このスポットが落ち込み、収益が大きく悪化したのである。在京キー局5社の9月中間決算では、日本テレビとテレビ東京が赤字に転落。フジテレビ以外の4社が営業減益になった。

この秋からテレビ局はこれまで不文律で禁止してきた業種のCMを解禁し始めた。パチンコホール、宗教法人関連、そして金融商品のFXなどがそう。しかし、利益を追求するあまり、安易にそれらの解禁に走る行為は、改めてテレビ局のモラル・ハザードが問われそうである。

「100 年に1度」と言われる不況で、既にトヨタ自動車は広告費の3割削減を打ち出している。CM出稿量5位のトヨタだけに、その影響は計り知れない。また、そんなリーディングカンパニーの行動が他の企業へ波及する恐れもある。そうなると、50年間築き上げてきたテレビというビジネスモデル自体に、黄信号が点りかねない。

今年度の上半期(3月31日~9月28日)のゴールデンタイムの視聴率が、1963年の調査以来、フジテレビを抜いて初めて1位となったのだ。

 その要因として、全話20%を超えた大河ドラマ『篤姫』の存在、開会式(37.3%)や女子ソフトボール(30.6%)など高視聴率を連発した北京オリンピックの中継、昨年より1.4ポイントも視聴率を上げた『ニュース7』の健闘などが挙げられるが、同時に視聴者の“民放バラエティ離れ”もNHKをアシストした要因の一つと言わざるを得ない。
『ごくせん』、キムタクにやや翳り

 さて、ドラマに目を向けると、平均視聴率でNHKの『篤姫』がトップ。2位が『ごくせん』(日本テレビ系)、3位が木村拓哉の『CHANGE』(フジテレビ系)となった。

 大河のトップは、民放の連ドラにかつての勢いがなくなりつつあることを証明している。実際、『ごくせん』やキムタクも2位、3位とはいえ、かつての数字よりは落ちており、翳りが見られる。

 そんな中、健闘しているのが、テレビ朝日の『相棒』である。

 今シーズン(第7シーズン)は歴代最高の5位にランクイン。特筆すべきはその視聴率の推移で、大抵のドラマが1話で最高視聴率を記録し、2話以降は徐々に落としていくのに対し、今シーズンの『相棒』は第4話が最高の20.7%。平均17~18%で安定している。

 1クールの連ドラと違い、毎年2クール放映し、奇をてらうことなく高いクオリティを維持してきた結果が、視聴者との間に強い信頼関係を生んだのだろう。
紳助銘柄が1、2フィニッシュ

 一方、バラエティでは、島田紳助の番組が目立つ1年となった。

 年間平均視聴率ランキングでは、長年トップを守り続けてきた『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)に変わり、『行列のできる法律相談所』(日本テレビ系)がトップに。カンボジアに学校を作る企画「有名人絵画オークション」が視聴率を押し上げる形となった。

 2位も紳助の『クイズ!ヘキサゴンII』(フジテレビ系)がランクイン。いわずと知れた“お馬鹿ブーム”の火付け役である。

 2つの番組に共通して言えるのは、法律相談やクイズといった番組のフォーマットにとらわれず、タレントの個性を生かして企画を転がしたこと。よくバラエティ番組は生き物といわれるが、まさにスタジオの空気の使い手、紳助の本領発揮だろう。

 また、それ以外で目立ったのは、“1分間”にこだわった番組である。

 フジテレビの『爆笑レッドカーペット』はネタを1分前後で見せるコンセプトが視聴者に支持され、5位にランクイン。興味深いのは、それに引きずられる形で、昨年視聴率を落としていた『エンタの神様』(日本テレビ系)も復活して7位に入ったこと。『レッド~』同様、1分程度にネタを短くしたからである。

 紳助司会の日本テレビの『人生が変わる1分間の深イイ話』も、1分でいい話をするコンセプトが当たり、週によっては裏番組の月9『イノセント・ラブ』(フジテレビ系)を抜いて同時間帯トップの視聴率を記録している。