IAMAS公式HPに掲示されている声明文 | ICC Forever!

IAMAS公式HPに掲示されている声明文

NTTインターコミュニケーションセンターの存在意義についての声明 ( 2005.09.02 )

1997年に正式開館した東京初台のインターコミュニケーションセンター(以下ICCと略称)は、1991年のプレイヴェント開始より、そのメディアアートの展覧やワークショップ、書籍や雑誌の出版など、日本におけるメディアアートの活動の中核として、国内はもとより、国際的にも重要な拠点として認知される活動を展開されてきました。1996年に創立した私たちのIAMAS(情報科学芸術大学院大学・国際情報科学芸術アカデミー)も、メディアアートにかかわる教育研究機関として、その発足の当初からICCと密接な関わりを持ち、教員や学生、卒業生の作品の展覧、ワークショップの企画と運営、さまざまな展覧会への協力、さらには卒業生がICC自体に就職など、いろいろな局面でその活動に協力し、またいっぽうでその恩恵を蒙ってきました。世界的にもメディアアート専門の研究展示施設はまだ数少なく、とりわけ日本においては、ICCは小規模のギャラリーを除けば、国内では数少ない、しかも中核的な意味を持つ重要な施設です。私たちは、もしICCが存在しなかったら、世界のメディアアート界における日本人アーティスト、キュレータの今日のようなめざましい活躍は無かった、と言っても過言ではないほどの貢献があったと考えています。ICCの企画するさまざまな国際的なレベルの展覧会は、学生たちにとってまたとない教育の場であり、またいっぽう、重要な発表の場でもありました。メディアアートが一般のひとにとってもごく身近な存在になりつつあるいま、そうした専門課程を持たない一般の教育機関の学生たちにとっても、いつでもメディアアートの最先端に触れ得るICCの存在は、ますます重要の度合を強めていると言えると思います。また中国や韓国をはじめとするアジア諸国が、メディアアートの雄として台頭せんと競い合っているいま、ICCはアジアにおける情報センターとして、それらの国々の活動を繋ぐ絆としての役割を果す存在になる可能性があると思います。そのICCを支えているのがNTTグループ(当初はNTT,分割後はNTT東日本)であることは、ICCを知るすべての者がよく承知しているところであり、ICCの活動はNTTの企業イメージにおいても大いに貢献していると思います。NTTグループは日本の先端メディアの展開に大きな責任を持っている企業であり、そこがこうした文化活動を支援するのは、たんに国内にとどまらない世界の文化に対する大きな寄与であると思います。企業の経営の面からICCの存続が検討にのぼっているという話を聞きますが、ICCは、その活動実績によって、企業の枠を超えたもはや公的な存在になっていると言うことも出来るかと思います。ICCがその活動の中で蓄えてきたさまざまな形態での資料も、かけがえのない貴重なものであり、これまた公的な意味を持つものです。私たちIAMASの教員一同は、ぜひNTTの経営陣の方々が、さらに大きな見地からこの問題をお考えくださり、ICCをこれまで通り存続されることを望みたく存じます。

IAMAS(情報科学芸術大学院大学・国際情報科学芸術アカデミー)教員一同
( http://www.iamas.ac.jp/TP/J/icc.html  より引用)