先週から始まっていたらしい、日テレの土曜ドラマ「妖怪人間ベム」。


http://www.ntv.co.jp/bem/

もちろん、アニメは知っているし結構イメージは強烈に記憶に残っている。

「早く人間になりた~い」は、ガッコーでひょうきんな子たちがよくマネっこしていた。(笑)


あのアニメをわざわざドラマにするって、何の意味があるんだ???

って思っていた。

でも、確か6月くらいの東京新聞のある記事が気になって切り抜いておいたのだが、その記事で触れていたのがこのドラマだとわかって興味はあったのだ。

すっかり忘れていて録画などしてなかったのだが、今日はたまたまTVをつけたらこれが始まったのだ。

で、興味本位で(←ヒドイスタンス)見始めたのだがなんだか最後までちゃんと見てしまった。


東京新聞の記事は「震災後のドラマとは」と言うテーマ。

「『3.11』の東日本大震災後、人の心模様もさまざまに変化している。時代を映すテレビドラマはこの先、何らかの変容をとげるのだろうか。時代の空気を柔らかにすくい上げる二人のプロデューサーに話を聞いた。」


橋本芙美さん(「フリーター家を買う」「マルモのおきて」など)と河野英裕さん「「野ブタ。をプロデュース」「Q10」など)を取り上げていた。


わたしは「Q10」が思いの外個人的に大ヒットだった(Q10終わっちゃった・・・ )ので、あのプロデューサーかぁってことで記事も興味深く読んだ。


「ぼくのドラマにはファンタジーの要素があったりするが、核心にあるのは日常。今回の震災で、日常がもろくも崩れさったり、原発事故という非日常が日常になっている。現実世界が日常と非日常の中間地点になってしまっているが、今までちゃんとやろうとしていた日常を、これからもやっていこうと思う。」


これを読んで、ドラマってそういうことなんだよな・・・と、私の心に沁みいった。

10月にスタートするドラマは、人間でないものを主人公にする「どファンタジー」を考えいているとのことだったが、まさか「妖怪人間」だったとは!


震災後は1カ月くらい思考停止に陥ったそうだが(そりゃそうだ)やっぱりこの企画で行こうと決めたそうだ。


「『Q10』の脚本の木皿泉さんの言葉だが、つまらない日常生活という砂漠にはいろんな種子が落ちていて、私達の仕事は、そこに緑を芽生えさせる雨になることだ。リアリティーの中の奇跡を突き詰めるという、ぼくのドラマ作りの姿勢は震災の前も後も変わらない。」


この、「ツマラナイ日常生活という砂漠の中に落ちている種子」って「Q10」の主人公平太(佐藤健)がよくつぶやいていたような・・・。結構染みいるフレーズだったな。


「今回、原発事故というSF映画のような非日常の中、1日を何事も無く終えると言う人間のタフさとかすごみを痛感している。次回作(←「妖怪人間ベム」だったわけだが)人間の豊かさをエンターテインメントとして表現するとともに、人間のタフさも意識したい。」と、終わっていた記事。

全部引用したわけではないが、その次回作を見終わって読んでみるとなるほどな~と思う。


「妖怪人間ベム」は、何と言っても登場人物のキャラクターがきちんとしていて、素直にその世界観に浸れた。

見ていて違和感アリアリのドラマって、脚本のせいもあったりするが、キャラクターがきちんとキマっていないことが大きな要因だと思えたりする。最近も例を挙げるのは簡単だが、敢えて言わない。(笑)


今日の第2回しか見ていないが、一番良かったのが杏のベラっていうか、ベラをやってた杏。

この人ってこんなにうまかったんだ・・・と思うくらいその役をきちんと生きている。

それに、若干色眼鏡で見てしまいそうだった亀梨和也のベラだが、これもツッコミどころがなかった。(笑)

妖怪人間をちゃんとやっている。って何かちゃんとした妖怪人間なのかその正解を知る由もないが、ちゃんとやっていると思わせるだけの説得力があった。

子供のベロ(鈴木福)も不思議なくらい自然に収まっていた。


今回悪い人間役(笑)だったのが、あの風間俊介。あのって、どの?って思う人もいるでしょうが、「それでも、生きてゆく」の殺人者の役がすごかった「あの」である。(笑)

でも、今日見てて思ったけどなんか「それでも・・・」のキャラとかぶって見えて、コノヒトこんな路線が続いたらしんどいだろうな~とか余計なこと思っちゃった。


妖怪人間ってことは置いておいて、ストーリーとか題材、もちろん設定もありがちと言えばそうなのだが、それでも最後まで「ながら見」ではなく普通に楽しんでみることができたのがすごいと思った。

かといって、次回がすごく楽しみと言った感じでもないのがまた不思議。


きっと、ちゃんとしたドラマを見たいって気持ちがあってそれを満たしてくれたっていうのが大きいんだろうな~。

なんだか、またしても亡霊のようにアノタイガ「江」が頭をよぎるのであった。(笑)