東京国立博物館140周年 特別展「ボストン美術館 日本美術の至宝」
で、みんなが群がっていて結局じっくり観ることができなかった「平治物語絵巻・三条殿夜討巻」。
「ボストン美術館が所蔵する「三条殿夜討巻」は、平治の乱のきっかけである藤原信頼[ふじわらののぶより]および源義朝[みなもとのよしとも]による後白河上皇の拉致と御所三条殿の焼討を描いている。政敵である信西[しんぜい]の首を求め三条殿を襲う信頼・義朝軍と、逃げ惑い命を落とす人々の様子がドラマティックに描かれており、合戦絵巻の最高傑作といえる。」
その、「平治物語絵巻・信西巻」がご近所の静嘉堂文庫美術館 で現在展示されていることを会場内のチラシで知った。
「本展前期(4/14~5/20)に、東京国立博物館の特別展「ボストン美術館 日本美術の至宝」の
観覧券あるいは総合文化展の半券を、当館の受付でご提示いただくと、入館料が一般600
円(200円割引)、大高生400円(100円割引)となります。」
ってことだったが、半券を持っていなかったので割引なし。なんかしくじった気分。(笑)
チラシの地図を見て、だいたいの場所のあたりをつけてテクテク歩いて向かう。
半券もチラシも忘れて・・・というかお散歩気分で最低限の持ち物で出かけた。
丸子川沿いを進んで行く。恐るべし世田谷区。明治神宮ほどではないが都会ではお目にかかれない規模の森沿いに小川が流れていて、遊歩道らしいものも作られ川にはカモがいたり、そのカモをねらっているのか、1mくらい下流で、川上のカモに向かって、鎌首をもたげているヘビ(1.5mくらい)もいたりする。
細いヘビだったので、まさかカモを飲み込むことはできないと思うけど、どう考えても狙っている感じだったが、早く美術館に行きたかったのでスルー。ヘビに気付いた老夫婦と親子連れは散歩をやめて遊歩道の手すりから乗り出していた。でも、カモがヘビにやられるところなんて見たら気分悪くならないのかしら・・・とか余計なことを思いながらテクテク。
そのうち、民家園 というところに行きあたった。世田谷区の持ち物らしい。納税者としては今度ゆっくり訪れなくては・・・とかセコイことを思いながら、その奥の 岡本八幡神社 わきの道を登り、お目当ての静嘉堂文庫美術館に辿り着いた。
因みに、この神社の石灯籠は、松任谷正隆・由美夫妻の寄贈らしい。
この美術館は、「龍馬伝」で香川照之さんが熱演した岩崎弥太郎の弟である岩崎彌之助とその子小彌太父子二代にわたってコレクションされた東洋美術が展示されている。
美術館はこじんまりしており、展示フロアは1Fのみ。高台のトップに位置しているため、鬱蒼とした庭園というか森を見下ろす形になっており美術館も地下階が庭に面している。
思いの外来館者が多い。こんな場所なのに・・・と思っていたら、いかにもハイキングっていう中高年グループが続々やってくる。(笑)
入り口に、お目当ての「平治物語絵巻・信西巻」が展示してあったが、パーティションがしてあり、行列状態。そのうち行列も消えるかと他の展示を見ては戻ってみたもののいつまで経ってもコンスタントに行列しているので仕方なく10人待ちの列へ。
玉木宏(源義朝)が信西(阿部サダヲ)の首を取って晒すまでのお話。
大河ドラマ「平清盛」をリタイヤしかけながらも見ていたので妙にリアルに感じる。(笑)
このお目当ての「平治物語絵巻」の行列待ちの合間に展示室に入り、人がいない絵の前に行って自由に見ていたのだが、非常に面白い屏風がありこれは隅々までじっくり鑑賞した。
しかも、ガラス越しながらも、ものすごい至近距離での鑑賞が可能な展示になっていて感激。
そのあと解説を見たら、作者が不明で「四条河原遊楽図屏風」という作品でなんと、重要文化財だった。
作者不明でもやっぱりイイモノ選んでるわ、重要文化財は。などと不遜なことを思うnanako。
この絵の下の方は、行商人が食べ物を売っていたりして、なんと心太をその場で突いてお皿に供してる場面も。そうかぁ、夏なんだな~とか思ってみたり。
ほかの展示品も、思わず見入るようなものが多く、解説を見ていちいち驚くような作者が勢ぞろい。
狩野探幽、英一蝶、尾形光琳、酒井抱一、渡辺崋山、円山応挙、歌川国貞などだ。
野々村仁清の吉野の夜桜を描いた茶壷もあったり本当に豪華。
数が少なくてもクオリティが高いこんな展示会は理想的。
今度またゆっくり来なくちゃ。
帰路は、森の中を抜ける道を選んだ。森林浴気分♪
お散歩圏内にこんな素敵なところがあるなんて引っ越してよかった~と、改めて思った一日であった。