【今井絵理子議員の「一線越えてない」という弁解は通じるか!?】 | 弁護士高橋裕樹のニュースな法律問題ブログ

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僕はSPEEDが好きでした

 

いきなりですが

 

その僕が今井絵理子議員側に寄り添って

状況を見ても

同じホテルの部屋に泊まっていたということを前提にすれば

「一線を越えていません」

という弁解は

裁判では通らないかなと思います。

 

週刊新潮のスクープが騒動のきっかけでした

 

今井絵理子議員が地方議員の橋本健議員と

手をつなぎながら寝ている写真などが掲載されました

 

この報道後

今井絵理子議員は

「私の軽率な行動で多大なご迷惑とご心配をおかけし、

深くおわびする」との書面を公表したうえで

 

橋本氏に好意を持っていることは認めたものの

「略奪不倫ではない」と強調したとのこと

そして、今井絵理子議員は橋本氏から

「結婚生活は破綻し(妻と)別居している。

近く離婚調停になる」

と説明を受けており

最近になって交際を申し込まれた

今井絵理子議員は

橋本氏が法律上は現在も妻帯者であることから

「一線を越えていない」

交際関係であったと釈明しています。

 

実際の離婚の裁判などでは

不倫していないと主張する側の

色々な弁解が出てきます

 

・ホテルに入ったけどすぐに出てきた

・部屋に入ってテレビを見ていただけ

・お酒のせいですぐ寝てしまった

・世間話やゲームをしたら朝だった

・部屋にはほかの友達も来ていた

・自宅に行ったけど食事をしただけ

 

「一線を越えていない」

という弁解もこの延長のように感じます

 

実際の裁判では

常識的に考えて不貞行為(=性交渉 民法770条①)があった

と判断される可能性は高いように思いますし

 

仮に、不貞行為があったかどうか確かではない

という判断になったとしても

密室で二人だけで何度も密会している

という話であれば

 

「婚姻を継続しがたい重大な事由」(民法770条⑤)

に該当するとして

結局離婚原因、慰謝料原因にはなるものと思われます

 

 

もっとも

橋本議員の主張のように

橋本夫婦の夫婦関係が破綻していたのであれば

今井絵理子議員と不貞行為・交際をしたことが原因で

離婚状態になったわけではなくなりますので

慰謝料請求が認められないこともあります。

 

この点について

夕刊フジから取材を受け、

説明させていただきました

http://www.zakzak.co.jp/soc/news/170731/soc1707310004-n1.html

 

とはいえこれらは法的な問題であって

不倫に対する風当たりがやたら強い最近の風潮からすれば

なかなか火消しは難しいのではないかなと思われます

 

個人的には

今井絵理子議員には

議員としてちゃんと頑張ってもらいたいと思います

 

アトム市川船橋法律事務所弁護士法人

 

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