台湾、国防費をGDPの2%から3%へ拡大し
               中国の1500発のミサイルに対応。ジェット戦闘機も自主開発へ
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 さきに台湾は潜水艦の自主建造を決定し、発表した。完成目標は十年後である。敵である中国は沿岸地域に台湾を標準としたミサイル「東風16」を主力におよそ1500基を配備している。

 DF(東風)21というミサイルは対艦攻撃用で、これも台湾向けに配備している。また中国海軍の拡充ピッチが想像以上に迅速であり、かつ空母「遼寧」を東シナ海から西太平洋へ繰り出し、台湾をぐるりと一周させて威嚇し、海南島へ向かった。

 さらに東風16の改良型ミサイルは射程が1000キロ、日本の南方地域とフィリピンの一部の射程に入る。くわえて中国海軍は二隻目の新造空母「山東」を急ピッチで就航させようとしている状況が偵察衛星の写真からも判断されている。

 米国は台湾への武器供与を発表したが、中国の軍事力に明確に対応できる武器システムとは言えず、また台湾が熱望した潜水艦供与をトランプ政権さえ、躊躇った。
このため蔡英文総統は、潜水艦に加えてPAC3などミサイル防御システムの充実、地対艦、空中早期警戒域、武装ヘリ、あまつさえ1500キロ射程のミサイル導入などを検討している。

 台湾の憑世寛・国防部長は現在27万人という兵力の人的不足もさりながら、装備ではジェット戦闘機の拡充、戦艦の建造にくわえ、サイバー部隊の強化を急ぐとした。同時に国防費は現行のGDP比2%から3%に増強する必要があると議会の承認を迫った。
それが達成されても台湾の国防費は中国の十五分の一、兵力は十分の一である。

3月27日に、馮世寛・国防部長が軍の式典で講演し、「敵の脅威が日に日に拡大している。われわれは常に戦闘への警戒を維持する必要がある」と述べ、戦闘員の訓練を強化すべきとした。

 台湾は国防軍を志願制に切り替え、21万5000名の定員とする計画が示されてきたが、実地が遅れ、完全志願制は2018年以降にもつれ込む。ただし予備役は165万人がいる。

 2012年から16年の五年間で、台湾は総額28億ドルの武器、兵器システムを外国から輸入したが、これは中国、豪州、ベトナム、韓国、インドネシアに次いで六番目だった。

 

 

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成29年(2017)3月30日(木曜日)弐
        通算第5246号 

 

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