サンデルの政治哲学 (平凡社新書) 小林 正弥著 | I have a thing about ・・・・

サンデルの政治哲学 (平凡社新書) 小林 正弥著

昨日は、関東出張でした。(作業中にフォークリフトのおばさんが怪我したんです。)

道中で下の本を読みました。電車で読むのは新書が一番ぴったり来るんです。

読みかけでも、ポケットに入るしね。



流石に、内容が内容なので大津ー松戸往復では読了できなかった。全五講のうち3講まで読了。

小林氏はサンデル派なので、ロールズにちょっと手厳しすぎるかとも思う。

前に上げた川本氏のこれと併読をお薦めします。



ロールズがサンデルらとの議論の後、方針転換をしちゃってるからややこしいんだけど、

本来、サンデルの指摘していることは、ロールズが意図して回避したことじゃないのかと思うんだけど、どうなんだろう。

それと彼のロールズの立てた規範に対する批判が正当だとしてもだ、

彼の代替とするコミュニティの共通善的な徳目をどのように確立するのかと言うことに関して、

そういう考え方は、はたして実効性はあるのか?と疑問を感じる。

・・・少なくとも、その理想をどのように規範化するのか、それを一般化するのかは、ぼくには見当がつかない。

・・・・ここでこれ以上わたしの感想を書いても仕方がないので、

・・・この本はサンデル入門にはもってこいのものだと思うとだけ書いときます。

これまでのサンデルの紹介はどちらかと言うと、ロールズシンパから切って捨てるような感じの論評が多い中で、

よく理解できるようにまとめられていると思いました。

内容はコンパクトに上手く整理できていて、これからサンデルやロールズを読もうと言う人にはもってこいだと思う。

少なくとも、サンデルの議論のほうが、日本人にとっては、ロールズの議論よりは、理解・納得しやすいと思う。

ただ、サンデルとロールズの対立より、ロールズとノージックやフリードマン一派との対立のほうが、

現実的な影響は大きいし、そちらにこそ注目すべきだと思う。

サンデルの主要著作をこの順で解説しています。
Justice: What's the Right Thing to Do?, Farrar Straus & Giroux, 2009.
『これからの「正義」の話をしよう:いまを生き延びるための哲学』(鬼澤忍 訳、早川書房、2010年、ISBN 978-4152091314
Liberalism and the Limits of Justice, Cambridge University Press, 1982, 2nd ed., 1998.

『リベラリズムと正義の限界』(改題、勁草書房、2009年)
Democracy's Discontent: America in Search of a Public Philosophy, Harvard University Press, 1996.
『民主政の不満―公共哲学を求めるアメリカ〈上〉手続き的共和国の憲法』(金原恭子・小林正弥・千葉大学人文社会科学研究科公共哲学センター 訳、勁草書房、2010年)
The Case against Perfection: Ethics in the Age of Genetic Engineering, Harvard University Press, 2007.
『完全な人間を目指さなくてもよい理由-遺伝子操作とエンハンスメントの倫理』(林芳紀・伊吹友秀 訳、ナカニシヤ出版、2010年)

原題を見れば解るように、この邦題は明らかにミスリーディングです。本屋で手に取ったけど、邦題が気になったので、奥付を見て元に戻してしまいました。
Public Philosophy: Essays on Morality in Politics, Harvard University Press, 2005.
 未邦訳

サンデルが、これほど有名になっちゃって、いちいち説明するのが面倒だから、サンデルの著書に沿って彼の考えを紹介しちゃったと言う感じの本なのかもしれない。

著者の小林氏は、千葉大学教授で護憲派の活動をしている。

その点では、非常に親近感を覚える。

いまどきの護憲派にも賢い人いるんだ・・・・と思ってしまった。

護憲派の論理が説得力を失ってしまった今、彼は公共哲学・共通善の追求の中で、

護憲派のまったく新たな理論構築をしてくれるのではないかと思っているが、残念ながら実効性は期待はしていない。

彼のかかわるサイト

「平和への結集」をめざす市民の風

公共哲学ネットワーク

サンデル特設サイト



誰でも、「人殺しや戦争や貧困なんて、くだらないからやめようね。」ってことは首肯出来るとは思うんだけど、

みんなが納得できる解決法を提示できる人が誰もいないと言う状況からは脱したいと言う思いから、

ぼくは、このどう考えても役に立ちそうもない「正義」に関する議論に長年付き合ってんだ。

もっと直裁に、この議論に結論を出してくれる人が出ないものだろうか・・・・。

大規模なプリコグシステムによる殺人予知システムでも造るほうが、現実的か?

ぼく自身は、来年『正義論』を読むついでに、サンデルの 本も読み直そうと思ってるところです。

・・・・・・ほんとに読めるか?・・・・・(/_;)


何の気なしに出たときに紹介したサンデルの著作がこれほどのブームを呼んだことは、未だ信じられない。

たぶん、講義の面白さに惹かれただけと言う感じがしないでもない。

(ぼくは、行った事ないけどアメリカの講義はこう言う風だよってのは知ってた。

でも、目の当たりにするとそのレベルの差には愕然とするね。)

読んだ人みんなが、その内容の吟味を良く出来るようになると、

日本の社会や政治に関しても、少しは成熟の道を辿り始めることが出来ると思う。

『大人は、こんな小賢しい話はしないもんだよ』と言う態度では、

この先、現状すら維持できなくなっている


よって、一緒に持っていった



は、手がつけられませんでした。

ぼく自身は、このあたりの話題では、中国でもなく、北朝鮮でもなく、韓国の動向が気になってるんだ。