人馬一体が織り成すドラマ。芝3200mで争われる天皇賞(春)には、スピード優先でスリリングな競馬になる芝2000mの天皇賞(秋)とは異なり、長丁場独特の重みがある。芝3000m以上の平地GI は菊花賞とこの天皇賞(春)の2レースのみで、どちらも舞台は京都競馬場。向正面の半ばから3コーナーに向かう上り坂と、3~4コーナーにかけての下り坂を2度通過するというコース形態は、スタミナだけでなく、走りのリズムを保つことも重要になってくる。今年の話題の中心は、昨秋に芝3000mの菊花賞を圧勝して史上7頭目の三冠馬に輝いたオルフェーヴルと、デビューから同馬の手綱を取り続けている池添謙一騎手だ。昨年のクラシック三冠戦線を大いに沸かせたあと、暮れの有馬記念で異世代の強豪を力でねじ伏せて四冠を達成した名コンビが、古馬のステイヤー決定戦・天皇賞(春)でどんなドラマを見せてくれるのか、大きな注目が集まる。
天皇賞(春)は、京都競馬場・芝3200mを舞台に古馬最高の栄誉をかけて争われる、長い歴史と伝統を誇る競走である。
■天皇賞の前身
1905年(明治38年)の5月6日に横浜の日本レースクラブが、明治天皇から「菊花御紋付銀製花盛器」を下賜されたことにより創設した『エンペラーズカップ』が天皇賞の前身。翌1906年(明治39年)には東京競馬倶楽部にも御賞典が下賜され、その後、阪神、福島、札幌、函館、小倉の計7つの競馬倶楽部で『帝室御賞典競走』として行われていた。
■第1回
1936年(昭和11年)に『日本競馬会』が設立されたのち、翌1937年(昭和12年)に各競馬倶楽部が『日本競馬会』に統合されたのを機に、『帝室御賞典競走』は春が阪神、秋が東京と、東西で年2回開催されることとなり、同年の秋季のレースが第1回の天皇賞とみなされ、東京競馬場・芝2600mで行われた。
その後、第2回の1938年(昭和13年)春は阪神競馬場・芝2700mで、4歳(現3歳)以上の馬によって争われ、第3回の1938年秋からは、「5歳(現4歳)以上、芝3200m」の競走条件となり、能力検定競走として非公開で開催された1944年(昭和19年)春まで『帝室御賞典競走』の名称で行われていた。
■戦争による中断と再開
1944年(昭和19年)秋季には、第二次世界大戦の影響により中断されたが、戦後の1947年(昭和22年)春に『平和賞』の名前で復活したのち、同年秋から現在の『天皇賞』に改称され、春は京都競馬場、秋は東京競馬場で開催されることになった。
■競走条件の変遷
1981年(昭和56年)春からは『勝ち抜き制』が廃止されて、過去の優勝馬にも出走権が与えられた。これまで、タマモクロス(1988年春・秋)、スーパークリーク(1989年秋、1990年春)、メジロマックイーン(1991年・1992年春)、ライスシャワー(1993年・1995年春)、スペシャルウィーク(1999年春・秋)、テイエムオペラオー(2000年春・秋、2001年春)、シンボリクリスエス(2002年・2003年秋)、そしてメイショウサムソン(2007年春・秋)の8頭が2回以上天皇賞に優勝している。
長年、『3200m・5歳(現4歳)以上』という条件で行われていた天皇賞であるが、1984年(昭和59年)の競馬番組の変革により、秋は距離を芝2000mに短縮し、さらに1987年(昭和62年)から秋の天皇賞には4歳(現3歳)馬が出走できるように条件が変更された。これにより、春は5歳(現4歳)以上のステイヤー日本一を決めるレース、秋は4歳(現3歳)以上の中距離ナンバー1決定戦と、その性格が明確に分けられた。
なお、1995年(平成7年)春から中央競馬指定交流競走となり、地方馬はステップ競走で2着以内に入った馬が出走可能となった。さらに2000年(平成12年)春から、中央競馬のGI(現2歳GI を除く)競走優勝馬で、本会に選出された馬にも出走が認められるようになった。さらに、2007年(平成19年)春からは、地方競馬指定交流競走のGI (2歳GI を除く)および指定された海外のG1(2歳G1 を除く)優勝馬にも出走資格が与えられている。
また、天皇賞は長い間、出走資格を内国産の牡馬・牝馬のみに限定してきたが、2000年(平成12年)春に初めて外国産馬に門戸が開かれた。外国産馬の出走可能頭数は、当初2頭以内であったものが、2002年(平成14年)春から最大4頭、2004年(平成16年)秋には5頭までが出走可能となったのち、2005年(平成17年)春に国際競走に指定され、外国馬は5頭まで出走が認められたことを機に、外国産馬の出走頭数制限は撤廃された。さらに、2007年(平成19年)の日本のパートI 国昇格に伴い、外国馬の出走枠が9頭に拡大された。翌2008年(平成20年)より、国際交流競走として競走内容の充実を図る観点から、せん馬の出走が可能となった。
2012年は、従来の「JRAプレミアム」に替わり、対象36レースの「馬連・枠連・ワイド」の投票法において、売り上げの5%相当額を上乗せして払い戻す「JRA2連福」が行われるが、本競走はその対象レースとなっている。
本年は、「近代競馬150周年記念競走」として行われる。
競走名:1~14回は「帝室御賞典」。14回は能力検定競走。15回は「平和賞」。89回から(春)(秋)がつく。96回は(天皇賞競走施行50周年記念)がつく。130回は(日本中央競馬会創立50周年記念)がつく。132回は(エンペラーズカップ100年記念)がつく。 134回は(悠仁親王殿下御誕生慶祝)がつく。145、146回は(近代競馬150周年記念)がつく。
競馬場:2、4、6、8、10、12、51、61、81、109回は阪神。56、126回は中山。
距 離:1回は2,600m。2回は2,700m。秋季の3~88回は3,200m。
負担重量:1~3回は馬齢重量。4~13回は4歳58㎏・5歳以上60㎏・牝1.5㎏減。15、16回は牡60㎏・牝2㎏減。17~25回は4歳58㎏・5歳以上60㎏・牝2㎏減。26回は牡58㎏・牝2㎏減。春季の27~135回は牡58㎏・牝56㎏。秋季の28~94回は牡58㎏・牝56㎏。
条 件:1、2回は3歳以上。秋季の3~94回は4歳以上。1~136回は牡・牝。64~120回までは内国産馬限定。83回より勝抜制度を廃止。111回から(指定)となる。121回から外国産馬の出走が可能となる(121~124回は2頭以内。125~128回は2頭以内(条件付で4頭以内)。129回は4頭以内。130回は5頭以内)。131回から(国際)となる。
備 考:14回は能力検定競走として施行されたため、馬券の発売はなし。1944年秋、1945、1946年は施行せず。139、140回は「JRAプレミアム」対象レース。
失 格:第22回(1950年秋)エゾテツザン・第2位入線。第95回(1987年春)ニシノライデン・第2位入線。
降 着:第104回(1991年秋)メジロマックイーン・第1位入線(タイム2:02.9・着差6馬身)→他馬の進路を妨害したため18着に降着。
天皇賞(春)レコード:(京都・芝3,200m・外) 3:13:4 133回 ディープインパクト
京都2012年 3回 4日11R(4月 29日)
第145回 天皇賞(春)(GI)
4歳以上オープン(国際)(指定)
3200m 芝右 出走頭数:18頭 天候:晴 馬場状態 芝:良
発走時刻:15:40枠番 馬番 馬名 性齢 騎手 負担重量 調教師名
1 1 ビートブラック 牡 5 石橋脩 58.0kg 中村均
1 2 トウカイトリック 牡10 幸英明 58.0kg 野中賢二
2 3 ナムラクレセント 牡 7 和田竜二 58.0kg 福島信晴
2 4 モンテクリスエス 牡 7 松岡正海 58.0kg 松田国英
3 5 ジャガーメイル 牡 8 四位洋文 58.0kg 堀宣行
3 6 ゴールデンハインド 牡 6 荻野琢真 58.0kg 大竹正博
4 7 ユニバーサルバンク 牡 4 田辺裕信 58.0kg 松田博資
4 8 ギュスターヴクライ 牡 4 蛯名正義 58.0kg 荒川義之
5 9 コスモロビン 牡 4 柴田大知 58.0kg 清水英克
5 10 ケイアイドウソジン 牡 6 川田将雅 58.0kg 田村康仁
6 11 ウインバリアシオン 牡 4 武豊 58.0kg 松永昌博
6 12 クレスコグランド 牡 4 浜中俊 58.0kg 石坂正
7 13 フェイトフルウォー 牡 4 柴田善臣 58.0kg 伊藤伸一
7 14 ローズキングダム 牡 5 後藤浩輝 58.0kg 橋口弘次郎
7 15 ヒルノダムール 牡 5 藤田伸二 58.0kg 昆貢
8 16 トーセンジョーダン 牡 6 岩田康誠 58.0kg 池江泰寿
8 17 トウカイパラダイス 牡 5 柴山雄一 58.0kg 田所秀孝
8 18 オルフェーヴル 牡 4 池添謙一 58.0kg 池江泰寿
JRAホームページ|今週の注目レース-天皇賞(春)
http://www.jra.go.jp/keiba/thisweek/2012/0429_1/syutsuba.html
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いちファンのいち馬押し
オルフェーヴル
(7.3.1.1) 84323.8万
(有)サンデーレーシング
池江 泰寿(栗東)
父:ステイゴールド
母:オリエンタルアート(メジロマックイーン)
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2012.04.30追記
11R 近代競馬150周年記念 第145回 天皇賞(春)(GI)
サラ系4歳以上 3200m 芝・右 外
(国際)(指定) オープン 定量
本 賞 金 : 13200 、 5300 、 3300 、 2000 、 1320 万円
付加賞金 : 390.6 、 111.6 、 55.8 万円
発走 15:40
天候:晴 芝:良
着順 枠 馬番 馬名 性齢 負担
重量 騎手 タイム 着差 推定
上り 馬体重 調教師 単勝
人気
1 1 ビートブラック 牡5 58.0 石橋脩 3:13.8 36.5 512 -2 中村均 14
2 16 トーセンジョーダン 牡6 58.0 岩田康誠 3:14.5 4 34.0 478 -4 池江泰寿 3
3 11 ウインバリアシオン 牡4 58.0 武豊 3:14.8 2 33.5 512 -2 松永昌博 2
4 5 ジャガーメイル 牡8 58.0 四位洋文 3:14.9 クビ 33.6 476 -4 堀宣行 9
5 8 ギュスターヴクライ 牡4 58.0 蛯名正義 3:15.1 1 1/2 34.4 494 -4 荒川義之 4
6 7 ユニバーサルバンク 牡4 58.0 田辺裕信 3:15.3 1 1/4 35.2 468 -4 松田博資 13
7 6 ゴールデンハインド 牡6 58.0 荻野琢真 3:15.3 ハナ 37.8 548 +6 大竹正博 10
8 2 トウカイトリック 牡10 58.0 幸英明 3:15.4 1/2 35.0 450 -6 野中賢二 17
9 3 ナムラクレセント 牡7 58.0 和田竜二 3:15.6 1 1/2 35.6 508 +6 福島信晴 8
10 17 トウカイパラダイス 牡5 58.0 柴山雄一 3:15.6 クビ 34.5 508 +6 田所秀孝 16
11 15 ヒルノダムール 牡5 58.0 藤田伸二 3:15.6 ハナ 34.0 476 -2 昆貢 5
11 18 オルフェーヴル 牡4 58.0 池添謙一 3:15.6 同着 34.0 460 -2 池江泰寿 1
13 13 フェイトフルウォー 牡4 58.0 柴田善臣 3:15.7 クビ 34.8 512 +2 伊藤伸一 11
14 9 コスモロビン 牡4 58.0 柴田大知 3:15.7 クビ 34.2 526 0 清水英克 15
15 14 ローズキングダム 牡5 58.0 後藤浩輝 3:15.9 1 34.0 466 -2 橋口弘次郎 6
16 10 ケイアイドウソジン 牡6 58.0 川田将雅 3:16.4 3 35.8 502 -4 田村康仁 12
17 4 モンテクリスエス 牡7 58.0 松岡正海 3:16.5 1/2 35.4 548 0 松田国英 18
18 12 クレスコグランド 牡4 58.0 浜中俊 3:18.6 大差 36.6 502 0 石坂正 7
タイム
ハロンタイム 13.0 - 11.6 - 11.3 - 11.7 - 12.4 - 11.9 - 11.9 - 12.7 - 12.7 - 12.7 - 12.1 - 11.9 - 11.4 - 11.7 - 12.3 - 12.5
上り 4F 47.9 - 3F 36.5
コーナー通過順位
1コーナー 6-1=3=7,10,2,16,8,13(4,17)11(5,12)15,18,9,14
2コーナー 6,1=3=7,10,2,16,8,13(4,17)(5,11)(15,12)18,9,14
3コーナー(2周目) (6,*1)=3=(2,7)-10(8,16)-13(4,17)11,5,15(9,12)18,14
4コーナー(2周目) 1,6=7,3-(2,16)8,10,13,17,4(5,11)(9,15,18)14-12
払戻金
単勝 1 15,960円 14番人気
枠連 1-8 3,580円 11番人気
馬連 1-16 61,570円 58番人気
馬単 1-16 208,630円 135番人気
複勝 1 3,720円 12番人気
16 400円 3番人気
11 350円 2番人気
ワイド 1-16 8,400円 45番人気
1-11 8,870円 47番人気
11-16 760円 5番人気
3連複 1-11-16 97,140円 141番人気
3連単 1-16-11 1,452,520円 1023番人気
勝馬の情報
勝 馬 ビートブラック
[牡5・青毛]
父:ミスキャスト
母:アラームコール
馬 主 前田 幸治氏
生産地 北海道新冠郡新冠町
生産牧場 ノースヒルズマネジメント
戦 績 28戦6勝
獲得賞金 302,917,000円
主な勝鞍 重賞初勝利
騎 手 石橋 脩:初勝利
調教師 中村 均:初勝利
※戦績・獲得賞金は2012年天皇賞(春)(GI)終了時点
JRAホームページ|データファイル|競走成績データ
http://www.jra.go.jp/datafile/seiseki/g1/haruten/result/haruten2012.html
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