第7章 韓国ドラマ映画

32.7日の王妃❶ 7일의 왕비  2017

 

 

 

 

表題のドラマ、NHK BSプレミアムで絶賛放送中です。また、UーNEXTなどの配信サービスでも好評配信中です。

これにちなみ再度UPしますので、よろしかったらご覧下さい。

 

初めてこのドラマの題名を見て興味を持ちました。

詳しくは分からないけれど波瀾万丈なドラマに違い無く、十中八九悲劇に違い有りません。

メロドラマだろうと。

 

私も知らない歴史事実だったので

興味津々でした。

今回KBSワールドで放映すると聞いて毎週録画予約して観る事に決めました。

 

 

 

ここで主人公の端敬王后タンギョン ワンフ慎氏シンシ(ドラマのヒロイン名はチェギョン)の生涯を。

何よりも史実が気になり調べました。

 

生年は1487年〜1557年で71歳と、あの時代にしては長生きです。

朝鮮中宗の最初の王妃。

イクチャン翼賛プウォングン府院君シンスグンの娘で、彼女の叔母はヨンサングン燕山君の正妃、祖父はセジョン世宗の4男の婿で燕山君の義父。

 

燕山君の側近である父シンスグンは左議政に加え燕山君の義理の兄弟で、叔父2人は刑曹判書、もう1人の叔母はイクチョン睿宗の正妃の妹。

一言で朝鮮の歴代王后をあわせても珍しい超超超名門一族の娘でした。

 

 

しかし、運命は皮肉でした。

13歳だった1499年、燕山君の異母弟であるチンソンテグン晋城大君に嫁ぎました。

彼女が1歳年上、結婚生活7年の間に子供はなかったそうです。

 

叔母が燕山君の妻だったので、王妃慎氏とタンギョンワンフ端敬王后シンシ慎氏は叔母-姪の間柄でかなり近かったと言えます。

 

 

燕山君を相手に起こしたクーデター中宗チュンジョン反正パンジョンが成功し、夫晋城大君が王になったので、自然に彼女も王妃になりますが、よりによって父親が燕山君の義理の兄弟と言う事で逆賊扱いになったので、反正勢力の要求に応じてわずか7日で廃されてしまいます。

これは、朝鮮王朝歴代王妃の中で最も短い在位期間です。

 

<端敬王妃と晋城大君(中宗)>

 

記録を見ると、中宗は慎氏を廃することに特別な迷いや反対がないように見えます。

むしろ慎氏出宮の次の日に新しい王妃を冊封することを許しています。

 

多くの歴史家は「端敬王妃は一日も王妃だったことがなく、追尊王妃に過ぎない」という意見です。

実際、正式に王妃になるには冊封を受けなければなりませんが、王妃は中宗反正の当日にすぐ中宗と強制的に離れさせられ、7日間は中宗が妻を廃する決定を下す迄の期間と見なければなりません。

 

 

2度目の王妃ユンシ尹氏がインジョン仁宗を生んだ後に死亡した中宗10(1515)8月、上疏文が上がり、シンシ慎氏を復位させようという主張がありましたが、むしろ中宗がストップをかけます。

 

この時期、端敬王妃の廃位を主張していた功臣パクウォンジョンなどがすべて死んだ後なので、王の意志だけで慎氏の復位が可能でしたが、もし彼女が復位して息子を産んだ場合、どちらを後継と見るか争いの種になる予想が付くので躊躇した模様です。

 

いずれにせよ、最終的に彼女の生前復位は水の泡となりました。

彼女は実家に住みながら、王が崩御した13年後の1557年に71歳で息を引き取りました。

 

 

<ヒロイン パクミニョン>

 

あの時代にしてかなりの長寿でしたが、20代に廃妃され外出もままならず半世紀一人暮らしたことを考えると、実家も逆賊になって家門が破綻し惨めに暮らした彼女の不幸な人生は多くの人々から同情を買った模様です。

中宗の後を継いだ息子明宗ら2人の王も彼女の面倒を良く見てあげたとの記録があります。

彼女は英祖の時代に復位されタンギョンワンフ端敬王后と言う廟号を得、王陵に葬られたとの事です。

 

こんな不幸な人生をどう描くのでしょう。

ここでドラマの簡単なあらすじを。

 

 

朝鮮史上在位最短の7日で廃位された王妃端敬王后と第11代王中宗の切ない愛を描く宮廷ロマンスラブストーリー。

1495年朝鮮9代王成宗は、朝鮮第10代王燕山君にいつか中宗:晋城大君が成長したら、王位を譲るよう遺言を残していた。

 

チェギョン(端敬王后)は、中宗(晋城大君)と将来の結婚を誓っていた。

そして10年後、2人は、結婚するのだが、やがて王位をめぐる戦いに2人は巻き込まれていく。

 (出典 Wikipedia)

 

 

ドラマは一言でコメディタッチで始まりました。

画面が明るく色彩もキレイなのは今の史劇の一番の特徴ですが、私が今まで観て来た中でも12を争う軽さ、明るさです。

パクポゴムとキムユジョンの「雲が描いた月明かり」に匹敵します。

 

<子役パワー全開>

 

特に子役の女の子がコメディに出る顔で、ドタバタ劇が続きます。

彼女は現代劇の様に行動的で、娘を都から遠ざけようとする父親の意図を見透かすかの様に地方の家を飛び出しソウルに来てしまうじゃじゃ馬です。

 

余談ですが現在韓国ではフェミニズムが盛んで、女性差別にナーバスで、女性の社会進出、差別撤廃にかなり積極的に取り組んで居ます。

 

 

 

史劇も最近、その影響を受けてか封建秩序からの女性解放の傾向がありありと見え、意図は良いものの有り得ない設定に首を傾げる事が一再ならずです。

ましてヒロインは「思い切りハイキック」「ときめきソンギュングァン成均館スキャンダル」で男装姿を演じコメディエンヌとして人気のパクミニョンと来て居ます。

 

<ときめきソンギュングァン成均館スキャンダル>

 

これでコメディにならない訳が有りません。

 

これも余談ですが、韓国のドラマは子役と大人役の顔が似ています。

良くこれ程似た者をキャストするなぁと感心してしまいますが、おかげで大人役に代わりイメージが替わってしまうリスクから解放されます。

 

 

コメディをふざけず一生懸命演じているみたいで、却ってその後どうなるのか気になります。

 

主人公のチェギョンはお節介や余計な性格が災いして、むしろ相手を窮地に追いやってしまう傾向が有り、その後の不幸な運命が自業自得と受け取られる虞(おそ)れ、つまり不幸な運命に共感出来なくなる危険性を感じました。

 

しかし史実だけでは1話限りならともかく、連続ドラマにはならないのでしょう。

晋城大君も暗殺未遂を経て、

史実には無い王位に対する執着心をあからさまに示す展開になります。

 

<燕山君のイドンゴン>

 

この様にコメディ調の中で全般的に軽く話が進み、時にシリアスな展開を見せるのですが、注目は燕山君を演じるイドンゴンです。

初の史劇かつ初の悪役ですが、シェークスピアのハムレットの様な苦悩する燕山君を自己の物にして居ます。

軽いタッチの中、最初は浮いていましたが、段々と雰囲気に合って来ました。

そう思って居たら2017 KBS演技大賞優秀賞を受賞したとの事でした。

 

 

チェギョンに惚れた経緯が理解不能で、そもそも妻に近い親戚に当たる幼い子をそれ程に偏愛(女性として)するだろうか疑問ですが、ラブロマンス特有の三角関係にする為には仕方がない事なのでしょう。

 

王妃が7日で廃されてしまう自体、既にそれだけで充分ドラマチックで、ましてや暴君燕山君と中宗反正(クーデター)と言う歴史的事件が題材なので、どうとでも料理出来る筈ですが、今の趨勢か重い展開を避けたのでしょう。

 

いっそモチーフだけ借りてドラマ版「王になった男」の様にパラレルワールドにした方が良かったかも知れません。

 

 

野史に倣(なら)い最後はハッピーエンドにするらしいので、どう展開して行くのかこれからも懲りずに見届ける事にします。

現在、瀕死の重症から生き還り隠れて居た晋城大君が一転、王宮に姿を見せる所で終わったところです。

いつもながら韓ドラは後を引かせるのが得意です。

 

2回の放映を待ち切れず、現在U-nextなどの配信サービスでも全編公開中なので、そちらで先に進む事にします。

 

 

尚、これまでの書き方がネガティブに聞こえたとしたら、そんな意図は有りませんのでひたすらご容赦を。

決して私の駄文で折角のチャンスを無駄になさらないように()

 

そうこうする内に燕山君絡みの2つのドラマを観了したのでまとめて完結編を書きました。

 

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<参考文献>

한국민족문화대사전 

나무위키

 

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