8月23日に亡くなった愛する奥さん。

R6.2.23で命日から半年経過しました。

世の中は何事もなかったように時は流れていますが、僕は世間の流れに取り残されているような感覚が続いています。


僕がブログを書き始めたのは、まだ小さいチビ(病気発覚当時はまだ幼稚園児)にお母さんの闘病をいつか知ってもらうための記録的なブログですが、もう一つのきっかけは誰かの参考になればと思い、始めたものでした。


今回の記事は、奥さんの脳腫瘍が発覚し、約2年の闘病の末、天国への旅立ち。

この全ての過程を、後日になって冷静に見返した時に僕なりに考え感じた事を、

膠芽腫やグレードが3・4の脳腫瘍の方及びその家族や介護者の方に向けて僭越ながらお伝えしたいと思います。


賛否あると思いますが、あくまで僕の考えや感じたことなので世間一般論や皆様の考え方を否定する訳ではないことをご理解いただきたいです。

また、この記事が少しでも参考になれば嬉しいです。



●病気の本質を知ることは大事●

膠芽腫などグレードの高い脳腫瘍と診断されたら、とにかくどのような性質の病気なのかを調べてください。

僕は夜な夜な泣きながらネットで調べました。そして、膠芽腫に対する僕の第一印象は「絶望的な不治の病」でした。

さらに、"余命の短さ"。

世の中で言われている平均寿命(中央値)は1〜2年。

数字は嘘をつきません。

辛いですが、、、それらを常に頭に入れて、病状がどのように進行していくのかを調べ、最悪の事態を覚悟しておくべきだと思います。


その上で、一日一日を大切にし、どう生活していくかを考えていくべきかなと思います。


膠芽腫と診断されると一般的に医師はQOL(生活の質)の確保を考えるそうです。

今思えば、その考え方は患者さんにとって一番正しいのかなと僕は思います。



●だからといって希望は捨てない●

絶望的な病気ですが、やはりなんとかして治したい、長生きしたい!

当然誰もが思う事です。

少しずつですが新たな治療方法(デリタクト等)も出てきていますし、今後も研究が進むことでしょう。

探せば治験もあります!

うちの奥さんは"治験R"を受けることができました。結果的に別箇所に再発してしまいましたが、治験Rを受けた箇所については最期まで残腫瘍が増大することはありませんでした。

医師は基本的に標準治療を勧めてきますが、希望を捨てることなく色々な治療法を自分達で探すことが大事だと思います。


ただし、民間療法は安易に鵜呑みにせず、よく考えて自分が納得した上で進めるべきだと思います。

僕も何種類かの民間療法に取り組みましたが、今思えば生活の質を低下させてしまったのではと後悔することがあります。



●食べる事ができる間はできるだけ美味しいものを食べたい!●

腫瘍は"糖"で成長する。

色々と調べましたがこれは概ね間違いなさそうな話です。

なので、我が家ではケトン食とまではいきませんでしたがプチ糖質制限を行っていました。

糖質制限が奥さんの寿命延長の効果があったのか、無かったのか、それはわかりません。

ただ、僕は今でも悔やんでいます。

奥さんに、もっともっと普通で美味しい物を食べさせてあげるべきだったと。

日々衰えていく奥さんの1番の楽しみはおそらく"食"だったと思います。

唐揚げ、白米と明太子、甘いお菓子、甘いコーヒーなど奥さんの好きなものを沢山食べさせてあげるべきでした。。。


また、終末期になると嚥下機能の低下で、まともな食事が難しくなります。

それまでに美味しいものをたくさん食べさせてあげるべきでした。。。



●オプチューンは本人の負担が半端ない●

決してオプチューン治療を否定するわけではありません。

しかしながら、オプチューンは本人にとってかなり負担が大きく、ストレスが溜まります。

また、家族等の介助者も大変な労力を伴います。

我が家では2ヶ月程度しか利用しておりませんが、忍耐力の強いうちの奥さんですら「もうやりたくない」と弱音を吐いていました。

特に女性の場合、貼り替えの度に髪をツルツルに剃るというのが精神的に大きく響くと思います。

外出する足枷にもなります。

生活の質の確保という観点から、よく考えて取り入れるべきかなと思います。(もう一度言いますが、決してオプチューンを否定するものではありません)



●AYA世代の闘病●

脳腫瘍に限ったことではないですが、40歳未満の方は介護保険が使えません。

なので、障害福祉サービスを利用することになります。

僕から強くお伝えしたい事は、40歳未満で悪性脳腫瘍や他の重い病気と診断されたら、すぐにでも障害福祉サービスの仕組み及び利用方法を調べて、準備を進めておくべきであるということです。

認定区分の決定には時間がかかります。

状態悪化の進行が早い場合、障害福祉サービスの利用が間に合わなくて本人にも家族にも大きな負担になるかもしれません。



●各障害者手帳は持っておくべき●

本人の状態・状況にもよりますが、障害者手帳は取得していた方が良いと思います。

脳腫瘍の治療にはかなりの費用がかかります。

障害者手帳を持っていれば少しでも費用負担の削減になると思いますし、様々なサービスを利用することが可能になります。

特に脳腫瘍を起因とした"てんかん"が出ている方は精神障害者保健福祉手帳の交付対象になる可能性が高いと思います。


ちなみに、うちの奥さんは

身体→3級(かなり早い段階で取得)

精神→1級

を取得していましたが、本当に色々な面で役立ちました。


また、場合によっては自立支援医療等を利用できるので、費用面ではかなり助かると思います。



●再発したら、気持ちが追いつけないほどに進行が早いと感じた●

再発したのが22年7月でした。

8月には麻痺が出てきて、そこから日々できない事が増えていきました。

子供の成長とまったく逆です。

衰えていくことに本人はさぞ辛い気持ちだと思いますし、それを見る家族も本当に辛いです。


僕からお伝えしたいのは、身体の不自由さが発症すると介護する側もされる側もネガティブになりがちですが、そんな中でもポジティブに生活して欲しいということです。

出来る事を出来る範囲で、一日一日を大切に。



【最後に】

正直、読むだけでも辛い記事で、申し訳ないです。


最後に申し上げたいのは、膠芽腫と戦っている方々の中には、何年も長く元気にしていらっしゃる方がおられますし、実際にアメブロでもチラホラとお見かけします。

少しでも長く長く、生きる希望を持っていただきたいと思います。


やっとこの記事を書くことができました。

ありがとうございました。