やあ、またここに帰ってきた。
風は今日も穏やかで、空気は少し冷たいけど、酒の香りがそれを忘れさせてくれる。
夕暮れ時に縁側に座って、ひとり 燗酒(かんざけ) をやる。
温かい酒が胸を通って、ゆっくり体を巡るたびに、世界は少しだけ柔らかく見える。
ふと思うんだ――
「人生って結局、味わい方次第なんやな」って。
辛いことも、苦いことも、渋い顔して飲み込むときはある。
でもそれを噛みしめて、じっくり味わうからこそ、甘い瞬間が来たときに悦びになる。
それって酒と似てる気がする。
ふっと気付くと、猫が膝に乗ってきた。
こいつがまた酒の臭いを気に入ったらしく、顔をすり寄せてくる。
猫に好かれる酒って、悪くない。
今日は雲が低く、最後の夕日が雲を滲ませる。
こんな日は決まって思い出話が頭をよぎるけど、
今日はそっと流してやろう。
思い出は酒の中で蒸発して、いい匂いだけ残ればそれでいい。
酒は人を甘やかすって言われるけど、
本当は 人に寄り添うものだと思う。
一杯の酒が、誰かの背中を押してくれることもあるし、
誰かの心をそっとほどいてくれることもある。
ああ、月が出てきた。
酔いがちょうどいい塩梅になってきた。
明日もまた、風が吹くならいい。
空が晴れるならもっといい。
そして、またここで酒を酌み交わそう。
今日もごちそうさん。
また明日。
🍶 酒中仙















































