丸山健二 極北に立つ人

月に泣く 丸山 健二
『月に泣く』は、現代日本文学の極北点に立った偉作だと思う。
彼は、そこに立ち止まったまま帰って来れないでいる。
この作品の中の生命は、すべて凍てついている。
彼は、その後、ずっとこの作品と戦い続けているんだと思う。
開高健が、釣りに命をかけたように、
丸山健二も、庭造りに没頭している
バンドじゃないから、解散!ってわけには行かないのが、作家のつらいところだ。
彼は、『月に泣く』で極みに立ってしまった人だとも思う。
頂を望んで登り続けることも、大変なことだと思うが、
頂に立ち尽くした瞬間、祝福と栄光に包まれる。
その人の本当の命の力が試されるのは、その後のことなんだと思う。