【「松居vs船越」問題は今後どうなる?】 | 弁護士高橋裕樹のニュースな法律問題ブログ

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「尾行されています!」

というセンセーショナルなブログからの

夫である船越さんの不貞行為
バイアグラの利用
などの公表動画の発信

そして、文春に騙されたという動画

やや時機に遅れてしまった感はありますが
「松居vs船越」問題が
今後どうなっていくのかについて
夕刊フジから取材を受けました

もう少し詳しく説明させていただきます

①離婚
②名誉毀損

の両面から考えたいと思います

【①離婚】

離婚の調停などが揉める典型的なパターンとしては

・一方が離婚自体したくない場合

・離婚原因がどちらにあるのか、で揉める場合

 なお、離婚原因がある側が通常は慰謝料を支払うことになります

・財産分与で揉める場合

 テレビなどでは、離婚の際に夫が妻に払うお金を『慰謝料』と言っているのをよく見ますが

「1億円の慰謝料!!」
などといっている場合は
財産分与のことだと思われます

離婚慰謝料が億になることは
まず考えられないからです

・親権で争う場合

これらのうち、どこが争いになるのか。

松居一代さんのブログなどを見ている限り
「戦う!」
というスタンスのようなので

離婚自体には反対していないのかな、と思います

もっとも、実際の裁判では
戦略的に
離婚自体を争うというスタンスで臨む可能性はあります。

松居一代さんの連れ子は
成人していますので
そもそも親権は問題になりません

資産家夫婦でしょうから
財産分与も争いにはなると思います

「戦う」=離婚原因を争う

ということだと思いますので
やはり主戦場は
どちらが離婚原因を作ったのか

松居一代さんの暴力暴言(DV)なのか
船越英一郎さんの不貞行為なのか

双方が事実関係を否定していますので

この離婚調停・裁判での肝は
裁判官を説得できるだけの証拠をどちらが出せるのか
という点に尽きるのかな、と思います。

参考までに

離婚の場合

まずは話し合い(まとまれば協議離婚)

それがダメなら離婚調停(まとまれば調停離婚)

調停でも合意に達しなければ離婚訴訟(離婚判決)

離婚の場合
法律上、調停を必ずやらなければならないことになっています(調停前置主義)

一度は頭を冷やして話し合いをしましょう
交通整理をしましょう
という趣旨ですね

【②名誉毀損】

ある意味、こちらの方が根が深いかもしれません。

松居一代さんが
YouTubeやアメブロで
船越英一郎さんの
女性交際と
バイアグラの使用
などを公表しました。




例え芸能人であっても
純粋に私的な事項について明らかにすることは
名誉毀損罪に該当する可能性は高いです

船越英一郎さんがバイアグラを使っている
という事実に公共性はありませんし

松居一代さんが公表した目的は
公益目的ではなく
怨恨や(松居一代さんなりの)正義感からでしょう

事実の公共性・目的の公益性
がある場合は
その事実が真実なら名誉毀損罪にはなりません

しかし、松居一代さんの言動には
やはり名誉毀損罪が成立してしまうでしょう

名誉毀損罪が成立するのであれば
当然、損害賠償の問題にもなります

アメブロからも名誉毀損的なブログだとして
ブログ閉鎖をちらつかせた削除指示があったようです

とはいえ
週刊文春の記事を読む限り
船越英一郎さんも
代理人弁護士を介して
松居一代さんのDV被害を明らかにしているようです

こちらに関しても
暴行という犯罪被害の公表とはいえ
これに付随して
家族親族間の会話まで
かなり赤裸々に公表していますので
名誉毀損罪に該当する可能性は高いと思います

この情報を流したのが
本当に担当弁護士だとすれば
よく弁護士がそのような情報をマスコミに流したなぁとは思います

芸能人として
離婚裁判、名誉毀損の裁判を抱えている
というイメージはマイナスでしょうから
そもそも名誉毀損の裁判をやるのか
離婚でどこまで戦うのか
というところは
かなり慎重に判断されるものと思います

不貞vsDV
という図式は結構あるので
皆様に離婚裁判などの流れや
慰謝料、財産分与
などを、理解していただく参考とするため

今後も注目していきたいと思います