赤字天国のDK物語17話
第17話「アクアロード」
海の中はとてもきれいだった。
上から差し込んでいる太陽の光が水面で屈折して、カーテンのように降り注いでいる。
そして、生き物たちももちろんいた。
だが、襲ってくる気配など全くないようだった。
悠「海ってこんなにきれいな場所だったんですね」
そう言うと、海の中でも通じたようだった。
烏龍翠さんの返事もはっきり聞き取ることができた。
烏龍「ああ、海はほとんど昔からの自然が手付かずで、そのままだからね」
しかし、ひとつ問題があった。
あまりにも広い海だけあって、ずっと同じ景色だ。
しばらくすれば、泳ぐのも疲れてきた。
アクアロードは「ロード」、つまり「道」と付くだけあって、海底はかなり浅く、海面で泳いでいても海底を見ることができる。
そろそろ、地面に降りて海底でも歩こうかと思っていたとき、不思議なところがあった。
今まで深かった海底が急に盛り上がっている場所があった。
そこにはぽっかりとひとつの大きな洞窟が下へ向かうように斜めに開いていた。
そうとう深いらしく、奥は闇に包まれていた。
しかし、どうも不気味なことに暗闇から時々小さな明かりが漏れる。
しかし、烏龍翠さんは海面近くを泳いでいるので気が付かない。
まあ、話しかけないで置こうか。
そして、盛り上がった地面を通り過ぎると、目的地についた。
大きな建物が青くそびえ、まるで宙に浮く巨大な貝殻だった。
海底の町、アクアリウムだ。
悠「やっとつきましたね。烏龍さん」
烏龍「アクアリウムか・・・ひさしぶりだな。」
アクアリウムに入ろうとしたそのとき
『ゴツンッ』
壁にぶつかった。
悠「痛っ、何なんだ?」
烏龍「あ、ごめん。言い忘れてたよ。アクアリウムは魔法によってアクアリウム内は水が排除されているんだ。水とアクアリウムの間には魔法の壁が張ってあるんだ。その壁だよ。」
確かに。よくみればうっすら壁のようなものが見える。
烏龍「あそこから入るんだ」
そういって指した先にはゲートらしきものがあった。
さっそくゲートに着くと烏龍翠さんはそそくさとゲートをくぐって行った。
僕も後を着いてくぐる。
体の前は水からでたのに、体の後ろは水に浸かっている・・・・変な感じがする。
そして、ゲートを潜り抜けると、空気の玉がまた球体に戻って地面に落ちた。
どうやら一回り小さくなっている。
上を見上げると、再度実感した。僕は海底の町、アクアリウムに着いた。