<ドラマ ソドンヨ>
第3章 地理-21.
新都心 大田、世宗市
何も無い土地が交通の要所になり発展するって良くある事ですね。
逆に鉄道の反対運動で駅が出来ず寂れてしまった中心市街地も良く聞きます。
具体例を日本全国で探すのは容易では有りませんが、鉄道駅によって栄えた街を千葉で言うと、津田沼や柏がそうかも知れません。
津田沼で言うと隣町の大久保が習志野の中心でしたが、JRとその操車場が作られた事から発展。
始発駅と言う事で、ある意味歴史ある船橋駅より東京行きのサラリーマンに人気です。
我が家のミックスツインズの息子ポンチ(胎児名)、津田沼の大手塾に通いましたが、通うたんびに将来必ず津田沼に住むと息巻いて居ました。
<津田沼駅>
あんまり事大主義(隣の芝生は青)はいけないよ、チュチェ(主体)を持ちなさい❗️と諭しつつ、ならお金儲けして親にも津田沼のタワマン買って？とお願いしてました(笑)。
それは誰しも人気の街に住みたいですよね。
住めば都(みやこ)ですから今の街には何の不満もございませんが、若者が便利な街に向いてしまう気持ちも分からなくも無いです。
と、どうでも良い我が家の戯言(ざれごと)はさておき、正にそれを地で行くのが今回お話する
大田テジョン広域市です。
日本でもご年配の方には大田ブルースなどで有名な都市です。
大田テジョンと言えば1993年韓国最初の国際博覧会機構公認のEXPO(エキスポ)、テジョン大田世界博覧会を成功裡に開催して、科学都市としての地位を確立した事が記憶に新しく、このEXPOには108カ国、33の国際機関、200社以上の企業が参加して、約1450万人の観覧客が訪れ、韓国の名前を世界に轟かすもうひとつのキッカケとなりました。
<テジョンEXPO>
元は百済のウスル雨述郡で、新羅時代にビプン比豐郡に、高麗期にフェドクヒョン懷德縣に改め公州に属し、朝鮮時代に公州牧直轄の一部と懷德縣、ジンジャム鎭岑縣に属する地域でした。
西に名山・聖山として知られるケリョンサン鶏龍山が有り、温泉もありますが大きな町はなく、公州の農村地帯に過ぎなかったそうです。
なのでこの地域を「大きな田畑」と言う意味の固有語、ハンバッ한밭と曖昧に表したそうですが、酷い話しですね。
歴史の香りがまるっきりしません。
日帝期の自治体統廃合の際に「大田」と漢字が当てられ、さらに京釜線、湖南線などが開通して交通の要衝となり急速に発展、大きな都市となったそうです。
<テジョン名所>
1932年忠清南道道庁が公州より移転、行政の中心となり、各種の産業施設が入りました。
韓国樹立後、府から市に改称され、1950年からの朝鮮戦争では一時臨時首都の役割も果たしました。
交通の要所だったので戦闘も激しく、テジョン戦闘の名は学生時代に授業で良く聞きました。
廃墟となったそうですが、避難民が多数定着、戦後の復旧事業で全国各地の人口が流入したそうです。
<テジョン市街>
1970年高速道路ジャンクションが開通され交通物流の中心都市となりました。
京釜線KTXとSRTが大田駅に停車必須で、ソウル駅, 釜山駅,東大邱駅と並び京釜線の4大駅のひとつです。
鉄道公社の本社も大田に置かれており、そもそも大田と言う都市自体、京釜線のせいで発展したので鉄道とは切っても切れない間柄の様です。
<テジョン駅>
1973年には大徳研究団地が開発されて科学技術都市として発展、テジョン大田市とテドク大徳郡が統合されてテジョン直轄市に昇格、1995年に現在の広域市に改称されました。
人口は2020年10月時点1,467,555人です。
近年、隣接する世宗市への流出が激しいとの事で、世宗市から庁舎へ通う公務員も多いそうです。
しかし2019年の調査では韓国で住みたい都市としてソウル、釜山、済州に次ぎ4位となっています。
環境も良く、1人当たりの所得もウルサン蔚山、ソウルに次ぐ3位ですから暮らしやすい事には違いない様です。
歴史的な都市では無く、近代化により人が集(つど)った都市の為、観光資源は少ないそうで、パンの名店ソンシムダン성심당聖心堂が一番の観光資源だとの穿った見方も有ります。
名物のパンが美味しそうで私も食べに行きたいです(笑)。
関係有りませんが、付近の扶余にあるソドンヨテーマパークが史劇撮影地として人気です。
大河ドラマ「薯童謠ソドンヨ」のために建設され、ドラマ「ヘチ」,「コッパダン」,「ノグクジョン」,「私の国」,「カンテク-女達の戦争」,「大風水」,「朝鮮ガンマン」、「六龍が飛ぶ」,「7日の王妃」「クルミ」など多くのドラマのロケ地として脚光を受け、2019年から再び史劇撮影ブームが起きています。
<ソドンヨ テーマパーク>
大田から市バスで1時間半と言いますから、付近のこの様な観光地とセットで街の魅力を高め、韓国中部の観光地としての磁力を強める必要があると思います。
いずれにせよ、隣接する世宗市と共に広域的な魅力を打ち出して行くより他に繁栄の方途は無さそうです。
世宗特別自治市セジョン세종특별자치시は忠清道中部、テジョン北部に位置する特別自治市で、「行政中心複合都市」と呼ばれる韓国の中央官庁が集積するニュータウンです。
特別自治市の区域は面積465㎢、計画対象区域は面積73㎢です。
歴史を辿ると、馬韓の두잉지현豆仍只縣から百済の구지현仇知縣へ。
新羅になり연기현燕岐縣, 금지현金池縣、高麗から朝鮮王朝時代に연기현燕岐縣, 전의현全義縣、その後연기군燕岐郡となり、現在세종특별자치시世宗特別自治市となりました。
1970年代から、朴正煕の主導で国の首都機能をソウルから韓国中西部に移転する構想の元、大田北方、錦江付近で臨時首都候補地を内密に調査したと言われ、選定されたのが、現在の世宗市付近でした。
規模は最終的に人口50万人程度で大統領官邸、国会、大法院などもすべて移転する計画でした。
<都市計画図>
この臨時首都移転計画は、安保上の問題と首都の人口過密解消が目的だったとされ、首都移転の予想費用は5兆ウォンで、
実際に着工すれば3～4倍になる可能性がある為、一時棚上げとなり、朴正煕暗殺により葬られました。
その後、盧武鉉が2002年に首都移転を公約として大統領に当選し、首都移転論が再び浮上します。
しかし、2004年10月に出された憲法裁判所の首都移転違憲判決によって遷都計画は頓挫しました。
その結果遷都は見送られ、政府行政機関の一部を移転するに留まり、行政中心複合都市として建設が進められることになりました。
<高層マンション群>
この世宗市事業は首都圏を基盤とする政治勢力と保守系マスコミによって猛反対され、2008年に李明博政権になると世宗市の性格と範囲を規定した特別法の計画修正を宣言。
2010年1月11日に政府は、行政機関移転計画を全面白紙化し、企業や研究機関を新たに誘致して教育・科学中心の経済都市を目指すと言う修正案を発表しました。
こうした動きに民主党や忠清南道地盤の先進党、与党ハンナラ党内でも当初の計画案を推進すべきであるとの声が強く激しく対立、結局6月29日の国会本会議で整備計画修正案は否決され、世宗市への行政機関移転計画は原案通り推進される運びとなりました。
<セジョン市街地>
2009年9月までに土地買収に5兆2000億ウォンが投入され、2006年行政都市建設推進委員会の全体会議で、行政都市名最終候補の錦江クムガン、ハンウルを制し「世宗」が選定されました。
この都市名はもちろん、第４代国王世宗にちなんだもので、また「世の中の一番上(宗)という意味も持つそうです。
世宗市は現在建設中で、2007年から2030年まで事業計画が進められています。
発足当時の人口は11.5万人でした。
行政中心複合都市の開発が進められ3年ぶりに人口20万人を突破し、2020年10月現在351,007人です。
現在忠清圏自治体の大田広域市146万、清州チョンジュ84万、天安チョンアン65万に次ぐ4位を記録しており、2030年までの目標人口は80万人だそうです。
2020年当時、大統領有力候補だったイナギョン李洛淵国会議員が「世宗市に国会議事堂の移転をすぐに始めなければならない」と発言した事が波紋を呼び、他にも有力者の発言が目立って居ます。
<イナギョン>
同年7月にオーマイニュースが調査した行政首都移転関連の世論調査の結果が発表されましたが、賛成53.9％、反対34.3％、わからない11.8％で、賛否の間のギャップは19.6pとして賛成世論が優位でした。
今後とも活発な議論がなされる事が想像されますので要注目です。
現在韓国では日本以上に首都圏一極集中が進み、このままだと何十年後には地方自治体が消滅するとの衝撃的な予想も出て居ます。
経済的な構造のみならず、社会文化的な構造から是正する必要が有り、容易では有りませんが、日本同様、喫緊課題で有る事を強調しつつ筆を置きたいと思います。
地理篇のまとめ記事です。↓↓
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<参考文献>
대전광역시 공식홈페이지
세종특별자치시 공식홈페이지
Wikipedia
나무위키
靑·국회 등 세종시 이전, 찬성 53.9% vs 반대 34.3%
#韓国ドラマ #韓国時代劇ドラマ #韓国映画
<ドラマ 私の国>