今日NHKで放送されたSONGSは録画セットしたのだが、ついリアルタイムに間に合ったので見入ってしまった。
ユーミンこと松任谷由美さんが昨年の震災後に考えてやってきたことなどを追いかけたり、母校である立教女子中・高校を尋ねてそこで歌ったりと、とても興味深いものだった。
なかでも嬉しい驚きだったのが、何度も行ったユーミンのコンサートでもラジオでも巷でもず~~~~っと聞いたことのなかった「陰りゆく部屋」を歌ったことだ。
この曲は、中学生の頃買ってもらったばかりのSONYのラジカセ(今の子には分からないキカイです)で、NHKのFMをエアーチェック(←ラジオで流れる音楽をカセットテープに録音することらしい)したりしていたのだが、テープもそう何本も買えないし、とっかえひっかえ聞くほどマメでもなかったので、気に入った曲以外はすぐに上書き(っていうのかな?)していた。その中でずっと上書きされなかった数少ない曲の内の1つだったのだ。
因みに、そのお気に入りカセットテープの次の曲は、カーペンターズの「草原の輝き」だった。
「草原の輝き」をいきなりドラマ「未成年」の挿入歌として聞いた時はびっくりしたものだ。
ユーミンの母校の礼拝堂のパイプオルガンと共に演奏された「陰りゆく部屋」って、教会音楽の方な不思議なサウンドなのだが、歌詞の最期が「輝きはもどらない。私が、今死んでも」なの。なんかすごいよね。。。
ユーミンは、母校のどこかの小さな部屋の窓辺にある自由に使えたピアノでこの曲や「雨の街」とか「ベルベット・イースターの原型をほぼ完成させていたそうだ。
凄い女子高生だ。私が高校生の時なんて洋楽ロックコピーバンドしかやってなかったしね。。。やっぱりユーミンは特別な存在だと改めて色々思う。
1枚目のアルバムのほとんどは、このピアノのある部屋(雰囲気のある部屋)だからこそ生まれたそうだ。「イギリスのどこかで・・・グルーミーで 茫洋としてて切ない・・・・そんな曲が初期は何曲もありますね」と言った後に演奏された「ベルベット・イースター」は感動的に美しかった。
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ユーミンは、母校の礼拝堂でバッハの「トッカータとフーガ ニ短調」に出会って、「言葉にできない 電流に打たれたようなショックがあった」そうだ。
音楽は、普通に聞いて楽しみモノだったのが、何かしたいと思ったそうで、そこから独学で作曲を始めたそうだ。そして、プロコル・ハルムの「青い影」に出会って、聞いたことのない独自のサウンドに驚いたそうだ。
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そして「自分にもできるかもしれない。ロックと教会音楽を橋渡ししてくれるような・・・キーボードでのロックができるかもしれない」と思ったそうだ。
その辺りを見ている頃から、私の頭の片隅で「陰りゆく部屋」のパイプオルガンのイントロが流れていたのだが、上述の理由でまさかあの曲が取り上げられることは無いだろうと思っていた。
でもそんなネガティブな予測を破って、礼拝堂のパイプオルガンとユーミンのピアノ弾き語りで演奏された。
中学生の頃のこととか思い出して懐かしかった。音楽ってやっぱり凄い。
でも、この曲って歌詞もなんていうか・・・こうして取り上げられているのが不思議だ。
個人的には細部までくっきり記憶している曲だから嬉しいんだけどね。
そう言えば、全然知らなかったのだが今年10月に、帝国劇場でユーミンが貫寺谷しほりさんと音楽劇を1カ月やるそうだ。どんなものになるのか是非見てみたいと思った。