ハマるのが怖くてある意味ずっと避けてきた宝塚。

宝塚の会員?になっていてほぼ毎月日比谷の宝塚劇場にお母様と通っているお友達に「もしお母さまのご都合が悪い時があれば声をかけてください」と言っていたのだが、お声がかかって今日ご一緒させていただいたのだ。

半分社会見学気分。ファンの方すみません。と、先に謝っておきます。。。


今日が千秋楽だったこの公演。

月組
ミュージカル
『バラの国の王子』
~ボーモン夫人作「美女と野獣」より~
脚本・演出/木村信司

グラン・ファンタジー
『ONE』
-私が愛したものは・・・-
作・演出/草野旦

トップスターのお名前も知らないワタクシには勿体ないような良いお席。

オケピットも見えるし、花道もばっちり見える2F前方のお席だ。

前半に見た「バラの国の王子」は、ディズニーでおなじみの美女と野獣とほぼ同じお話だし、ストーリーも全て聞きとりやすい歌で説明があるので、歌舞伎と違ってなんの予備知識もなくとも頭をからっぽにしていても十分楽しめるのが凄いし、音楽もほぼ生演奏なのも正直驚いた。オペラでは当たり前だが、こんなにいい席がこの程度の価格なのに・・・と言うのが驚いた理由だ。

どの方がトップスターなのかとかわからなくても、登場時の拍手とか衣装にかかっているであろうコストで容易に判断できるシステムのようだし、何と言っても何の先入観も無い私にもその歌のうまさと表現力がその地位に比例しているように思えた。トップの方(霧矢大夢)は本当に歌が上手い。(えらそー)もちろん動きもカッコイイ。

娘役?のトップの方もすごく踊りや振る舞いが美しくてプリマドンナのよう。歌もうまいし音程が抜群にいい。

舞台上のおびただしい数の団員の鍛え抜かれた体や踊りや歌を見ていると「すごいな~」と素直に感心してしまう。(笑)それでもやはり、動きがすごくきれいな人とそうでもない人、ピタっと止まっていなくてはいけないときに、手にしている動物のお面?がゆらゆらしたりする人もチラホラいたりして、きっとお稽古の時も舞台監督に怒鳴られてたんだろうな~とか、つい、そんなヒネたことを思ってしまう。(笑)

30分の休憩時間は殆どお手洗いの行列に費やした。(笑)何しろ約3000人の観客の殆どが女性なのでどのフロアのお手洗いも凄い行列。初めて見る私には、それが何の行列でどこからどこまで繋がっているのか把握不能なほど。(笑)

後半のグラン・ファンタジー「ONE」は、まさしく私のイメージのTHE 宝塚。

見ているうちにファンタジーワールドがここにあるんだな~、みなさんこれに浸りに来てるんだろうなぁとか思ったり。

トップに近い方々には同じような衣装でもキラキラがたくさんついていて、きっちりとその数や輝きに序列があってそれも面白かった。鳥の羽がたくさんついたクジャクみたいな衣装も、やはり序列と羽の数・大きさが見事に比例していたのもとっても楽しかった。

それにしても、みなさん本当に日々努力・精進されているのだな~と、表に現れないことに思いを馳せずにはいられない舞台だった。

いままで何度も、宝塚劇場前のファンの方々の出待ち入り待ちの儀式を眺めていたが、どうやら私はその仲間入りをすることはなさそうだ。(と、若干安心)

宝塚の素晴らしさは、わかりやすさと文句なく華やかなところだというのが1回だけ見た感想。

実は、ほぼ初回と言うのは、小学生の頃某地方都市にやってきた宝塚に母に連れられて行ったことがあるから。

懐かしの鳳蘭さまが、レッド・バトラーをなさった「風と共に去りぬ」を市民会館で観たのだ。

鳳蘭さまが、炎の中を馬車を駆って逃げるシーンで、平べったいセットの馬車を観た母が「本当の宝塚劇場では、本物の馬の馬車なのよ」と説明してくれたのがキョーレツに印象に残っている。

子ども心には普段見ていた子ども劇場のお芝居とはまるで違って、十分楽しかったのだが、母にすればホンモノを見せられない忸怩たる思いがにじみ出ていた。(笑)

因みに今日は、ホンモノの馬などは出てこなかった。(笑)

でも、昔NYのメトロポリタン劇場で、オペラ「ラ・ボエーム」を観たときに本物の馬が何頭か舞台にいたので、「宝塚もこんなかんじなんだろうな~」と思ったものだ。(笑)

今日は東京の宝塚劇場ではあったが、ホンモノを見てみて子供のころに母が見せてくれた(不本意な 笑)宝塚と比べると、やはり舞台やセット、音楽何をとっても地方公演の限界はあるな~と思った次第。ホンモノを観た感想を母に報告しなくては。(笑)