2001年作品。
すでに、もう、20年たっていますが… 近年の、現代の映画ですよ。
ジャック・ロジエ。
つい数日前… わたしは、初めて見たよ (『アデュー・フィリピーヌ』) と書きましたね。
若者ならともかく…
50すぎたヲッサン・シネフィルが、いまごろ? 初めて見たよだ?
ジャック・ロジエを。
ふざけてますよね。
お前… エセ・シネフィルやんけ! と、怒られるトコロですね。
うーむ。
わたしは、わたしに怒る!
だってそうでしょう?
ふざけた野郎だよ、まったく。
こいつさあ、…ジャック・ロジエとジャック・ドゥミの区別もつかない、ドアホですからね。
それは、酷すぎる。
これ、ネタじゃなくてマジですからね!
ホンモノのバカ。
ああ、そうさ、バカさ。
でも、そんなコトはど~でもいいじゃないか!
それでも、ま、「ヲレ、シネフィルだよ」と言い張るしかない (泣)
その証拠にね、間髪入れずにね、また見ましたよ。ジャック・ロジエ。
『フィフィ・マルタンガル』。
大胆かつ、完全にふざけた作劇と展開が素晴らしいですよ。
ジョン・カサヴェテス『ビッグ・トラブル』かと思いました。
『ビッグ・トラブル』は…
真面目な主人公の横に… ふざけた野郎・ピーター・フォークを配してね、コメディだけど基本シリアスでもある、とゆう作劇でしたがあ。
『フィフィ・マルタンガル』も、誰が主役ともいえない、群像劇的なトコロに…
ほとんど、「こいつピーター・フォークだよ」といっていい、ふざけた野郎を、露骨に起用するとゆう展開。
ホントにね、真ん中辺で…
「頼むから、あんた○○やってくれ」ってなるのよ。
真面目な人たちが、ふざけた野郎に頼むの。
わたしは、思いましたね。
これじゃ、『天才バカボン』だと。
つまり、『フィフィ・マルタンガル』、サイコーにおもしろいのね。
バカボンパパなんだもん。
この、作劇の中心にいる野郎がさ。
ジャック・ロジエが呼び寄せたキャラクター、彼はさあ…
言ってみれば、道化。ピエロなんだけども。
たしか、そのー、「わたしは、道化はやりたくない」みたいなセリフを、途中で言っていたと思う。
バカのくせに。
それでいいのね。
ベタなコメディとは、ちがうよ。ってコトですから。
わかりますか?
ベタなコメディとは。バカがバカとして生きてますよー、ってゆう世界観なのね。
でね。
『ビッグ・トラブル』も、もちろんベタなコメディちゃうんだけれども。
つまりその。
そこに、スリルがある作劇。
リアリズムやからね。
リアルな世界観、プラス、バカ。
あきらかに、道化=ピエロ以外の何者でもないキャラクターが。
リアリズムの世界に、いる。とゆう。
これは、たまらないよ。
サイコーですよ!
なんてゆうのかなあ。
そこら辺の、つまり、バカの描きかたの、さじ加減が難しいんだと思うけれども。
大胆不敵な、ジャック・ロジエは、難なく「バカ=ピエロが存在する世界」を、描くんです。
これね。
下手な作家だと、「世界全体がバカ」とかね、あるいは「リアルな世界に、こんなバカ、いるワケねーよ」って、なっちゃうのね。
バカとは何か。
無能? ダメ? 失敗?
それは結果として、そうなるけれども。
道化人間は、やけに気楽に生きている… 気がする。
バカであるコトの劣等感など、まったくない。
ここでの、バカ=ピエロも、まったくそうなのね。
で、もちろん、バカの…
ダメ&失敗が炸裂するおもしろさを、『フィフィ・マルタンガル』の、後半…
クライマックスで、やってるんです。
それが。
最初から、「バカが失敗する」と、観客に予想できてたら。
普通のコメディなのね。
この映画は、そうゆう予想をさせないように、作劇を仕組む。
だからこその、驚きの炸裂が愉快なんです。
『天才バカボン』。
それを、2時間の映画で展開した… ジャック・ロジエ。
凄い!
そう、わたしは、評価します。
横浜シネマジャック&ベティにて鑑賞