2023/24年リーグワンD1第13節ブラックラムズ東京vs埼玉ワイルドナイツの試合を秩父宮ラグビー場で観戦。50-26で、埼玉ワイルドナイツの勝利。以下、レポートいたします。(長文で失礼します)

【戦術】
〈ブラックラムズ東京〉
・攻撃
ポッドでのFWフォーメーション 1331(4ポッド)
ポッドで基点を作ってFWの圧力をかけたうえ

ルーカス、トゥポウ、西川らのバックスを活用した攻撃を展開していく。


・守備
ディフェンスシステム
ラッシュアップディフェンス主体で、
また、エッジのディフェンスでスライドディフェ
ンスを併用。
相手キック時の対応 2人

〈埼玉ワイルドナイツ〉
・攻撃
ポッドでのFWフォーメーション 1331(4ポッド)


ラック形成から素早く左右に展開してスペースを作り、時折ブラインドサイドからの突破を図る。また50/22等の有効なキックを織り交ぜ、強固なディフェンスからの素早い攻撃を展開。


・守備
ディフェンスシステム
ラッシュアップディフェンス主体で、時折外から内に飛び出すディフェンスも使用。またエッジ

のディフェンスでスライドディフェ ンスを
併用。
相手キック時の対応 2人

【得点】
ブラックラムズ東京  26
(前半14 、後半 12)
埼玉ワイルドナイツ  50
(前半33 、後半 17) 

(ブラックラムズ) (ワイルドナイツ)
T G PG DG T G PG DG
2 2 0 0 (前半 )5 4 0 0
2 10 0 (後半 )2 2 1 0

【退場】
なし

【シンビン】

なし

【試合の流れ】
(前半)
序盤からワイルドナイツが敵陣に入って試合を優位に進めていく。

ワイルドナイツは、まず5分に、50/22を機に、敵陣右ラインアウトからモールを形成して、最後はHO坂手がゴール右にトライして、ワイルドナイツが5-0と先制する。

しかし、ブラックラムズも8分に、スクラムでのコラプシング反則を得て、ラック形成からの縦攻撃から、最後はLO山本がゴール右にトライして、CTBマッガーンのゴールも決まり、ブラックラムズが7-5と逆転する。

しかし、その後は、ワイルドナイツが前に出る強いタックルによりボール奪取するなどによりチャンスを作り、試合を支配していく。

ワイルドナイツは、まず15分に、敵陣奥の左ラインアウトから、右順目にフェーズを重ねたうえ、ラック周辺のスペースをFL大西が使って突破してそのままゴール右中央にトライし、SO松田のゴールも決まり、12-7と逆転に成功する。

そして、ワイルドナイツは、続く18分に、中央エリアでのターンオーバーから、左右の順目に展開して最後はLOハアンガナがラック周辺を突破してゴール中央にトライし、松田のゴールも決まり、19-7と突き放し、更に25分にも、ブラックラムズのコラプシングからの敵陣左ラインアウトを基点として、モールからの展開により最後はWTBコロインベテがトライして、松田のゴールも決まり、ワイルドナイツが26-7と更に突き放す。
ワイルドナイツは、攻撃の勢いが止まらず、31分にもラック形成からの順目の展開によりフェーズを重ねていき、最後は大西がトライして、松田のゴールも決まり、ワイルドナイツが33-7と試合を決定づける。

これに対して、ブラックラムズがポッドからの展開を試みるも、ワイルドナイツの強いディフェンス圧力によりボール奪取されるなど、攻撃のリズムを掴めない。

それでも、36分に、ボール奪取からSO中楠のキックパスに反応したWTB西川がパスを受けた右サイドを突破してゴール前まで進み、ラックからのフェーズを重ねて、最後はFL松橋がゴール右中央にトライして、マッガーンのゴールも決まり、7点を返して、前半はワイルドナイツが33-14とリードして終了。


(後半)
後半も、ワイルドナイツが強固なディフェンスと左右の攻撃展開により試合を優位に進めていく。

ワイルドナイツは、50分に得た敵陣10Mライン中央付近のPKを松田が確実に決めたのをきっかけに、58分には、自陣にてブラックラムズが展開したのをコロインベテが前に出るタックルからブレイクダウンにてボール奪取し、左右での順目展開により確実に前にボールを運んで、最後は左に展開してコロインベテがゴール左隅にトライし、松田のゴールも決まり、ワイルドナイツが40-14とする。

ワイルドナイツは、攻守とも連動性がよく、ブラックラムズの攻撃を寸断していき、67分にも、敵陣での順目展開からCTB長田がトライして、ゴールも決まり、50-14と更に突き放す。

これに対して、ブラックラムズは、後半ヒューズらの投入により、ラックからの展開により打開を図るも、ワイルドナイツによる執拗なディフェンスとブレイクダウンでの圧力を受けて、ボールの球出しが遅れてしまい、ルーカスらの走力を活用することができず、逆にワイルドナイツのカウンター攻撃を受けてしまう。それでも何とか73分と80分にトライとゴールを決めたものの、大勢には影響せず、ワイルドナイツが50-26と勝利。


【ラインナップ】
(ブラックラムズ東京)
第一列(1、2、3)西(68分 中村)、武井(59分 大西)、大山(59分 ライアン)
第ニ列(4、5)山本、グッドヒュー(40分 ヒューズ)
第三列(6、8、7)マクラカン、ワカヴァカ、松橋(68分 木原)
SH(9)髙橋(40分 南)
SO(10)中楠
CTB (12、13)マッガーン、池田(68分 鎌田)
WTB (11、14)トゥポウ(59分 アマナキ大洋)、西川
FB(15)ルーカス

(埼玉ワイルドナイツ)
第一列(1、2、3)ペレズ(50分 ミラー)、坂手(40分 島根)、藤井(50分 アサエル愛)
第ニ列(4、5) ハアンガナ(50分 ミッチェル)、デアハー
第三列(6、8、7)ガンダー(59分 福井)、コーネルセン、大西
SH(9) 小山(59分 内田)
SO(10)松田(65分 山沢拓)
CTB (12、13)アソ(68分 ライリー)、長田
WTB (11、14)コロインベテ、竹山
FB(15)野口

※一時退場は含まず。

【勝負の分かれ目】
ワイルドナイツがブレイクダウンにて執拗な圧力をかけてブラックラムズの球出しを遅らせるなど強固なディフェンスを展開し、またラック形成からの左右への展開により有効なスペースを作って、ラック周辺からの突破により得点を重ねたこと。

【まとめ】
ワイルドナイツは、強いタックルと強固なディフェンス網により、ブラックラムズの攻撃を寸断し、またボール奪取によりチャンスを確実にモノにした。攻撃の幅が更に広がっている印象。危なげない勝利。


ブラックラムズは、ブレイクダウンにてワイルドナイツに執拗に絡まれてしまい、またワイルドナイツの強固なディフェンスにより、ミスを連発してしまった。ワイルドナイツなど強豪に対抗するには、まず確実にタックルで止めるとともに、ブレイクダウンで押し込んでボール保持率を高めなければならない。