今いる会社を辞めることにした。
退社するというよりも逃避といった感じだ。
今日は自分の送別会を開いてくれるらしく、黒いスーツを着ている。
この黒いパンツスーツは、バブル景気に湧いていた時代に買ったものだ。
パンツの形がジョッパーズのような、当時流行った裾つぼみのデザインのものだ。
つい、裸足にパンプス姿で出てきてしまった。
このまま雲隠れしようと思っていたのに、こんなうすら寒い格好で出てきて失敗した。
ここから逃げるには荷物を軽くしよう、そのために財布の中身を整理している。
黒い小ぶりの四角いハンドバッグ一つで街にでた。
職場の皆さんへのお礼を込めて、何かお礼の品を買わなくちゃとデパートに行く。
ところが送別会まで時間もないし、大勢の客がひしめき合っていたので、途中で面倒臭くなってやめた。
お金をおろそうと、りそな銀行を探す。
探せども探せどもなかなか見つからず、ようやく案内の小さい看板を見つけた。
矢印の指す方へ行きたいのだが行く途中に場外馬券場があり、
おじさんたちがひしめき合っていて行く手を阻んでいる。
ガードマンもいるが、全く意味がないほど人で混雑している。
何とか人の間をかき分け、場外馬券場を抜ける。
銀行を示す矢印の方向を見ると、駅の裏手に出てしまった。
そこには細い砂利道があるだけだった。
砂利道を抜けると人の家の駐車場に続く急な坂道にでた。
息が上がってしまったのでハンドバッグを下に置いて少し休んでいると、
見知らぬ男がバッグを持ち去った。
くたびれたスーツに丸顔の上にメガネを載っけたその男は、
さも自分の物のように持って坂道を降りて行った。
私が呼び止めると「ああ、間違えた」と何も悪びれることなく、素直にその場に置き、悠々と立ち去っていった。
その砂利の坂道を登っていくと高台の人の家にでた。
表札を見ると篆書体で「酒井坂一」と書かれていた。
なかなか大きな家なのでおそらく昔は庄屋さんだったのだろう。
左手は切り立った崖でその下には墓地があった。
墓地の向こうは広く住宅地が広がっている。
だんだん薄暗くなってきた。
雲の厚い夕焼け空は、靄がかかっていて幻想的である。
グレイと薄桃色の交わる空を見ようと崖の縁に行こうとしたら、縁から水が流れ出してきた。
水量があり、道いっぱい滝のように足元を水がながれる。
しばらくすると小さく葉の丸い水草も一緒に流れてきた。
私は足の置きどころに困り、縁石の上で途方に暮れていた。
と、いう夢を見た。
退社するというよりも逃避といった感じだ。
今日は自分の送別会を開いてくれるらしく、黒いスーツを着ている。
この黒いパンツスーツは、バブル景気に湧いていた時代に買ったものだ。
パンツの形がジョッパーズのような、当時流行った裾つぼみのデザインのものだ。
つい、裸足にパンプス姿で出てきてしまった。
このまま雲隠れしようと思っていたのに、こんなうすら寒い格好で出てきて失敗した。
ここから逃げるには荷物を軽くしよう、そのために財布の中身を整理している。
黒い小ぶりの四角いハンドバッグ一つで街にでた。
職場の皆さんへのお礼を込めて、何かお礼の品を買わなくちゃとデパートに行く。
ところが送別会まで時間もないし、大勢の客がひしめき合っていたので、途中で面倒臭くなってやめた。
お金をおろそうと、りそな銀行を探す。
探せども探せどもなかなか見つからず、ようやく案内の小さい看板を見つけた。
矢印の指す方へ行きたいのだが行く途中に場外馬券場があり、
おじさんたちがひしめき合っていて行く手を阻んでいる。
ガードマンもいるが、全く意味がないほど人で混雑している。
何とか人の間をかき分け、場外馬券場を抜ける。
銀行を示す矢印の方向を見ると、駅の裏手に出てしまった。
そこには細い砂利道があるだけだった。
砂利道を抜けると人の家の駐車場に続く急な坂道にでた。
息が上がってしまったのでハンドバッグを下に置いて少し休んでいると、
見知らぬ男がバッグを持ち去った。
くたびれたスーツに丸顔の上にメガネを載っけたその男は、
さも自分の物のように持って坂道を降りて行った。
私が呼び止めると「ああ、間違えた」と何も悪びれることなく、素直にその場に置き、悠々と立ち去っていった。
その砂利の坂道を登っていくと高台の人の家にでた。
表札を見ると篆書体で「酒井坂一」と書かれていた。
なかなか大きな家なのでおそらく昔は庄屋さんだったのだろう。
左手は切り立った崖でその下には墓地があった。
墓地の向こうは広く住宅地が広がっている。
だんだん薄暗くなってきた。
雲の厚い夕焼け空は、靄がかかっていて幻想的である。
グレイと薄桃色の交わる空を見ようと崖の縁に行こうとしたら、縁から水が流れ出してきた。
水量があり、道いっぱい滝のように足元を水がながれる。
しばらくすると小さく葉の丸い水草も一緒に流れてきた。
私は足の置きどころに困り、縁石の上で途方に暮れていた。
と、いう夢を見た。