1979年作品。



そもそもは、TV作品だったとある。だから、完全版は…

180分もあるらしい。




以前、わたしが見た…

日本公開版は、110分だとある。



そして、今回見た… BOOK・OFFで入手したDVDには、堂々と完全版なる文字がうたってある。













トビー・フーパー。


彼と、フーパーを愛する… 黒沢 清について。何度も書いてきた、わたしだった。



順番でゆうと、わたしは…

黒沢 清大好きになるほうが、早かったのだが。



その、黒沢 清が絶賛するフーパー作品を見て…

ぶったまげたのは1度や2度ではない。




いや。

思い返せば… きっかり2度だった気もする。

あっそう。







30年前に、黒沢 清は…

「フーパーの三大傑作、『死霊伝説』『スペースバンパイア』『スポンティニアス・コンバッション』」

と書いている。



え? 『悪魔のいけにえ』は… と思うかもしれない。


その件についても、何度も書いてきた。




わたしが思うに、『悪魔のいけにえ』だけはリアリズム風なので真面目な人たちにも評価されたんだと。


フィクションのくだらなさ、馬鹿馬鹿しさが少ない。『悪魔のいけにえ』には。








『死霊伝説』。


わたしは読んでいないけども…

スティーブン・キング原作の、吸血鬼モノ。



「現代が舞台なのが、信じられないほど風格がある」と、黒沢 清は評する。



古い館。

そこに運び込まれる、棺。


怪物は、なかなか現れない。




この、前半はスローな展開で、中盤からいよいよ盛り上がる…

とゆうのは、トビー・フーパーの特徴なのかもしれない。


『悪魔のいけにえ』も、『スペースバンパイア』も、そうだった。






この『死霊伝説』、180分もあるゆえ、さまざまなキャラクターの描写をする。


もしかしたら、この辺もフーパー、意外に得意なのかも。

人間ドラマまではいかないが、人間の日常や感情を描写する。


それは、多くは町の人たちなのだったが…

怪物の相棒らしき紳士は、ふてぶてしく謎めいた男。

謎の紳士。












小説は、ど~なっているのか知らないが。

怪物も謎だし、背景も、よくわからない感じ。いや、吸血鬼だけども。

そして、わたしはキリスト教には無知だった。



そんなコトは、ど~でもいい。





主人公は、町の人たちと協力して、怪物を退治する。






なにより良いのは。

怪物と化した人間が、宙をただよいながら…

窓の外からやってくる演出だ。



「フーパーは何故か室内劇を撮る」とは、黒沢 清。


窓の外に現れる怪物。

その時点では、おとなしい。

ゆっくりと増えてゆく、吸血鬼軍団の恐怖。

このあたりが、風格ある部分と思うが…


それと、わたしの指摘する、怪物的エモーションがあいまって…

尋常ならざる怪奇が、出現する。












わりと普通におもしろい、とゆう印象を受けた。


以前見たとき、ど~思ったのかは、まったく記憶にない。



アメリカの田舎。

そこでの、人間描写と、怪物の侵略。


たしかに、どこかに風格があるのだった。



ヨーロッパの香り。



誰が造形したのか知らないが、怪物がやはりいい。


高貴な吸血鬼、ではないんだけども… さっきの謎の紳士やら、館やらの魅力。



この館の階段を、たぶん黒沢 清は『ダゲレオタイプの女』の階段の…

参考にしているのでは?



わからんけども!