パンに注いでゆっくりとした火で 温め合ってたちっぽけな希望は
寒さで固まり崩れ落ちた タッパーウェアの中ほったらかしにしてた
ブラウシュガー塊の様なもの 地団駄と共に踏みつけたのさ
コーヒーもティーも丁度切らしてた 僕等それまでの関係だったのさ
11月はとても残酷だぜ 心も身体も萎えさせていく
ここにあるのは安物のカーペット ここに居るのは間抜けな男
ついでに生姜も手に入れなきゃな エンターティナーよろしく壊したマグも
筋切りのない窓の内側はじっとりと汗をかいているいうのに
僕の心は砕けた方さ 何てたって保険だったんだ 保険代わりに攫われた男
昨日の夜、孤独な人を見た 今日の朝、やりきれぬ人を見た
午後に差し掛かる頃、悲しげな人を見た 時計の針周り、寂しげな人を見た
一日をそれで使い切った なんて事はない鏡の前で項垂れてたのさ
拠り所ってやつの半分を持ってた 彼女は誰かの奥さんだった
泣きじゃくる少女を宥めて聞いてたら よりを戻して何処かへ消えた
差し伸べてくれたナースはセーレスレディで 財布拾ってくれてた店員は売女
そこのお二人さん 老いぼれの瞳に何が映ってると思う?
ユニオンジャックのコースター? ブリロマーク真似たティーパッケージ?
千鳥格子キマったカップでもないぜ フレンチトースト混ぜるミルクでもない
昨日の夜、孤独な人を見た 今日の朝、やりきれぬ人を見た
午後に差し掛かる頃、悲しげな人を見た 時計の針周り、寂しげな人を見た
一日をそれで使い切った なんて事はない鏡の前で項垂れてたのさ
陽の光当たらぬ此処は地下室 2階奥にある地下室さ
役に立たない魔法の箱と 僕のアルジャーノンにはなってくれない
それにかまける無愛想で小さなねずみ 単三電池という名の餌を食う
間仕切りはあれど間仕切りのない 締め切りに追われるような人生さ
ある日二人は持ち寄った そして二人は交わし始めた 季節はめぐり一人ぼっち
保険代わりにするのなら
せめてもいやらしく触れさせてくれ だって心も隠してたんだぜ
僕は保険がわり 保険がわりの男なのさ 電源を落としたら旦那も子もいる
火にかけなくとも階段を降りれば 温もり逃げずに待っている それなのにこうさ
箱の中込み上げる喜びと肌触れて込み上げる喜びの 両方を欲しがった訳なのさ
そういう事で構わない ニューフレーバーのティーをくれ 秋に売られるチョコをくれ
僕は保険がわり 保険がわりの男です どなたか攫ってくれませんか?
箱の中だけで呼吸してます
※3~40分勢いだけで綴った、後悔はしていない...多分(^^ゞ