地震に耐える構造は?

従来の方法は、壁に筋交いを入れたり構造用合板を入れて建物を全体的に固める「耐震工法」であり、地震のエネルギーを建物で吸収する方法です。

地震のエネルギーは地盤から建物に伝達されますが、このエネルギーをどのように逃がすか、あるいは吸収するのかによって被害の大きさが異なります。

つまり、柳が風に揺れるように、エネルギーを変形によって吸収する方法(建物の場合、あまり大きな変形は生活に支障をきたすので、ある一定のレベルまでの変形)、すなわち大きい揺れを建物のどこかでブレーキさせる方法、これが「制震構造」といわれるものです。


現在では各住宅メーカーでも工夫して、リフォームでも施工可能な制震工法が開発されています。


もうひとつの方法は、地震のエネルギーが建物へ伝わる入力エネルギーを減らす方法で「免震構造」といいます。

建物の基礎と土台の間にゴムまたは鋼製のボールなどを入れます。


例えば板の上にビー玉を4個載せ、その上に4隅にビー玉がくるように箱を載せます。

この箱を建物と考えてください。下の板を左右に小刻みに動かすと建物も動くので、その移動を止めるためにばね状の物質(ダンパー)を付けると建物への揺れが軽減されます。これが免震構造の考え方です。


高層建築では免震構造がよく使われますが、木造だと標準的な新築建物でも200万円~300万円かかり、普及が進んでいないのが現状です。どうしてもコストがかかり、経済的ではないのです。