橘麻紀さんと本書









五円木比克です。


きょうは、つい先日出た『東映実録バイオレンス 浪漫アルバム』とゆう本の紹介をします。







       本書の編者・杉作J太郎さんと橘麻紀さん







有名な、『仁義なき戦い』が公開されたころ。

わたし・五円木比克は、5歳とか…そんな子どもでした。

つまり、当時のリアルタイムの記憶はない。
ないったら、ない。

あったら、ど~かしてるよ!




それは、以降の量産体制に入った、東映によるやくざ映画。実録映画。バイオレンス映画。戦争映画… についても同様です。




かろうじて、リアルタイムかなー…
と思えるのは、たとえば、東映時代劇復活とゆうかけ声を記憶している、『柳生一族の陰謀』ですが。

すでにもう、わたしも10歳ぐらいでしたから。




この映画は、『仁義なき戦い』と同じく深作欣二監督です。


しかし当時、実際には見ていません。

それどころか、わたしは『柳生一族の陰謀』をいまだに見ていない。アホか。



アホですよ。
まあ、それはど~でもいい余談。





橘麻紀さんのお店「折鶴」でインタビューが行われたそうです(本書収録)







こうゆう断定を、アホがするのもどうかと思いますが…

この本で紹介されている多くの映画を作った、中島貞夫監督や高田宏治氏(脚本家)は、もちろんアホではござらんのです。

二人とも東大卒。
優秀な頭脳。



深作さんは、日芸(日本大学)ですが、わたし・五円木比克が断定すると、この人はテクニシャンです。

暴力の現場に居合わせたかと、観客を錯覚させるカメラワークと編集テクニック。
いわゆる、深作マジック。


















1970年代。

映画産業が没落する一方で、どっこい東映は元気いっぱいだった。


と、見てきたように書きますが… 当時わたしは子どもだったコトは、すでに書きました。





リアルタイムでの実感は、まったくないのに断定するけども。




つまり、大衆に受ける「エロ」と「暴力」に特化したのが、片やにっかつロマンポルノと、この東映実録バイオレンス路線だったといえます。




日活の神代辰巳や田中登。
そして、東映の深作欣二、中島貞夫。

彼らをはじめとした、当時30代~40代の映画人たちが。
おもしろい映画を、バンバン作っていた。


そう、断言します。






故・加藤典洋によれば…
『仁義なき戦い』前後の、深作欣二の作品には。
連合赤軍の、衝撃的な暴力事件の影響があるとゆう。

そうかもしれない。

わからんけども!






ともかく。
映画産業は斜陽とゆう…

その、いわば追いつめられた者たちの発するエネルギーが。
爆発。炸裂。

新展開を見せた。



それが大衆、そしてさらに、映画マニアを魅了した。









いまなお実録路線映画に魅了されている、杉作J太郎氏&植地 毅氏が編集したこの本。

『東映実録バイオレンス 浪漫アルバム』であります。







インタビューで、高田宏治先生が、『仁義なき戦い』(笠原和夫・脚本)を批判してるのがおもしろい!


もちろん、建設的批判なんだけども。

ここ、展開がおかしくない? どうして、この人物はこんなトコロにいるの? 等。
笠原御大に疑問を突きつける!



たいへん勉強になります。









土橋 享監督のインタビューは、もっとおもしろい!

おもしろすぎる! 必読!










もちろん、ここで紹介されている傑作『実録外伝 大阪電撃作戦』や『暴動島根刑務所』などの、おもしろすぎる映画群も必見ですよ。
ゆうまでもなく!

おもしろすぎる、東映バイオレンス映画の、最高すぎるエンターテインメントぶり!





浪漫アルバムとして、本書に先行して刊行された『トラック野郎 浪漫アルバム』、
『東映スピード…浪漫アルバム』も併せて読めば、70年代東映映画の全体像が浮かび上がる仕掛けです。

って、そんなコトはみなさまご存じ。






遅れてきた東映ファン、坪内祐三さんも本書に寄稿していますよ。



坪内祐三さんより、さらに遅れているわたし・五円木比克としては…

はやく未見の『やくざ戦争 日本の首領』を見ようと思う。



『柳生一族の陰謀』も、そのうち!



あと、中島貞夫監督作品で見逃しているものもあります。




お楽しみは、まだこれから!





中島貞夫監督も、久しぶりの新作映画を撮るらしい。




そして、きょうから実録路線の遺伝子を受け継ぐ『孤狼の血』も公開!





これも、見ないと!







(2018年5月12日)