所要があって、仕事帰りに三軒茶屋に寄った。
自宅までは、渋谷駅で田園都市線から東横線に乗り換える。
田園都市線の青山寄りのホームで降りて階段を上って改札を出ると、長めのエスカレーター2台を乗り継いで地上に出る。

その1台目のエスカレーターに乗っていた時のこと。
普段は階段を上るか、エスカレーターでも右側を歩いて登るのだが今日は疲れていたので珍しく左側に乗ってぼんやりしていた。

すると、右側を勢いよく上がっていく若くてすっきりしたスポーティーな女子がすれ違いざまに数段上がるまで私のことをガン見したのだ。
何か悪いことした???でも知らないし・・・。と、小心者の私はビビった。
が、私のことなんてガン見するはずないからたまたまよね~、と自分を慰めて落ち着いていた。(笑)

しかし、その女子はまたしても振り返ってガン見している。
が、そのコワい視線は私に対するものとは違うと気づいて振り返ると、なんと私の立っている段のすぐ下の段に、20~30歳くらいの男性が立っていた。
あり得ないでしょ?超混雑している時間帯でも1段おきでしょ?カップルでもない限り。(笑)
ってことで、その男性の不自然な立ち位置に対しての非難の眼だとわかって一安心。
って、安心してる場合じゃなかったけど、前も詰まっていたので体を半分後ろに向けてけん制しているうちに1台目のエスカレーター終了。

で、踊り場を挟んで2台目のエスカレーターに乗るときはその男性を何となく気にして乗ったら、今度は6段くらい間を空けて乗ってきた。

無事(←実は無事ではなかった)地上に出て、今度は地上から東横線ホーム(2F)に上がるエスカレーターに乗ろうとしてびつくり。

いきなり、女子が怖い顔して話しかけてきた。
「すみません!ちょっといいですか?」
・・・来た来た・・・宗教法人の勧誘だ・・・と思ったら大違い。

「間違ってたらごめんなさい。でも・・・エスカレーターで後ろの男性に盗撮されていたの気づいてましたか?」

えええ??一体この人何言ってるの???

「さっき、何度も見てしまったので私のこと、きっと変な人だと思われていると思って。」
あ、そういえばあのガン見女子だ・・・。
その女子は、必死に訴えてくる。
「どうしようかと思ったんです。言おうかどうしようかって・・・。でも私がすっごく何度も何度もその男の人を見てたので、気づかれたと思ったみたいで途中でやめたんです。」

私「え???盗撮って・・・どこをどうやって?」←我ながら間抜けな質問である。それくらい自分が盗撮されるなんてリアリティのない話だった。

「iphoneをこうやって・・・(と、実演)エスカレーターって段差があるじゃないですか、だから中を・・・動きがすごく変だったんで気になったんです。」

絶句・・・。
私「でもぉ、撮れるのかしら?」←振り返るとホントーに呑気で当事者意識がないのが笑える。
ちなみに、私はひざ丈のテロンとしたワンピースで、サンダル生足だった。

女子「撮れますよ!!!」
私「・・・まさかこの年で盗撮されるとは思ってもみなかったので・・・」←これまたトンチンカン(笑)

女子「よっぽど言おうかと思ったんです。言ったほうが良かったでしょうか?今頃ごめんなさい。でも、私のこと変な人だと思っていらっしゃるかと思って。2本目のエスカレーターのときは離れて乗っていたので・・・。」・・・やっぱりあの人だ・・・。

私「いえ、ご親切にありがとうございます。でも言うっていっても、急に逆ギレされても怖いですもんね。教えていただいてありがとうござます。」

女子「ホント、私、じっと見てたので気にしていらっしゃると思って・・・」
私「気付いてましたけど、私を見てるはずないし、と思って気にしてませんでしたから。」←これもよく考えるとトンチンカン。

女子「言えばよかったですね~、ホント、ごめんなさい。びっくりされたでしょう?今頃言っても仕方ないですよね・・・」
私「いえいえ、ご親切にありがとうございます。言っていただかなかったらそんなことされてるのも気づかなかったし、今度からもっと気をつけるので、助かりました。」

的な会話を繰り広げて、なぜか彼女は謝りながら私はお礼を言いながら別れた。

彼女のほうが正義感に駆られて必死なのに対して、私がなんだか呑気で拍子抜けしているみたいだった。申し訳ない。。。

なんだか、そのオトコが一体どういう性癖の持ち主なんだろう?という疑問のほうが大きかったし、すぐ背後でそんな怪しいことをされていたのに、気配も感じなかった自分のことを思うと疲れすぎていたのかも、と思ったり。
本当なら、嫌悪感と羞恥心でいたたまれないはずなんだけど、渋谷駅のあの往来ではなんだかそういう感情よりも教えてくれた彼女に対する感謝のほうが強かったし。。。

その後の帰り道も、背後には気を付けたがなんだかそれも滑稽な感じすらしてしまった。

若くないってこういうことなんだな~と思ったり。
だって、若かったら本当にキモ過ぎて悔しくて、いてもたってもいられないはずだ。
もちろん、相当気色悪いし、許せない気持ちだってあるし、その画像がどうなるのかとか気になるけど・・・。それに、気配を感じないゆるくなってる自分にも嫌気が差しているのも事実。

しかし、こうして、ブログネタにしている時点で何か踏ん切りがついているような気もするし、どんなに嫌なことも流せるって大人の特権とか思ってみたり。ま、おめでたいのかも。(笑)
マナ足+スカートのときはみなさん、気をつけましょうね。って、普通気をつけてるか・・・。