傘を切るストーカー ~犯人は同じビルに勤める男(?)~
お土産を押し付けるおじさん
20代の頃の話です。
当時の職場は大阪の
とあるビルの3Fにありました。
ある日、同僚女性(20代)が
「相談がある」と言うので
帰りに近くのカフェで話を聞くことに。
彼女は
「1Fのおじさんに、こんなんもらったわ」
と、菓子折りの袋を見せてくれました。
ビルの1Fには、エレベーター横に
受付を兼ねた保安室があり
ビルで働く人は出入りの際に必ず
その前を通ります。
保安室には40代~70代ぐらいの男性スタッフが
数名いるのですが
その中の最高齢の男性が
「旅行のおみやげ」と言って
菓子折りを渡してきたそうです。
彼女は、その男性と特に親しいわけではなく
出入りの際に挨拶をかわす程度。
菓子折りを受け取るのもどうかと思い
何度も断ったのですが
相手は無理やり押し付けてきたのだとか。
そして耳元でひと言
「私はあなたの味方だから」
と、囁いたそうです。
この話を聞いた私は思わず
「うわ、気持ち悪っ!」
と叫んでしまいました![]()
彼女は、そのおじさんとは
挨拶以外に口をきいたことはなく
仕事上の悩みなどは一切話していません。
「味方」って、どういうことやろう…![]()
と、しばらく二人で考えていましたが
つまりは彼女に気があって
口説きたいのだろう、との結論に達しました。
もちろん彼女にその気はないので
放っておけばそのうちあきらめるだろう
と、彼女も私も深く考えなかったのですが…。
彼女の傘がズタズタに…
1週間後の朝。
私が出社すると、彼女がすぐに駆け寄ってきて
「傘を切られたんや
」
と、泣き出しそうな顔で言いました。
前日は朝から雨降りで、会社の入り口にある
傘立ては、社員の傘でぎっしり埋まっていました。
夕方、彼女が帰宅しようと
傘立ての中から自分の傘を抜き取ると
カッターナイフらしき刃物で
ズタズタに切り裂かれていたそうです。
彼女はすぐ上司と一緒に1F保安室へ報告。
その時の様子を話してくれたのですが…。
保安室の他のスタッフは一様に驚いて
彼女の周りに集まってきたのですが
ただ一人、例の最高齢のおじさんだけが
奥の席に座ったまま新聞を読んでいたそうです。
その様子を見て彼女は
「あいつが犯人や!」
と確信しました。
菓子折りを受け取って以来
彼女は保安室の前を通っても、今までのように
気軽に挨拶ができなくなってしまい
なんとなく、おじさんを避けていました。
そのことが相手の怒りをかったのではないかと。
しかし、当時はまだ防犯カメラが普及しておらず
証拠がありません。
ビル側の「大ごとにしたくない」という
意向もあり
警察に被害届を出すことはできませんでした。
傘を切り裂いたカッターナイフが
次は彼女に向けられる危険もあったのに…。
この時のビル・会社の対応は
かなり問題アリだったと思いますが
幸い、それ以上彼女に危険なことは起こらず
例のおじさんは間もなく
保安室から姿を消しました。
どうやって身を守れば?
神戸のストーカー殺人事件を見て
女性は身を守るために
スタンガンや催涙スプレーぐらいは
常に持ち歩いた方がいい、と
私は本気で思いました。
しかし、いざ襲われたときに
冷静にスタンガンをバッグから取り出して
正しく使えるか?
下手したら相手に奪われて
逆に自分がケガするのでは?
と思うと、それも怖い。
本当に、どうやって身を守ればいいのか…。




