It can't be | OperaAlice

It can't be

彼を幸せにしたい。
ずっと方法を模索していた。無気力で無慈悲な彼を生かすための方法。
それは私のためでもあった。




心を閉ざした彼の耳に、何を語りかければ良いのか。
私にはもうそれで頭を悩ます必要なんて無い。
なのに。
今なお、私はその方法を捜している。
移り気で時に無数に存在して、時に性別すら分からなくなる彼を。
どうして。
私には彼を幸せに出来なかった?

そうだ。どうして。
私は壊れても構わなかった。



十代でこれを思う私は、やはり重いのか。
頭に色はもう無かった。
何も要らなかった。
隣に彼が居れば。


ああ、ほらまた。
好きになってしまう。
同情とは真逆の、惹かれていく感覚が。




本当に、私は失ってからしかその大切さに気付かない。
…馬鹿だなあ。