(その1)に続いて、Gibson S-1の話ですが、今回は
製品になったS-1の話です。
S-1はシングルピックアップが3個ならんでいるので、
Gibson史上、最もStratocasterに似ているとか言われています。
(個人的には3PU SG Melody Makerの方が
アームついたりしてもっと似ているように思いますが、
ストラトキャスターは高級機の位置づけなので、
Melody Makerと比較は違っているのかもしれません。)
ただ、トランスファースイッチがOFFの時の設定を見てもらったら
わかるのですが、どのポジションでもハムキャンセルされる組み合わせに
なっています。(特にポジション4はフェイズアウトなのにハムキャンセルすると言う
こだわりの仕様になっています。)
なのに、なぜか78/7/1以降、
ポジション1のフロント、センターのシリーズ配線の音が
フロントのシングルコイルに代わってしまいました。
ジミヘンドリックスとかいかにもストラトのフロントって感じの音を使っているので、
シングルのフロントっていうのも魅力的なのはわかるのですが
S-1の宣伝 で一番ギブソンの音がすると自負していた物を
ストラト風にするなんて、
- 営業サイドからもっとストラトキャスターに似せろと言われた
- フロントのハムバッカー、リアがシングルだとマローダーとSPECがかぶる
とか色々あったのではないかと邪推してしまいます。
ついでに、(その1)の時に出した回路図にはトーンとボリュームの回路が
無かったので、ちょこっと書きます。
Norlin時代のGibsonにありがちな定数なのですが、
トーンは100kΩ オーディオテーパを使用しています。
で、問題なのがボリューム側の諸元です。
Series2の回路図では300kLと表記されています。
当時のParts Listとか見ると
レスポールで大不評(ほとんど事故)をおこした、300kΩリニア
(スペシャルの意味は”たぶん”、普通のBより0とFullのエリアが長いテーパ)
の物があるのではないかと思います。
可変抵抗の値とかテーパについては私より詳しい人
がいっぱいいる(特にレスポール ファンに多い)と思うので、
そちらに問い合わせていただいた方が正確な情報が得られるかもしれません。
まあ、Norlin時代のGibsonにはこういう話がいっぱい出てきます。