<ドラマ 揀択カンテク〜女たちの戦争>
ワンポイントコラム
<韓国朝鮮 歴史のトリビア>
43.揀択カンテクについて
今回はカンテク간택(揀擇) について述べます。
カンテク간택(揀擇)とは朝鮮王朝時代、
王室で婚姻を行う為、候補者を宮内に集め、
王以下の王族及び宮人達が直接適格者を選んだ行事です。
朝鮮王朝建国初期はその様な制度は無く、仲人(なこうど)婚でした。
カンテク간택(揀擇) 制度が始まったのは
太宗が寵愛する賎民出身のオンジュ翁主
(後宮の娘)が出自を理由に婚姻を拒否された事件がきっかけです。
<ドラマより>
この事件で当事者に禁婚令を下し、
以降の국혼(國婚)には名簿を収集し直接揀擇する事を制度で定めました。
初めての揀択は1439年の義昌君의창군の例です。
사족(士族)の乙女26人を集め11人選び、
2日後再度選んだと記録が有ります。
まず、全国に禁婚令を下し、봉단령(捧單令:名簿を提出させる令)を出します。
この間は両班のみか庶民も婚姻出来ません。
<ドラマ ポスター>
資格は
❶士族に限る
❷李氏は本貫(本籍)に関わらず除外
❸父母が居る者
❹対象者の2,3歳年上まで
❺王妃などの同姓5寸〜8寸制限
などです。
奢侈と外戚の跋扈を避ける為、人徳を重んじ、
名門かつ父親の地位が高くない娘を選びました。
揀択は初・再・三揀拓の3回行われました。
初揀択は30内外から5∼7名選抜、
再揀択で3名を、そして最終三揀択で決定しました。
<映画ときめきプリンセス婚活記>
宮殿に集合させ茶果宴を催し、観察しました。
最終の3人は家に帰らず別宮で将来の妃嬪として50日近い予備教育を受けます。
綺麗な服を着て宮殿を見学出来、初揀参加で綿布を、再揀参加で中国製絹布とノリゲ(装飾品)を下賜されるので栄誉な事でした。
しかし、揀択された家門では衣服,輿から乳母などお供の服装まで負担が多い為、名誉ではあれど忌避する傾向が強かったそうです。
勿論、忌避した事が発覚した場合、厳重な処罰が下ります。
また、最終の三揀択に選ばれた3人は全員王の女性と見做され、選ばれなかろうが一生結婚は不可でした。
<ドラマより>
上記の様な負担を避ける為、朝鮮王朝時代は早婚が多く、生まれた頃から婚約を決める事が旺盛でした。
朝鮮王朝後期には党派闘争に悪用され、実際に王妃は、ほぼ老論派で占められました。
後期の勢道政治はこの様な、揀択制度をバックに成立したと言えるでしょう。
揀択には批判も多く、朝鮮中期の著名な儒学者리이(李珥)リイも、1人の王子や公主(コンジョ공주:王女)の為に多くの士族が参加せねばならない揀択制度は間違いで有り、仲人婚に復帰すべしと主張して居ます。
ドラマとしては今年、『揀択(カンテク)~女人たちの戦争~』(かんてく~にょにんたちのせんそう~)が放送されました。
チンセヨンが一人二役で、銃殺された姉の死の真相を探るウンボを中心に、揀択で生き残るための女たちの戦いを描きました。
2021年3月25日よりテレビ東京系列で放送が始まります。
<ときめきプリンセス婚活記>
他にもシムウンギョン主演のコメディ映画「ときめきプリンセス婚活記」が有ります。
<参考文献>
한국민족문화대사전
한스경제 간택, '초간택·재간택·삼간택' 도대체 뭐길래?
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<映画ポスター>