<ドラマ 新米史官クへリョン>
ワンポイントコラム
<韓国朝鮮 歴史のトリビア>
17.免新礼ミョンシンレについて
堅いお話が続いたので軽いお話を。
免新礼(면신례ミョンシンレ)って知ってますか?
許参礼(허참례ホチャンレ)とも呼ばれた朝鮮王朝時代の悪習です。
Netflixの「新米史官クヘリョン」を観ていたらその話題が出ていました。
免新礼とは一言で新人に対するイジメ儀式です。
高麗末期に権門勢家の子弟の仕官に反発する過程で成立したと有りますが、朝鮮王朝時代に度重なる禁止令にも関わらず存在したそうです。
科挙に受かり位階を受けると上官にまず挨拶、それを許参礼허참례と言いましたが、それが終わるとそれこそ卓脚が折れる程の贅を尽くした宴会を開き、その上で上官の罰則を受けたそうです。
その宴会の為に親が支出する費用も莫大で家が傾く事も有ったとの事。
その後本格的な免新礼が始まりますが、顔に墨で落書き、汚物を触った手を洗った水を飲ませたり、泥沼を転がり廻らせたり口にするのもおぞましい罰則を与えました。
この儀礼を基に昇進を決めたり、上手く通過出来ない者はオミットしたり、したい放題でした。
中には不倶者になったり最悪命を落とす事も有った様で、朝鮮王朝創始の功臣の1人鄭道伝(チョンドジョン)の2人の息子の内1人が命を落としたそうです。
当然国家では不法で幾度も禁止令を出しますが中々無くならなかったそうです。
慣行として続いた様で、韓国では最近まで軍隊入隊時、申告式(신고식)なる儀式が存在したと有ります。
良く大学新入生に歓迎コンパと称してイッキ飲みを強要したり不当な芸などをさせるのと似ていますね。
何処の世でも悪習を退治するのは難しかったようです。
<参考文献>
한국대민족문화대사전
나무위키