4月末に帰省した折、母と通りかかったソフトバンクショップにiPad2発売の華々しい広告類が並んでいた。

かねてより、韓国スター好きの母の情報源としてiPadを奨めていた私は、そのままショップに母をいざない、店員のお兄さんに母にもわかるように使い方を説明してもらった。


その場で、とりあえずgoogleで母の好きな「キム・ボム」の検索の仕方を教えたのだが、ローマ字変換が嫌だと言う。お店の人にお願いしてかな入力キーボードに変更してもらって、母はなんとか自力でキーワードを入力し始めた。

すると、「キム・」だけで、お目当てのキム・ボムが一番に候補として上がってきたので、「凄いね。人気あるんだ。(よろこぶ母)お目当ての文字が出てきたらそこを指で押すのよ。」と教え、その通りにやったらキム・ボムの動画などがたくさん出てきたので大喜びの母だった。


お店のお兄さんは、「順番に入荷しているので、5月中旬にはお渡しできます!」というので、キム・ボムにやられた母は、即申し込んでしまった。

引き取りの頃は私は付き添えないので、お店の方にキーボードの設定やメールの設定等もお願いしておいた。


で、いつまで経っても来なかったiPad2だったが、今日やっと届いたとのこと。

6月に入ってからまだ届かないのはさすがにおかしいと、母に言っていたのだが、本人が「いつか来るからいいわ」とのんびりしているのでそのままにしていたのだが、やはりこんなに遅かったのは手続きミスだったらしい。

書類に矛盾があったのだが、記入したお兄さんは転勤した(ホントかよ?)とのことで、なんたらかんたら言われて、nanako母は従順に待っていたとのこと。

私がいれば、言うべきことは言ったんだけど(笑)


そして、iPadが来たと、ケータイからケータイにメールが来たのがさっき。

なんで、iPadのメールじゃないんだ???

電話してみると、「よくわからない」と、我が母には珍しく頼りない声。


一体何がどうわからないのか、謎(笑)

「だって、お店で一緒にさわったじゃない?何がわからないの?」とワタクシ。

「キム・ボムは一個だけ見れたんだけど・・・」←1個の意味も不明。(笑)


どうやら、「ログイン」の概念がないようでIDとパスワードを入力しなくてはならないことや、それは人に教えてはいけないこと、なども知らないらしい。

そもそも、パスワードは自分が覚えられる文字なり数字を自分で決めているはずだと言っても、色々な文字や数字を書いた紙を渡されているので、どれだかわからないと言う。


画面を読みあげてもらってわかったが、ログイン操作中にもいきなり「storeに戻りますか?」とか聞いてくるらしい。「違うところに当たったのかしら・・・」と不安げな母の声。

さらに「リンクをクリックしてください」とか普通に言ってくるが、その「リンク」がなんなのかわからないという。

「下線があって青とかの色文字になってるところない?」「あった」「そこクリックして」「クリックってどうやるの?」

「あ、指で押せばいいから」と、こんな調子。


私はアップルの製品を持っていないのだが、iPadは直感的に誰でも使えると思っていたのは甘かったようだ。(笑)


誰でも・・・といっても、やはり最低限のリテラシーを要求するのは無理も無いことだ。


韓国ドラマや歌手の番組をいろんなAV機器を駆使して録画・編集しまくり、自室にDVDライブラリーまで持っていて、CDもMP3プレーヤーを自分で買ってきて誰にも聞かずに録音してそれを聞きながら草むしりなんてしている姿を見てきたので、キカイモノには強いヒトだと思っていた。

だからiPadくらい楽勝だろうと思っていた。


でも、お年寄りにとっては無くても暮らせるのがPC系のものだったのだと改めて思い知る。

楽しみにしていたiPad2が届いたのに、もてあまし気味な母と話していてなんだか残酷なことをしてしまったような気持ちになった。

いろんな意味で傲慢な自分を省みているのである。。。


もっとも、今でも韓国歌手RainのライブDVDをお供に高速道路を120kmで飛ばしている元気な母なので、しょんぼりしているのもあと数日で1カ月もすれば使いこなしているんだろうとは思うけど。(笑)