중 사약 장면은 NG… 왜? 마신후 10분만에 안죽으니까
LG사이언스랜드 사약의 재료는 뭔가요?
#韓国ドラマ #韓国時代劇ドラマ #韓国映画
<ドラマ王女の男>