<ポスター>
 

 

第76章 韓国ドラマ映画

15.ザ ・キングthe King

 더 2017年

 

 

 

もう過去の事になってしまいましたが、検察人事問題(定年延長問題)で日本も揺れましたね。

 

芸能人などの予想以上の反対行動と、裏で賭け麻雀をしていた本人の品性が合わさり断念されましたが、最後まで疑惑を煙に巻いて、日本一長いと言う記録だけを手土産に去った人と共に忘れ去られてしまいました。

 

<文春砲>
 

玉ねぎ男の조국チョグク氏の法相辞任と裁判、法相チュミエの息子休暇疑惑で、韓国でも文在寅ムンジェイン政権の検察改革問題が波乱を呼んでいます。

そこで参考になるのが2017年に公開された映画 (THE KING)」です。(Netflixで公開中のドラマとは同名異曲です)

かなりの問題作なので今回はこの映画を紹介します。

 

<法相の息子 休暇疑惑>
 

まず映画の概要から。

 

大韓民国の王は誰か?

全能の権力を握りカッコ良く生きたかった検事テスは紆余曲折の末に「権力の設計者」ハン・ガンシクに出会い核心ラインに乗り常勝疾走して行く。

政権が交替する大事な時期、新しいカードを切り、機会を窺っていた彼らの前に予期せぬ危機が迫るが

2017年、大韓民国がスカッとひっくり返る。

 

と、概要からして挑戦的ではありませんか?

この映画を観て思ったのは松坂桃李とシム・ウンギョンが共演し、予想を覆し作品賞、主演男優賞、女優賞など総なめにした映画「新聞記者」です。

これは後で考察します。

 

 

まずはあらすじを。

 

1980年から2010年の激動の韓国現代史を背景に、歴代の大統領選の裏で、

金と権力のために動いた検事たちを描いたクライムエンタテインメント。

 

権力で悪を制する検事に憧れたケンカ好きの貧しい青年パク・テスは猛勉強の末に検事となり、

地方都市での多忙な毎日をスタートさせる。

 

しかし、ある事件をきっかけにソウル中央地検のエリート部長ハン・ガンシクと出会ったことにより、平穏だったテスの人生は激変する。

 

他人を踏み台にして出世した結果、富も名声も手にしたハン・ガンシクは大統領選挙を利用して権力をつかんだ「1%の成功者」だった。

検事という正義の仮面に隠された正体を知ったテスは、次第に悪の魅力に染まっていく。

 

金と権力の虜となる若き検事テス役をドラマ「大丈夫、愛だ」のチョ・インソンが、

あらゆる手を使い名声をつかんだ検事ハン・ガンシク役を「アシュラ」「グッド・バッド・ウィアード 」のチョン・ウソンがそれぞれ演じる。

監督は「観相師 かんそうし」の

ハン・ジェリム。

 

  (出典 映画.comより)

 

<制作発表>
 

この映画の軸足はエンタメです。

娯楽映画です。

しかし、娯楽映画に政治性を上手く絡めています。

と言うより舞台を検査庁にした時点で政治の裏側、正に権力の裏側を描いていて、エンタメ色豊かながら歴史経過、現実政治に即していて、一歩踏み込んだ問題作となって居ます。

 

歴代大統領達も実名と映像で登場するので、韓国の最現代史のおさらいになるし、こんな陰謀がホントに有ったのかも?と思うとゾーッとして来ます。

良くここまで作れた物だと感心しますし、韓国映画の底力を実感します。

 

<エンタメ対決>
 

この映画はもう少し上映が早ければ박근혜パククネの文化人ブラックリストに載る所だったと囁かれている様で、観るとその訳も頷けます。

観覧動員数5,318,007人と、同じ日公開の현빈ヒョンビンの공조コンフィデンシャル共助に動員数で破れはしたものの内容ではぶっちぎりで優っています。

 

上に挙げた日本映画「新聞記者」が権力の情報操作の裏側を暴いていて日本映画としては稀有な存在になって居ます。

制作や公開の際、政府関係者の様々な圧力、非難中傷などの妨害行為が有った事も明らかになって居ます。

 

<日本映画 新聞記者>
 

しかし、その映画でも主人公は踏み込んでおらず、結末は挫折を予感させるラストで観る者に委ねて終わって居ます。

 

一方、The KINGは行く所まで行き尽くし、尚且つ(薄々予想させる安易さは感じさせつつも)最後のドンデン返しまで、娯楽映画のスタンスを崩しておりません。

 

この様にエンタメの中に現実世界の問題点をサラリと織り込ませ、問題解決の方向性まで示して居ると言う意味で韓国映画の懐の広さ、末恐ろしさを禁じ得ません。

 

それは韓国のエンタメやジャーナリズムが決して権力に屈しないと言う決意の様にも感じます。

 

<The WOLF  of  wall street>
 

もちろん、巷間ハリウッド映画のThe WOLF of wall  streetとの近似性が指摘されて居て、韓国特有のパクリ疑惑が無くも有りませんが、その判断は各自がする他無い様です。

 

この様に政治映画と肩ひじ貼らず、娯楽映画を観ながらも、現代政治の問題点をしっかりと把握出来るこの映画は、「タクシー運転手」や「弁護人」「1987」などと並び社会派映画として、同じ環境に置かれている我々が今現在観る価値が、充分有りそうだと言う事を強調しつつ文を締めたいと思います。

 

<参考文献>

영화 ‘더 킹’ 한강식은 우병우일까, 홍만표일까


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