2023/24年リーグワンD2順位決定戦レッドハリケーンズ大阪vs九州電力キュウデンヴォルテクスの試合をヤンマースタジアム長居で観戦。22-12でレッドハリケーンズ大阪の勝利。以下、レポートいたします。(長文で失礼します)

【戦術】
〈レッドハリケーンズ大阪〉
・攻撃
ポッドでのFWフォーメーション 1331(4ポッド)
ポッド形成からラック周辺を突いたうえ、フロントドアとバックドアとの連携、ループなどを入れながら攻めていく。また、風上を活かしたハイパントも効果的に使用する。

・守備
ディフェンスシステム
ラッシュアップディフェンス主体、エッジ
のディフェンスでスライドディフェ ンスを
併用。
相手キック時の対応 2人

〈九州電力キュウデンヴォルテクス〉
・攻撃
ポッドでのFWフォーメーション 1331(4ポッド)
ポッドで基点を作ってラックからの順目展開、またディフェンスライン裏へのキックを交えてスペース活用していく。

・守備
ディフェンスシステム
ラッシュアップディフェンス主体で、
エッジのディフェンスでスライドディフェ
ンスを併用。
相手キック時の対応 2人

【得点】
レッドハリケーンズ大阪               22
(前半 10、後半 12)
九州電力キュウデンヴォルテクス   12
(前半7、後半 5) 

(レッドハリケーンズ)(ヴォルテクス)
T G PG DG T G PG DG
1 1 1 0 (前半 )1 1 0 0
2 1 0 0 (後半 )1 0 0 0

【退場】
なし

【シンビン】
なし

【試合の流れ】
(前半)
序盤はヴォルテクスが優位に立つ。

ヴォルテクスは、5分に、左敵陣ラインアウトからの右順目への展開からトライが生まれたが、オブストラクションの反則によりトライ取消となってしまう。

これに対して、レッドハリケーンズは、中央エリアでのマイボールスクラムから、CTBマタヴェシがディフェンスラインのギャップを突いて突破に成功し、ゴール右付近まで進出した後、ラックでの展開から、最後はNo.8コリン雷神がゴール右にトライし、FB山口のゴールも決まり、7-0と先制する。

また、レッドハリケーンズは、敵陣でのマイボールスクラムからの右順目展開からの連続攻撃によりヴォルテクスのオフサイドを誘い、ペナルティを得て、敵陣22m内中央にて山口がペナルティゴールを決めて3点を追加して、レッドハリケーンズが10-0と突き放す。

レッドハリケーンズは、ポッド形成からの展開にてフロントドアとバックドアとの連携がよく、ヴォルテクスのノミネートを混乱させようとする。

一方、ヴォルテクスは、ラックでの展開から、SOテイラーがレッドハリケーンズのディフェンスライン裏へのチップキックを使って、スペースを有効活用しようとする。

そして、ヴォルテクスは、31分に、自陣10m付近にて、テイラーによるディフェンスライン裏へのチップキックに、CTBバーリーが反応してキャッチして、右に並走していたWTB山田にパスし、山田がそのままゴール右隅に飛び込んでトライし、WTB萩原のゴールも決まり、ヴォルテクスが7点を返す。

ヴォルテクスは、さらにロスタイム直前にも、敵陣右奥のラインアウトからのモールで押し込んだ後、左順目に展開したものの、ノックオンにより得点には至らず。前半はレッドハリケーンズが10ー7とリードして終了。


(後半)
序盤はレッドハリケーンズが最初にチャンスを作り、43分に、敵陣右奥のラインアウトから左順目に展開してフェーズを重ねて、最後は左PR坂本がゴール左隅にトライし、山口のゴールも決まり、レッドハリケーンズが17ー7とリードを広げる。

これに対して、ヴォルテクスも54分に、敵陣右のマイボールスクラムから、SH神田からパスを受けたCTBバーリー(後半からSOの位置)がディフェンスラインのギャップを突いて、そのままゴール右にトライし、5点を返す。

その後はレッドハリケーンズが攻守でのブレイクダウンで優位に立ち、ヴォルテクスが反則を犯す場面が多くなる。

レッドハリケーンズは、63分に、ヴォルテクスのノットロールアウェイで得たペナルティキックからの右ラインアウトにてチャンスを作り、モールからSH山内からパスを受けたCTB金がゴール右にトライして22-12とリードを再び広げる。

その後は、レッドハリケーンズが押し気味に試合を進め、敵陣でのプレーをチャンスを多く作るが、自らのミスやヴォルテクスの粘り強いディフェンスによりチャンスをモノにできない時間が続く。

ヴォルテクスは、ロスタイム直前に右ラインアウトから左順目に展開するが、ノックオンによりチャンスを活かせず、レッドハリケーンズが22-12と勝利。

【ラインナップ】
(レッドハリケーンズ大阪)
第一列(1、2、3)坂本(63分 西浦)、佐藤(79分 吉田)、指田(63分 細野)
第ニ列(4、5) アラダイス、藤田
第三列(6、8、7)杉下(56分 花田)、コリン雷神、ギブソン(67分 フェナー)
SH(9) 山内
SO(10)呉(70分 射場)
CTB (12、13)マタヴェシ(56分 ソーンダース)、金
WTB (11、14)山本(40分 鶴田)、茂野
FB(15)山口

(九州電力キュウデンヴォルテクス)
第一列(1、2、3)望サムエル(58分 徳永)、王(40分 大塚)、尾池(51分 鎌田)
第ニ列(4、5)江里口(65分 石松)、ロビンソン(40分 タタフ)
第三列(6、8、7)ファインガア、アレックス拓也、キム・ギヒョン
SH(9)神田(65分 竹ノ内)
SO(10)テイラー(40分 ヴァカ)
CTB (12、13)バーリー、リクアタ(73分 髙屋)
WTB (11、14)萩原、山田
FB(15)竹下

※一時退場は含まず。

【勝負の分かれ目】
レッドハリケーンズがブレイクダウン(接点)で優位に立って、反則を誘いつつ、セットプレーを活かして効果的に得点できたこと。

【まとめ】
レッドハリケーンズは、前半は風上を有効に利用し、後半は攻守とも接点で圧力をかけることができた。前回の雪辱を果たす。


ヴォルテクスは、前半は有効にスペースを活用していたものの、後半は接点でレッドハリケーンズの圧力を受けてしまい、反則を積み重ねてしまった。